「濡れ衣に関する脚本、演出が巧妙。」碁盤斬り やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
濡れ衣に関する脚本、演出が巧妙。
俳優として大好きな草彅剛さん主演の映画ということで、内容に関わらず鑑賞することに決めておりました。
彼をその個性や独特の佇まいが生かせる時代劇の主役にキャスティングしただけで、間違いなくセンスある監督と制作陣よなあと思ってたのですが(笑)、想定外に設定や脚本に引き込まれてしまい読後感に深みや余韻がありながらも清々しく、大変気持ちが良いです。
武家社会において清廉潔白を貫いてきた頭が相当に固く融通が効かず・・濡れ衣を着せられ追放され浪人になっても武士のプライドは捨てきれずに居る不器用極まりない主人公。彼がさらに50両をネコババ?した嫌疑をかけられることと、彼に濡れ衣をかけ奥方が死に至る要因を作ったとされる極悪人(笑)に対しての仇討ちの旅が複雑に交錯し、物語はすすみます。
単なる勧善懲悪の仇討ち話ならここまでの余韻はありませんでしたが、「濡れ衣が作られる背景」の演出やら「善人、悪人、極悪人(?!)含めて魅力的な人物との接触、交流で人間性を取り戻す主人公や登場人物」が生き生きと描かれる部分は本当に良かったと思います。
特にたびたびストーリー上で取り沙汰された「濡れ衣」については、主人公に対してだけじゃなかったんか・・・とか気づけると、最後の主人公の行動にもさらに理解が深まると考えます。
ただ碁盤切り・・・って題名だけは、まんまなのでいかがなもんかと思いましたけど(笑)。
ぜひ、映画館でご鑑賞くださいませ。
コメントする