「こっち観てから「怒りのデスロード」がいいかも」マッドマックス フュリオサ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
こっち観てから「怒りのデスロード」がいいかも
「マッドマックス怒りのデスロード」の続編で前日譚。「怒りのデスロード」でシャーリズ・セロンが演じたフュリオサをアニャ・テイラー=ジョイが演じ主人公。
トム・ハーディが演じてはいないが、マックスもチラッと出る。
マッドマックスシリーズは「1」と「怒りのデスロード」しか観ていないし、「1」を観たのはかなり昔でほとんど何も覚えていない。なので「怒りのデスロード」とだけの比較になってしまうが、それを中心に書こうと思う。
まず、常にテンションMAXで面白すぎた「怒りのデスロード」と比べるとさすがに数段落ちる。アクション映画としての娯楽性よりも若干ドラマに寄ったからだろうか。
物語の構成を、マックスが主人公でありながら巻き込まれ型の視点キャラクターにし、ドラマはフュリオサとニュークスに担わせた「怒りのデスロード」は、マックスの巻き込まれアクションに振り切れた強みがあった。
それと比べて本作は、フュリオサ中心のドラマで、どうしても状況説明が必要になってしまい盛り上がりが薄くなった。
それでも良いところはあって、まずわけがわからなかった「怒りのデスロード」のわからない部分が本作でかなり説明されたことだ。
なんなら「フュリオサ」を観てから「怒りのデスロード」を観たほうが良いまである。
あとは、予算のせいか、ジョージ・ミラー監督のお年のせいか、若干CGが荒くなって全体の映像的クオリティは下がった。気になる程ではないが残念な感じは否めない。
主演のアニャ・テイラー=ジョイは頑張ってたね。結構アクションをこなせるシャーリズ・セロンの若き日を演じるのは中々大変だったろう。若手の中でもアニャはアクションできる方だとは思うが、シャーリズ・セロンはガチ寄りだから。
フュリオサというキャラクターがすでに確立されてしまっていたことも大変さに拍車をかけたとも思う。自分でフュリオサ像を作っていけないわけだからね。
わけわからんけど面白い「怒りのデスロード」と比べると少々可哀想な印象になってしまうが、メチャクチャさが売りとも言えた「怒りのデスロード」から「常識的」なアクション作品になって、わけが分かるというだけでも良い作品だった。