ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦いのレビュー・感想・評価
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キャラの魅力が今ひとつ
本作は、名作小説を実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描くということですが、実は原作未読で映画3部作も未鑑賞です。しかし、前日譚を描くということなら、予備知識なしでも理解できるのではないかと思い、公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、ローハンを治めるヘルム王のもとに現れた、野心を抱く辺境の領主フレカが、息子ウルフの嫁に王の娘ヘラを欲しいと迫るが、これを拒むヘルム王がフレカとの一騎打ちを持ちかけ、ウルフの眼前でフレカを殴り殺してしまい、復讐を誓うウルフは力を蓄えてローハンへの戦いを挑み、ヘルム王を追い詰めていく中で、ローハンの平和を守るべく、ヘラは幼馴染として仲良く育ったウルフと対峙していくというもの。
前日譚ということで、予想どおり予備情報なしでも、ストーリーは問題なく理解できてよかったです。ファンタジー作品にありがちな、主要国と周辺諸国とのパワーバランス、国内の王族まわりの人間関係、独特の設定などに混乱するかと思いきや、このあたりが意外にあっさりしていて助かります。というより、父の敵討ちに執念を燃やす男から国を守るために奮闘する姫の物語という極めてシンプルなストーリーに、ちょっと拍子抜けです。でも、おかげで作品世界に没入しやすかったです。
さて、ここから実写3部作にどのように繋がっていくのか、がぜん興味が湧いてきます。このあとの物語に続くのかもしれませんが、竪琴、花嫁衣装、大鷲、オークの集める指輪、最終盤で登場したガンダルフなど、意味ありげに描かれてはいるものの、その意味をつかみかねるものが多く、ちょっと気になります。時間を見つけて実写3部作も観てみたくなりました。
ただ、気になる点も多く、これが鑑賞後の満足感をやや下げています。まずは肝心のキャラクターです。背景こそ緻密に描かれ、世界観をうまく演出していると感じますが、その中で動くキャラの魅力は今ひとつです。一昔前のキャラデザは背景にマッチしてないし、たまに理解しがたい言動やムダな身振り手振りがあって、どうにも気になってしまいます。そもそもウルフの逆恨みとも思える心情に共感できないのは致命的だし、事態を悪化させているようなヘラの無鉄砲な行動も受け入れにくいです。
また、夜戦や悪天候の中での戦いが多く、見にくかったのももったいないです。他にも、凍てつく砦での籠城戦で、薪も食糧も少ないというのに、みんな薄着で元気に過ごしていたのも気になりましたし、ヘルム王にいたってはもはやラオウです。しかし、これを見れば確かに伝説として語りたくもなるのも頷けます。
吹替版のキャストは、市村正親さん、小芝風花さん、津田健次郎さん、山寺宏一さん、本田貴子さん、中村悠一さん、森川智之さんら。本職声優陣に囲まれる中、市村さんと小芝さんが全く引けを取らない演技で魅せているのがすばらしいです。
-救国の姫君の物語-
LOTRファンなら十分楽しい
鑑賞する価値はあり無駄では無かった。
ナウシカとかラピュタとか、また北斗の拳ラオウとか‥‥
自分は実写洋画はほぼ見ません。実は欧米作品独特の “掛け合い” に馴染めず、加えて字幕が無理で、読むことに意識が集中して映像に没頭できず、映像を注視すれば台詞が欠けて物語が全く入ってきません。鑑賞するとしても吹き替え版のみ。
元作『ロード・オブ・ザ・リング』も当然未観賞。本サイトでは過去作は高評価で4点台の人気作の様ですが、本作は観客10人以下と閑散‥‥ 実写映画ファンはアニメに興味がないのかも? 自分はアニヲタなので観に行ったのですが、本作は完全オリジナルで原作者の手によるものではない様です。
前置きが長くなりましたが、本作の評価は星の数通り微妙です。
