「『なんてもったいない!?』」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
『なんてもったいない!?』
JOKER
IN
ME and MY
SHADOW
映画も始まり...
"ワーナー・ブラザース・アニメーション" を代表する "ルーニー・テューンズ" のロゴとともにこの映画が始まる。でもそれは、必ずしもあたしが知っているお話とは冥王星くらいかけ離れている。理由の一つには、この物語のシノプスにはある意味欠かせないメタファーとして... 特定の人の精神構造を示すが為に映画全体をシンボライズしてもいるところによる。
また具体的に別の言い方をすれば...
"I don't like to see the films cut at all. They make
some cuts that are so arbitrary and stupid,
you can't believe it."
- Chuck Jones
ルーニー・ティーンズには、"Censored Eleven" がある。
人を不快でステレオタイプに描き表現することへ60年代後半から70年代にかけてテレビで放送された11のエピソードが恣意的にカットされている。それに付け加えるように暴力、飲酒、喫煙といった大人社会の普遍性が子供向けアニメーションのサガに対するアンチテーゼとなっている。(※例えばサイボーグ009の008の容姿は...)
でもそのエッセンスとも呼べる不快さこそが、"面白さ" であり、なくすことで "つまらなさ" へと転じ、あたかも表裏一体とも呼べる "sp*it person✖✖" と同化しているようにも見受けられてしまう。だから
本作『Joker: Folie a Deux』は、そんな暴力を管理するだけの社会に対して健常者との社会的共存のできない二○人格者への賛辞であり、二人の人間の共時性へと通じているシノプスへの言葉...「リピドーを感じるか? 感じないか?」 なんて無視をして映画の印象的質感は...
"The road to hell is paved with good intentions."
と個人的に思える。
"method acting" を取り入れたガガの演技に対しては何も感じる事がないけど、鎧を脱ぎ捨てた彼女を見ていると「あ~ぁ」というか...
とはいっても映画紹介ではバート・バカラックの曲となっていたけど、あたしの内の感覚ではカレンの曲としか考えられないのとガガ本人がアカペラで歌うシーンが本作の中ではピカイチかな?
コミックの中での
ハーレー・クイーンの性格を含めたキャラを表現するならこのセリフが彼女にはよく似合う。(2017年のカトゥーン『Batman and Harley Quinn』より)
Batman: I don't make deals with psychop*ths.
Harley Quinn: Socio*ath!
So-ci-o-path!
話を変えると...
"ラセグ-ファルレ症候群" と "フィルムスコア" と"喫煙" と
(字余りでした。失礼)
According to large epidemiological studies, smoking
frequency in ✖✖✖✖ is about two to
three-fold higher than in the general population
(『Smoking and mental illness: a population-based
prevalence study』
K Lasserによる研究著書より ).
そして、
“We use music to make us whole” より「音楽は常にジョーカーのDNAの一部だ」とのたまう人にとっては、この言葉は金字塔ぐらいに不滅らしい。このことについて監督であるトッド・フィリップスはインタビューでこのように語っている。
“I like to say it’s a movie where music is an essential
element,” said Phillips. “It doesn’t veer too far from
the first film. Arthur has music in him. He has a grace
to him.”
そしてラスト近くになると
このセリフは...
Knock, knock.
Who's there?
Arthur Fleck.
Arthur Fleck who?
この感情失禁をするシーンに答えを見つけた。アメリカ合衆国の掲示板型ソーシャルニュースサイト "Reddit" に寄せられた投稿より。
Thinking about the “joke” more makes me so sad
for Arthur.
Arthur knows he’s a complete nobody when he isn’t
the Joker. No one cares about him. He has no family.
No friends. No fans. He simply doesn’t exist. Such a
depressing ending for his character.
それではあまりにもつら過ぎるのであたしなりに "AI" に聞いてみた!?
The idea of "do not kill the villain because he will
become a god" is a common trope in storytelling,
often used to create a complex moral dilemma
where the hero must choose between immediate
justice and a potentially catastrophic future where
the villain gains immense power by being allowed
to live.
こんな答えでは "AI" はまだ人には追い付いていないらしい... 安堵!?
あたしは、本作『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』の主演俳優が出演する映画を観ないようにしている。それはあまりにも個人的で... でも彼が出たある映画で「アメリカには義理と人情という言葉は存在しない。」と言われていてもそれらの言葉に通じるものも...
この映画に対する質感は観終わった後でもあまり変わらない。でも...
孤独とはどういうものかという事を改めて教えてもらったことから、最後のシーンの在り方が...
『なんてもったいない!』
と思えてしまう。だから、レビューを改変しながら