ビデオドローム 4K ディレクターズカット版のレビュー・感想・評価
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クローネンバーグ監督初期の集大成‼️
この作品は間違いなくクローネンバーグ監督にしか作りえない作品ですよね‼️あるケーブルTVの社長が見つけ出した、禁断のビデオ "ビデオドローム" 。拷問と殺人が果てしなく続くそのビデオを見続けた社長に起こる幻覚の世界‼️腹に現れた女性器状の穴にビデオテープや銃を突っ込んだり、腕と銃が一体化したり、モニターへ吸い込まれるように侵入したりと、テクノと内臓感覚の恐怖が性を通して融合するとでもいいましょうか⁉️しかも始めは区別されていた主人公の幻覚と現実の区別が、後半になるとなくなったままラストまで突っ走ってしまう‼️まさにクローネンバーグ監督の観念の集大成みたいな作品‼️間違いなく好き嫌いがハッキリ分かれるこの作品‼️私は好きです‼️
ピストル
ティザーやポスターに載っているブラウン管からラバーのように伸張するあの形はピストルを掲げている事が観賞で分った程、今作の情報はなるべく入れないようにした 初見では、指差ししてるとばかり思ってて、『テレビを捨て街に出よ』的な、寺山修司臭を感じたのだが(苦笑
エログロが表現として携っているという情報だが、現在のレベルに置き比べるとかなり易しく演出されている 台詞では"四肢切断"等が語られていたが、もっと前に、邦画では残虐時代劇が上映されていたりして、シネフィルな人達からすれば甘い内容だったと思うし、自分もそこまで残虐性は感じないのは、私も、このヴィデオドロームに堕ちてしまっていることの証拠であろう 特にエロ漫画なんか観ていると、こんなレベルではなくトコトン非人間性を追求している作風も多く、あっという間にその世界に取り込まれてしまう 今作の主人公の気持が痛い程理解出来る 監督はその危険性を説いているのか、それとも、デビルマンのラストのように残虐性をトコトン解放する表象を突きつけているのか、兎に角、マグマのような心の叫びを一本の作品に仕上げたという、咆吼を感じてしまったのである 私は"滅びるならば全て灰になってしまえ派"なので、ラストの自死は取って付けたような収拾に些か寂しさを禁じ得ないが、映画的には正解なのかも知れない
つまりは、私は病院に行った方がいいという事を教えてくれた作品である(苦笑
キショくて良い
新作の期待からふわっと見た。
とってもキモくて、ずっとこんな事やりたいという熱意が
御年80にもなって継続していることが人間の域を超えていると思った。
誰に需要があるわけでもない
こんな独創的なジャンル。
造形のキモさと、展開の意味不明さ
でも、伝えたい事はしっかりと伝える。
ストーリーテリングの雄というよりは
ビジュアルで見せる監督の手腕は確かだった。
【無茶苦茶グロイ、ぶっ飛びムービー。なんたってD・クローネンバーグ監督だからね。現代のエロ・グロ映像が自由に観れる事により、自己喪失していく人々の姿を予感したのだろうと推測していたと思われる作品。】
■暴力的で過激なポルノを売りとするテレビ局の社長・マックス。
ある日、彼は拷問や殺人シーンなどのサディスティックな映像を果てしなく繰り返す「ヴィデオドローム」という番組の存在を知る。
興味を持ったマックスは、番組の出所を探ろうとする。
◆感想
・マックスの恋人だろうか、ニッキーを演じるデボラ・ハリーとマックスのセックスシーンは今では何でもないが、40年前は可なりショッキングだったのではないかな。
序でに言えば、ニッキーは明らかにマゾヒストであり、映し出される黒い服を着た男達に壁に縛りつけられたビデオを見て”私も出演したい”等と言っている。
・現在では、流石にスナッフフィルムは違法だが、(だが、メキシコなど南米や変態の中では流通しているらしい(除く私))、それに近い映像が氾濫しているのはご存じの通りである。
・「ヴィデオドローム」に嵌ると脳腫瘍になり、幻覚を見る様になるという設定も、現代のスマホ中毒を暗喩しているのではないかな・・。
・ニッキーはいつの間にか”あちら側に逝っており”TVの中で激しく鞭打たれたり、有名な唇のドアップにマックスが呑み込まれそうになるシーンや、ニッキーの腹が開き(あれは、明かにヴァギナである。)そこにビデオを埋めたり、ピストルが出てきたり可なりグロイ。
ー D・クローネンバーグ監督だからね・・。ー
<今作は一度”全米40周年記念”で劇場で観たが、一部腑に落ちないシーンがあり配信で再鑑賞したが、この作品を論理的にレビューできる人は居るのだろうか?