ただし、これは『日本式アニメ作品』として見たのと、欧米作品が苦手な事が影響しています(ソレを差し引けば★2以下)。神山作品とはいえ脚本は海外作家によるものであり、致し方ない部分もありつつ多少期待もあっただけに、ガッカリ感少なからず(でも個人的に神山作品は毎度微妙ですw)。
本作の難点は安易なストーリー、類型的勧善懲悪と、敵役のいかにも『悪者らしい』誇示表現にあります。ローハン戦いの発端は親の仇ですが、その並列された動機が女々しく、原因となった事件の顛末がナニコレ的。
確かに、戦の原因なんてそんなモンかもですが、ソコを軽薄な作話・描写にしたら壮大な戦シーンに微妙感が拭えなくなります。その辺のシッカリした練込み・鍛錬を欠いた印象でした。
ソレに加えて、最大の敵『ウルフ』が愚かさ満点のチンピラ小物描写。日本アニメは敵にも相応の大義と魅力が描かれるモンですが、本作はそれが皆無で、全体的にキャラが魅力薄で深みがないのが最大の難点かと。
あと、何だかポリコレ感もそこはかとなく‥‥ ソレはまぁイイや。
そして『トンネル』ネタもまた、もう何回も煮出された出がらしの茶葉。描写された瞬間「知ってたw」と突っ込み。てか穴があるのなら、大鷲さんの働きがイササカ陰ってしまうのでは? 他にも王様徘徊とか城内を駆ける馬とかイミフな展開など、シッカリした仕込みが感じられない粗が目立つファストなご都合シーンも散見されました。
悪態つき過ぎたので良かった所。
ビジュアル・映像美は劇場レベルに達していました。これは神山監督の功績かもですが、それでもCGとの連携がイマイチ、でもこれ観ていくうちに慣れました。
中の人問題、コレも無難でした、ヘラがチョッと不安定でしたがマズマズ。ソレ以外はプロですし、ヘルム市村もサスガで、舞台・芝居のソレとアニメの中の人は通じる何かがあるのでしょう。
そう言えば『指輪物語』、昭和の昔に米国でロトスコでアニメ化されてたらしく、手塚治虫は大絶賛、宮崎駿は酷評だったそうな(ウィキ情報)。
※文中敬称略
中つ国版コマンドー
「これが考え抜いた策?」
「いい策とは言ってない」
ビルボ・バギンズが"一つの指輪"を思いがけず手に入れた時から遡ること200年、西方の騎馬民族の国ローハンに生きた王女ヘラの物語を伝承形式で綴る。ピーター・ジャクソン製作総指揮のもと、「攻殻機動隊SAC_2045」の神山健治がアニメーション化。
大反省。色々としくじった。まず、私事だが上映時間を勘違いしてチケットを買い直す羽目になった。また、神山さん制作のアニメと聞いていたので吹替版で鑑賞したのだがこれが大失敗。別に吹替版声優の演技がどうということではなく、LOTR三部作を字幕で鑑賞していたため、本作の語り部の正体にエンドロールまで気付かない大失態を犯してしまった。因みに言ってしまうが、本作の語り部はミランダ・オットー、LOTRでのローハンの女騎士エオウィンである。また、本シリーズ屈指の名コンビであるビリー・ボイドとドミニク・モナハンも(ピピンとメリーではないが)ゲスト出演しており、自分の下手によってLOTR三部作と別物と割り切ってしまうような見方をしてしまったのは痛恨だった。アイゼンガルドの魔法使いとしてサルマンが少しだけ登場するが、こちらもクリストファー・リーの声をAI生成して声に充てたらしく、字幕版で観ればよかったと後悔している。
で、本編なんだけど、「まあ、いいんじゃね?」と思いつつも腑に落ちなかったのがローハン王ヘルムである。LOTR三部作をご覧の方はご存知の通り、「二つの塔」の主戦場となったヘルム峡谷はこの王の名前に由来するのだが、どうにもこのジイさんが武闘派オブ武闘派でとんでもなく強いのである。顔面を一発殴っただけで大の男を死なせるやら、戦闘で深手を負って「もう動けない」とか言っていたかと思いきや知らん間に大勢の敵兵を始末していたりと、その姿はまさに世紀末覇王そのものである。ジジイになればなるほど武闘派になるのがトールキン以来のお約束だが、さすがにやりすぎ感が否めなかったし、あまりに突然チート化したのでその後の話がイマイチ入ってこなかった。
また、登場こそしないものの、冥王サウロンはオークを遣わせて血眼になって指輪を集めている。スメアゴルが指輪を拾ってビルボの手に渡るまで500年かかっているから、「これだと時系列矛盾するんじゃないの?」と思ったが、鋳造ではなく落とした指輪を探していただけだったのね。
