「政治家って肩書に付随する負の印象が全部出てきて、そっちがビンゴ過ぎて物語の印象があんまりない。」おまえの罪を自白しろ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
政治家って肩書に付随する負の印象が全部出てきて、そっちがビンゴ過ぎて物語の印象があんまりない。
物語はそこそこ面白かった。
政治家達が私服を肥やすプロセスとでも言うのだろうか、そのシステムが挿入されてたりする。
森友学園だったか何だったか定かではないけれど、その辺の事件の裏側ってこおいうもんなんかなぁと、フと考えたりする。
さて…どお書けばいいものか。
気になって仕方なかったのは、ポケットに突っ込まれた手だ。
この台詞喋る時に、ポケットに手突っ込むの??
そんな些細な違和感から始まって色んな事が鼻につく。なんか歌舞伎出身なんだろうなぁって人もいるし。
ちゃんと撮ればちゃんと面白そうなのになぁとため息が出る。
※読み返して思ったけど、コレ以降は愚痴の方が多い。書き直そうかとも思ったけど、コレも一つの感想かと思い、そのままにする。
原作の力だけじゃ勝負させてもらえないんだろうなぁ。なんか監督が中心にいないような印象を受ける。ジャニーズの崩壊を受けて、この歪みまくったシステムが改善されていけば、日本のエンタメも少しはマシになるんじゃなかろうかと、仄かな期待を抱く。
ちなみに有楽町の映画館に居たのは多く見積もっても20人くらいだ。…あんたらが崇めてる集客力なんてこんなもんだ。
ちょいと話が逸れた。
物語は日本の政治家がやっているであろう事のオンパレードで…汚職とか癒着とか献金の仕組みとか、選挙の票集めとか、政治家の世襲制度とか。実際は知らないけれど、何かにつけ推測する日本の政治家像がふんだんにぶち込まれてた。
で「お前の罪を自白しろ」ってタイトルなのだけども… 全政治家に言いたいよね。
それだけでもなく、ママ友を通して、政治家に擦り寄る輩達も描いてるのには恐れ入った。
犯人は身勝手な動機で誘拐をするわけなのだけども、そのキッカケは政治家にちゃんとある所が好感触。大なり小なり犠牲になってんだなぁと思う。
あの閉ざされた世界で、閉ざされた世界にだけ適用される正義があって、皆さま叩けば埃の出る体でお互い傷を舐め合って…悍ましい。
感謝もしなけりゃ尊敬も出来ない輩しかいない。
堤さんには最後まで腹黒入り政治家でいて欲しかったなぁ。まぁ、今まで政策という名目で無視してきたものに身内が巻き込まれたら目の色変えるってのも愉快ではあるのだけれど。
台詞にもあったけど「なんでこうなってしまったのかなぁ」って。
志があって当選しても、その声は届かず、届かす為には徒党を組む必要があって、更にはその徒党の中でも発言する為の地位が必要で、その為にはトップダウンによる意向に忖度する必要があって、結果、大事の前の小事とばかりに理不尽な事もやっていく。そして慣れて麻痺して、いつしか違う価値観に取り込まれる。
そんな政治家を貫いて欲しかった。
政治家の常識を拭いされない政治家を。
初め、相関図が分からなくて…親子にも見えなければ、兄妹にも見えない。池田さんとは夫婦なのかなって思ったし、もしかして腹違いの妹なのかな?堤さんに対してはサッパリ分からない。親子だと判明してからアレコレ思い返してみるも腑に落ちない。
彼のファンは嬉しいのだろうなぁ。
何をやってもカッコいいから。
ファンでもない俺は、カッコばっかつけられてもなぁと胃もたれ気味だ。その象徴がポケットに突っ込まれる手だ。
会見の後に壁を叩くオーバーアクションだ。
アレを止められなかった監督は不甲斐ないにと思うし、脇の甘い演出だなぁとも思う。もし、アレが監督の指示だとしたらぶったまげる。どっちなんだろ?
昨今、ワイドショーを席巻するジャニーズ問題もそうなんだけど、長いモノには巻かれろって教訓が日本にも芸能界にも蔓延してんだなぁって思った。
総理がお伺いをたてる存在がいて、監督が顔色を伺う存在がいる。
で、そのお伺いを立てる存在は日本の事も作品の事も考えてはいない。
こんなんでは、明るい未来もいい作品も出来る訳ないよなぁーって、愚痴るしかない俺がいる。
明確な犠牲者が子供って結末は、この国にもリンクしてるように思え、しかも声が出せないって。なかなか気の利いた暗喩でもあったな。やっぱ、この原作はちゃんと面白いんじゃないかしら。