「前作の答え合わせ」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ shinさんの映画レビュー(感想・評価)
前作の答え合わせ
私は映画は好きだが通と言えるほどたくさんは観ていないし、誰もが知っている名作と言われる映画もそれほど観てはいない。
それでもこのジョーカーの前作、今作といい、どこかで見聞きしたような内容、既視感を覚えた。あの時のあの行動言動は実はこうでしたああでした、あの時あんなことこんなことを考えていました、とか。全てに意外性がなく、まあそうだよね、という感想しか出てこなかった。アーサーの不気味さとか神秘性とかカリスマ性とかも薄れ、二重人格さも感じさせず、ただの(日本にもいた模倣犯のような)目立ちたがりの犯罪者にしか映らなかった(しかしそれが演技なのだからたいしたもんだ)。
私にはたいした学がないので、小難しい考察は出来ませんが、映画をエンターテイメントととして考えたとき、前作で起きたことをわざわざ解説するための続編が必要だったのか、この気怠い雰囲気を保ちながら、前作の答え合わせをする必要があったのかと、この色々物議を醸した作品を見終えたときの感想でした。
世の興味は移ろい易く一時期崇め祀られた人が、次の新しいものが出た瞬間に忘れられてしまうことは珍しくない(現に日本のジョーカーの模倣犯は…)。
ただそれを二作に跨いで訴えたかったのだとしたら、あまりにも冗長で今作について言えば、エンタメ感には乏しかったと思う。
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