やっぱりLOTR三部作ありきではあると思うが、今回に関してはこちらの落ち度もあるので本来であればもっと面白く観られたと思う。
2024年、三部作でローハン王セオデンを演じたバーナード・ヒルが亡くなった。エンドロールには彼の名前があり、ジーンときた。
脚本が全てを台無しにしている。他は上質
ロード・オブ・ザ・リング本編映画って三部作8時間掛けての物語じゃないすか。その中でアクション的なシークエンスは思ったより少なくて、その分じっくり、キャラや物語の掘り下げをしていたから感情移入しっかりできて盛り上がった。
その点本作は2時間で見せ場をこれでもかとばかり詰め込んである。このため本編のような深みはなく、物語は表層的で薄っぺら。
以下ネタバレ注意。
その見せ場にしてからが例のゾウさんとタコ、ローハン焼き討ちからの逃亡>城塞閉じこもり、櫓出しての攻城戦、城塞脇道からまさかの援軍が敵を粉砕……ともう、本編見せ場を丸コピ切り貼りなので既視感が強い。このため画面内の登場人物だけわあわあ興奮しているが、観客は置いてけぼりでのめり込めない。
とはいえ映画としての破綻はない。既視感ある展開も好意的に解釈すれば原作愛って話で、よくできたファンアート、二次創作って感じ(公式コンテンツにしては情けない限りだが)。だから採点は平均点の3。暇なら観ても損はしないレベル。アニメも演出も編集もよくできてはいる。問題はもっぱら脚本。
唯一オリジナル展開があって面白かったのは、父ちゃん(ヘルム王)大活躍のとこ。とはいえこの父ちゃん、ラスボス級悪役を序盤ひと殴りでぶち殺す(ここ笑ったし映画脚本に関して不安を覚えた)>敵を見下す>城攻めに遭うと「降伏する」と弱気発言>死にかけ体調なのに謎の格闘キャラ覚醒で毎晩単騎で敵殺害テロとまあ、よく考えたらわけわからん。
娘と共に敵に追われ城門をなんとか少し開けて娘を押し込むんだが、「敵がすぐ来る。俺はここで戦い守る」と泣ける宣言(ありがちだが)。でまあここで一分くらい「お父様」「娘よ」とか泣かせの別離シーンがあって閉門。父ちゃんは敵相手に無双した挙げ句、拳を突き上げた弁慶ばりの立ち往生姿が翌朝見つかる。父ちゃんラオウかよ。それにそもそもあの一分で父ちゃんも中に入れただろ、どう考えても。トキのシェルターシーンかよ。脚本どうなってんのよ。
他にも、いっぱい問題がある。たとえば娘「無駄な殺し合いはどうのこうの」>父ちゃん出陣時「敵を殺せー」>敵親玉が戦争で父ちゃん殺す>娘「この人殺し!」とか、どういうことよw 中世的な戦いでは殺し合うのが普通なのに「人殺し」呼ばわりは酷い。第一父ちゃんからして「殺せー!」突撃で自分らもやってるし、そもそもの発端は父ちゃんがラスボス級臣下をぶち殺したからだしな。
父王の出陣演説も、本編のあの素晴らしい演説「人間が倒れるかもしれない。でも今日じゃない」の足下にも及ばない、がさつでギャングみたいな台詞。これ相当脚本家のレベル低い。ナウシカだってそういう世界に生きていたから、なんとか戦争を止めようとはしていたが、敵を「人殺し」って罵ったりしない。総じてこの手の、脚本の瑕疵が多い。
たとえば思わせぶりな「死んだ花嫁の衣装」とか「病気のゾウさん」「砦の謎婆」とかも別段伏線としてなにかが回収されるということはなく、放り投げられたままで終わっているし。
話はここまでで後は出来に無関係の雑談だが、全体に男のメインキャラは無能か馬鹿か傲慢で驚くよ、この映画観ると。好意的に描写されるのは、主役の王女含め、あらかた女。性格いい男もいるにはいるが、ただの脇役かチョイ役だけ。しかも王女にしてからが「私は誰とも結婚しない」と謎のクロワッサン発言。観劇中、日本アニメにしてはキャラ配置おかしいなあ……と思っていたが、エンドクレジット見たら脚本家、日本人じゃなくて納得いった。ポリコレという名の下に男女ヘイト対立を煽る、最近多い例のパターンなわけね。
丸呑みの迫力
ローハンの戦い
これはロード・オブ・ザ・リングと殆ど無関係な、
「ローハンの戦い」でしかない。
ローハンの戦いと言うアニメなら見に行かなかった。
そして、
見てしまった結果、
雪の冷たさも
戦火の熱さも
汗の臭いも感じない、
出来の悪いアニメだった。
ロード・オブ・ザ・リングの前日譚だとしても、何処が?