私は、D・クローネンバーグ監督が将来のエロティシズム溢れる映像や殺人映像(勿論、スナッフフィルムではなくスラッシャーホラーである。
(だが、何故にスラッシャーホラーは一定の集客があるのか?)の反乱に呑み込まれ、自己喪失していく人々の姿を描いたのだろうと勝手に推測して、レビューとする。>
想像が楽しい
話だけでは理解しづらいですね。
色々とこうだろうな、と考えながら見るのが楽しい。
こう、訳わからないというよりはなんでこうなるんだ、というところか。
どこまでが妄想で現実なのか。
そんな話しかと思いきや、そういうわけでもなく。
結局ビデオドロームとは何なのか。主人公はどうなってしまったのか。新人間とは何なのか。
SF的に宇宙からやってきた何かなのか、それとも全てあくまで揶揄的表現で、洗脳チックな話なのか。
色々考えて楽しい作品だなと思いました。
まじめか?
終映間際のシネリーブル池袋へ。
かの有名な、でずっと頭にあった作品。ついに、とうとう、劇場で拝むことができました。
内容はややとっ散らかってるけど、楽しかった!
基本的にはザ・フライとかスキャナーズと似たテーマ。
テクノロジーが人間の身体を変化させ、急速に進化させてしまうものの、周囲との軋轢が起こり悲劇を招く。
退屈はしないけど本題に入るまでがやや長くて、後半もバタバタ、上映時間よりも長く感じた。
しかしなんといってもドクドク脈打つビデオ、機械と同化してしまう肉体など、今なお素晴らしい特殊効果の数々。
シンセを駆使した独特なサントラ。
82年だけど街の風景はほぼ70年代の汚さ。近所でゼイリブの押し問答やってなかった?
この時代に、今なら即座にこれYouTubeのことだよね、ってなるテーマをTV、ビデオを使ってやっている。
いろんな意味で今はもう作れないけど、今でも通用するネタ。ビデオが普及しだした当時、ここまで考え抜いて映画にするなんて、クローネンバーグってすごい真面目な人なんじゃないだろうか…
かといって観念的じゃなく、全部がモノとして画面で見せられる。だからこその特殊効果の意義だし、映像として楽しむことが可能。ボディホラーの巨匠は伊達じゃなく、理念が実体化してる。
その実体がとても肌に合う感じ。
ジョーダン・ピールの「ゲットアウト」でビデオ見せられるシーンはこれのオマージュだったのかな。幻覚ヘッドギアがチェンソーマンぽい。
また洗脳映画としては「時計仕掛けのオレンジ」を思い出したり。
劇場はほぼ貸切り状態でしたが、逆にプライベートシアター気分でたいへん心が潤いました。
Don’t think, Feel.
