劇場公開日 2023年10月20日

「硬派な物語が苦手な人も惹き込まれるテンポの良いストーリー」おまえの罪を自白しろ まるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5硬派な物語が苦手な人も惹き込まれるテンポの良いストーリー

2023年10月22日
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知的

いつもは上映時間が長いと途中で集中力が切れてしまうのですが(2時間もキツイタイプですが)、今作はもっと長くても観たいと思えるくらい体感短く感じました。それはストーリー展開にスピード感があって、退屈に感じてしまう描写が少なくギュッと要素が詰まっていたからかと思います。飛ばしていいと思えるシーンが一つもありませんでした。また、普段は日曜劇場でよくあるような社会派、硬派な作品は積極的には観ないのですが、そんな自分でもストーリー本体にグッと惹き込まれました。エライザさん演じる役が政治家の娘としてのこれまでの苦悩と娘を誘拐された母親としての苦悩を葛藤として合わせ持った演技で、この映画の感情面の盛り上がりを作っていたと感じました。反対に、父親であり政治家としての堤真一さんの役は感情を露わにしないことでエライザさんとの対比ができていて、より緊張感と裏を探りたくなる魅せ方になっていました。中島健人さんの演じる宇田晄司は政治家の息子であり秘書の立場と、姪っ子のおじとしての立場に葛藤しながらも、自分の意志を貫き通し真相に迫っていく情熱を見事に表現されていました。これまでは王子様のようなキラキラした役が多かったかと思いますが、私はラーゲリ以降の熱量や芯の強さが際立つ今回のような役でまた観られること楽しみにしています!

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