「こんな番頭は嫌だ」碁盤斬り TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな番頭は嫌だ
さて、白石和彌監督作品ですが、総じて悪い印象はないものの好みとして大当たりもあれば、ちょっと違うなと思うこともある監督です。今回のメインは草彅さんですが、私、正直ジャニーズ系の方の演技があまり好みではない(例外もあります)ため、それを理由に劇場鑑賞しないこともあります。と言うことで、今作も若干迷ったものの今週の3本目として劇場鑑賞いたしました。公開1週目のサービスデイ、109シネマズ木場の客入りはそれなりに。年配の方が多かった印象です。
で、いつもの如く「白石監督初の時代劇」ということ以外の情報一切いれず、トレーラーすら観ずに挑んだのですが、観ながら思ったのは「これ、“いわゆる時代劇”っていうより落語の人情噺みたいだな」という印象。観終わって、レビューのための最低限情報を映画.comで確認すると、なんと、そのままでした。私、落語はたまにラジオやポッドキャストなどで聴く程度で『柳田格之進』という噺は知らなかったこともあるのですが、印象が間違っていなかったことよりも、鑑賞前に期待していたもの(“いわゆる時代劇”)と違ったことの方が少々強くあり、本作に対してはややネガティブ。他の方の評価は高いみたいなので同意を得られないかもしれませんが、あくまで個人の主観を素直に言えば好みではありませんでした。
まぁ、タイトルのことは言うまでもなく、キャラクターの関連性やだいたいの流れは、映画を観ながら先行気味に解ります。それ自体は全く悪くありませんが、とは言え、ポイント、ポイントでやや強引な展開やあり得ない設定が目についたり、特に中盤にある重大な事件についてはいくらなんでも説明が付かないシーンがチラホラ。そもそも「物凄い剣幕」で怒り散らかしておいてからのその幕引きに、強引すぎる予定調和がいくらなんでも「オチありき」すぎでどさくさです。やはりその辺は漫画の実写化に近い「無理筋が見えてしまう」残念さがあります。で結局、敢えて見せられるよりも、自分の脳で補完するくらいが丁度いいと思っちゃうんですよね。。
とまぁ、ネガティブなことばかり書いておりますが、「白石監督初の時代劇」は初とは思えないくらいルックは素晴らしいと思います。配役次第ですが、次があればまた劇場で観てみようかなと思えるくらい、決して嫌いとか悪いとかはありません。ま、でも高評価はつけられないかな。好みの問題です。ごめんさない。