ビデオドローム 4K ディレクターズカット版のレビュー・感想・評価
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クローネンバーグ監督初期の集大成‼️
この作品は間違いなくクローネンバーグ監督にしか作りえない作品ですよね‼️あるケーブルTVの社長が見つけ出した、禁断のビデオ "ビデオドローム" 。拷問と殺人が果てしなく続くそのビデオを見続けた社長に起こる幻覚の世界‼️腹に現れた女性器状の穴にビデオテープや銃を突っ込んだり、腕と銃が一体化したり、モニターへ吸い込まれるように侵入したりと、テクノと内臓感覚の恐怖が性を通して融合するとでもいいましょうか⁉️しかも始めは区別されていた主人公の幻覚と現実の区別が、後半になるとなくなったままラストまで突っ走ってしまう‼️まさにクローネンバーグ監督の観念の集大成みたいな作品‼️間違いなく好き嫌いがハッキリ分かれるこの作品‼️私は好きです‼️
キショくて良い
まじめか?
終映間際のシネリーブル池袋へ。
かの有名な、でずっと頭にあった作品。ついに、とうとう、劇場で拝むことができました。
内容はややとっ散らかってるけど、楽しかった!
基本的にはザ・フライとかスキャナーズと似たテーマ。
テクノロジーが人間の身体を変化させ、急速に進化させてしまうものの、周囲との軋轢が起こり悲劇を招く。
退屈はしないけど本題に入るまでがやや長くて、後半もバタバタ、上映時間よりも長く感じた。
しかしなんといってもドクドク脈打つビデオ、機械と同化してしまう肉体など、今なお素晴らしい特殊効果の数々。
シンセを駆使した独特なサントラ。
82年だけど街の風景はほぼ70年代の汚さ。近所でゼイリブの押し問答やってなかった?
この時代に、今なら即座にこれYouTubeのことだよね、ってなるテーマをTV、ビデオを使ってやっている。
いろんな意味で今はもう作れないけど、今でも通用するネタ。ビデオが普及しだした当時、ここまで考え抜いて映画にするなんて、クローネンバーグってすごい真面目な人なんじゃないだろうか…
かといって観念的じゃなく、全部がモノとして画面で見せられる。だからこその特殊効果の意義だし、映像として楽しむことが可能。ボディホラーの巨匠は伊達じゃなく、理念が実体化してる。
その実体がとても肌に合う感じ。
ジョーダン・ピールの「ゲットアウト」でビデオ見せられるシーンはこれのオマージュだったのかな。幻覚ヘッドギアがチェンソーマンぽい。
また洗脳映画としては「時計仕掛けのオレンジ」を思い出したり。
劇場はほぼ貸切り状態でしたが、逆にプライベートシアター気分でたいへん心が潤いました。
Don’t think, Feel.
カルトな人気になるの分かります
何がなにやら
ネット社会の到来を予言する異形のSF作品
クローネンバーグ初期の作品で、ビデオの世界に取り込まれるSFスリラーです。エロとグロと痛みを感じさせる変態的な作風がしっかりと出ていて、後年の傑作『クラッシュ』で満開の花盛りを迎えるのも納得です。実際の殺人を撮影したビデオドロームが不気味感満載で、主人公が現実と幻覚の区別がつかなくなる悪夢のような展開もいい感じです。ところが、後半からビデオドロームを巡る陰謀らしきものが出てきた途端、お話が安っぽくなってしまい、何がしたいのかさっぱり分からなくなってしまうのが残念。オチもなんだかピンときませんでした。役者では、ジェームズ・ウッズがアクの強い役柄がピッタリで、デボラ・ハリーやソーニャ・スミッツのクール・ビューティーも魅力的でした。
すごいものを観た
若いころの記憶が・・・
ガチでR18なので要注意。それにしてもテーマは何なのかいろいろありそう…。
今年202本目(合計853本目/今月(2023年6月度)27本目)。
今は本当に懐かしくなって、そもそも日本ではテレビの受信制度の考え方からおよそ存在しないテレビと、そのテレビにくっついてくる「ビデオテープ」にまつわるホラーもの。
ホラーものといってもR18ですので全般的にきつく、また「アダルトシーン」なども随所に見られます(ただ個々個々にはR15くらいで、数え役満的にR18になったといえそうなタイプ)。
結局のところ日本にしろアメリカにしろ、今、ビデオ(カセットテープ)が普通に流通している国がどれだけあるか怪しいし、この映画のそのカセットテープの考え方は、上記で述べたように「現在の」日本ではよほど特殊な機材を買いそろえないとそもそも見ることができない(もろもろの再生機は生産終了になっている模様)のため、「物理的に」記憶媒体として存在してた当時、まだテレビ文化が決して当たり前でもない一方で、テレビ「くらいしか」娯楽がなかったのだろうと思われるその当時の、カセットテープにまつわるホラーもの(一部アダルトもの)というところです。
確かに他の方も書かれている通り、趣旨がはっきりしないというのは言えるのですよね…。脳腫瘍がどうこうという話は出るので、「あまりにもテレビを見ると脳腫瘍になる」と当時は信じられていたのか(科学的根拠はないが、「一応」理解は可能)、あるいは陰謀論の話までしてくるので(映画の字幕も結構わかりにくいというか、出てくる人がほぼほぼ発言の脈略がすごく、何か「やってるんじゃないか」レベル)、その「テレビを見すぎると陰謀に巻き込まれる」ということを述べたいのか、そもそもテレビ(ビデオ)に肯定的なのか否定的なのかもはっきりしないという妙な作品です。
ただ、「少年と犬」(2024年の第四次世界大戦後を描いた作品)がそうであるように、当時は映画で描かれている、今だと「あるわけがないでしょ」みたいなことが大真面目に信じられていたのだろうとは思えるし、この映画は当時のそうした思想背景の理解(今とは異なる文化の理解)が背景にあるのだろう、ということも踏まえて、「ややわかりにくい点はあるが、それは映画の趣旨上当然に起こりうる」点も考慮して減点なしにしています。
なお、R18といってもアダルトネタ、グロネタと結構あれこれ来ますので(その「種類」の多さも結構やばそう…)、一応飲食物などの持ち込みは注意です(90分ほどの作品なので何も持ち込まないのが正解?)。
示唆的
公開時に観ただけでなく、その後もVHS「ビデオカセット」(!)で何度も観返した作品だけど、おそらく30年くらいぶりに観てストーリーは全然覚えていないことが発覚…印象的なVFXシーンはもちろん覚えているけれども。
しかしあらためて観るとめちゃくちゃ示唆的な作品だったんだな…
一人一台のテレビ、国が「ソフトになりすぎた」と言いプロパガンダのために刺激的なビデオでメディアを支配しようとする。拷問と殺人を配信できるメディア、対抗するのもまたプロパガンダだったり…
これ現代じゃね?予言なの?ってくらい今の課題。当時はこれほどまでの状況となるとは考えられなかったけど、言うてるとおりやん。クローネンバーグ、スゴいな。
あと4Kレストア版だけあって、過去イチのキレイさだと思われ。ストーリー全部覚えてる人も必見。
サムライドリーム
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