オリジナルの鑑賞経験はなく、
4Kリマスターが本作初鑑賞です。
思ったより観客が混乱する部分はなかったように思う。
ただ、意図的にどこからどこまでが現実か幻覚か
わからないように構成されているため、
考察は難しいのだと思う。
この作品は「考えるのでは無く感じる」映画なのだ、と思った。
特筆すべき点として。
この作品は80年台映画としては特撮の質が飛び抜けている。
後に作られる「トータルリコール」なんかと比べても
違和感が無く、どうやって撮っているのかわからないようなシーンも多い。(特に腹のやつ)
特撮を見るだけでも満足な感じがした。
カルトな人気になるの分かります
前から気になっていた作品。スクリーンで観られるとの事で最終日に駈込み鑑賞。
CGの無い時代に良く頑張ってるなぁと思いますが、そんなにグロい感じはしないです。
電波ジャックしたビデオドロームの映像が何とも雑な印象なのが残念でした。
何がなにやら
そもそも、何が起こっているか(どこまでが現実でどこからが幻想か)わからなかった。
よって、何を言いたいのかもわからなかった。
ただ、自分も携帯をいじるのは減らそうかなとは思った。
あの女性、デボラ・ハリーだったんですね。
ネット社会の到来を予言する異形のSF作品
クローネンバーグ初期の作品で、ビデオの世界に取り込まれるSFスリラーです。エロとグロと痛みを感じさせる変態的な作風がしっかりと出ていて、後年の傑作『クラッシュ』で満開の花盛りを迎えるのも納得です。実際の殺人を撮影したビデオドロームが不気味感満載で、主人公が現実と幻覚の区別がつかなくなる悪夢のような展開もいい感じです。ところが、後半からビデオドロームを巡る陰謀らしきものが出てきた途端、お話が安っぽくなってしまい、何がしたいのかさっぱり分からなくなってしまうのが残念。オチもなんだかピンときませんでした。役者では、ジェームズ・ウッズがアクの強い役柄がピッタリで、デボラ・ハリーやソーニャ・スミッツのクール・ビューティーも魅力的でした。
本作の持つ先見性
本作が劇場公開されたのが1983年。奇しくも1988年に日本で当時世間を震撼させた女児連続殺人事件が起きている。
犯人の部屋には何千本ものビデオテープがあり、その中にはスナッフフィルムに似せた残酷描写で話題の「ギニーピッグ」のビデオもあった。
犯人が誘拐した被害者の死体を損壊した様から、かような残酷ビデオの影響がなにかと取りざたされて、当時学生仲間で鑑賞会をしたことがある。確かに本物かと見紛うばかりの残酷描写だったが、結構コミカルであっさりした内容で鑑賞後何ら悪影響を受けることもなかった。
しかし、心に闇を持つものが見れば真似しようとするものも出てくるかもしれない。だからこそ残酷描写が含まれた作品などは規制がかかったりするわけだが。
過激な映像ばかりを流して収益を上げている弱小ケーブルテレビの社長マックスは過激な映像作品を追い求めるあまり、ビデオドロームというビデオ作品に心を奪われる。そしていつしかそのビデオ映像のもつ魔力に次第に侵されてゆく。
ビデオドロームと呼ばれるそのビデオが発するシグナルは見る者の脳に腫瘍を生じさせ、その腫瘍が見せる幻覚が実体化し、ついには現実が幻覚に支配されるという。
ビデオドロームに侵されたマックスはそれを悪用して世界を支配しようとする組織に操られ殺人を重ねる。しかし、ビデオドロームの開発者の娘によって正気に返った彼は組織を壊滅させ、自らも命を絶つのだった。
ビデオドロームに毒されて新人類となったマックスにはこうするしか道はなかった。
当時オリジナルビデオの氾濫した時代、これら過激な映像で人の心がどんどん毒されていくのではないかという不安を映像化した、クローネンバーグの先見性あふれた作品だった。
すごいものを観た
初手から謎のゲイシャムービーが始まって違う意味ですごいのですが(笑)、いやぁこれはとにかくすごい。
ビジュアル面の生々しさが凄まじいし、ストーリーの撹乱ぶりがそれに負けてません。あと不気味極まりない音楽も。
幻覚系にありがちな、困ったらハイ幻覚でしたみたいな誤魔化しはほとんど感じず、結構話はスッキリしてて、見た目のわりにはかなり観やすいし理解もしやすかったです。
若いころの記憶が・・・
若いころにレンタルビデオで鑑賞し、その独特な世界に驚いた記憶があり、今回のリマスター版の公開を楽しみに観に行きました。
だけど、どうも若いころの記憶の1シーンが実際の映像と違っていて、記憶が書き換えられていたようです。
あの頃の自分を思い出しながら懐かしく鑑賞しました。
それにしても、ブロンディのデボラハリーが出ていたんですね~。その頃わかってたのかな~。
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