「お父さんバカなの?」ミンナのウタ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
お父さんバカなの?
意外とホラーになってる。前作『忌怪島』は、ヌルい仕上がりで、一回もブルっと来なかった。今回の『ミンナのウタ』は、なかなかどうして、ゾクゾク来るじゃないですか。しかもLDHとタッグを組むとは、清水崇監督も商売センスがおありなことで。
アナログ媒体と霊は相性がいい。霊体は磁気を帯びたエネルギー体という説もあるくらいだから、磁性体であるカセットテープに潜んでいてもおかしくない。
逆再生なんて忘れていた昭和の裏ワザには、悪魔の声が聞こえるだの、自殺に追い込まれる歌が聞こえるだの、オカルトめいた話がいっぱいあった。自分も度胸試しで聞いてはみたものの、数日間は震えが止まらない。
イジメられてかわいそうな少女が怨霊化した。そんなイメージを観客に植え付けて、落とし穴に落とす。そんな変化球もありながら、存在感を見せていたのは、マキタスポーツ。
胡散臭い中年男をやらせたら右に出るものはいない。一歩間違うとコメディーになってしまうが、笑いと怖さをいい塩梅で見せてくれました。
お父さん、バカなの? そんなツッコミをしたくなるクライマックスもありながら、しっかりとGENERATIONSをプロモーションしながら終幕。
カップルやグループでいくにはちょうどよい怖さでございます。
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