何が関連していたのか不明…
主題は、
愛を理解されなかった男と愛を受けつけないファザコン王女の惨劇!
( ・∇・)
ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い
劇場公開日:2024年12月27日 134分
J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描く長編アニメーション。
小説「指輪物語 追補編」に書かれた騎士の国ローハン最強のヘルム王についての記述をふくらませた
オリジナルストーリーで、実写版3部作の183年前に起こった伝説の戦いを描く。
誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、
突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。
王国の運命を託された若き王女ヘラ
は国民の未来を守るべく、
かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。
監督には日本から「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治が抜てきされ、「攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争」のStudio Sola Entertainmentがアニメーション制作を担当。
実写3部作を手がけたピーター・ジャクソンやフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンがプロデューサーとして参加。
日本語版では市村正親がヘルム王、小芝風花が王女ヘラ、津田健次郎が最大の敵ウルフの声を担当。
ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い
劇場公開日:2024年12月27日 134分
ロード・オブ・ザ・リング ?
主要人物の掘り下げが浅く、それぞれが劇の役名で演技しているだけの印象を受けました。せめて主人公のヘラ姫くらいは彼女の内面や苦悩を丁寧に描いて欲しい。とくに因縁ある敵役の描かれ方は雑です。あまりに雑すぎて彼の行動の大半に、え?なんで?と疑問符がつきます。
クライマックスはなかなかの見どころですが、アクション大作としては構図がありきたりで全体的に古臭い感じ。もっとカメラ(視点)ワークを駆使して突き抜けた躍動感のある画が欲しい。物足りないです。
蛇足(1) 米国Pの制作意図を汲みつつ日本人のクリエイティビティを引き出すのは難しいのかなと感じさせる
蛇足(2) エンドロールだけで尺が10分以上あります。数十のスタジオと何百人(千人以上かも)が携わったみたいです。ご苦労様でした
世界中にファンを持ち、アカデミー賞も受賞した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの正統姉妹編をハリウッドから依頼を受け『攻殻機動隊S.A.C』の神山健治監督が見事に映像化
素晴らしい仕上がりに驚嘆!
日本アニメーションのルックということもあって敢えて吹替版で鑑賞
アニメーションということを忘れるぐらいに引き込まれる見ごたえ満点のストーリーと魅力的なキャラクターの作り込みが素晴らしく、あっという間の134分でした
“ハリウッド生まれの日本育ち”ともいえる本作、ニュー・ライン・シネマとワーナー・ブラザースはジャパニーズテイストのアニメーションでの製作を希望、熟考の末、神山監督にオファーし口説き落として実現されたとのこと
素晴らしい圧巻の映像美、アニメーションなのに『ロード・オブ・ザ・リング』(2000〜)シリーズのピーター・ジャクソン監督が創り上げた世界観が完璧に表現されており、日本アニメーションの実力を誇らしく思いました
中でも最も素晴らしいと感じたのは、主人公でローハンの姫ヘラのキャラクターデザイン
メチャクチャ綺麗でスタイル抜群な上に剣や盾も使って肉弾戦もこなせるカッコよさ、さらにVCの小芝風花さんの凛とした声が完璧にマッチしていて最高に魅力的でした
と、世界に誇る素晴らしい日本アニメーションの実力を味わい尽くせる傑作の誕生です
映像は素晴らしいと思いました
映像もきれいでダイナミックだと思います。でもどうも今ひとつ心に響く物が無かった感じなんですよね。
登場人物たちの関係性がまず良く分からないのですが、話しの展開もちょっと不思議でした。
ヘルム王に一発殴られただけで死んでしまったウルフの父親ですが、パンチ一発で死んじゃうって何故?よほど当たりどころが悪かったのかな。その前にヘルム王の方がもっと殴られていたのに。
ウルフもそれを恨みに思って戦を仕掛けるなんて逆恨みですよね。
そもそも王女ヘラに結婚を断わられたことからの出来事で、勝手な親子が理解出来ませんでした。
ウルフも稀に見る恐るべき卑怯な男として描いていますが、戦のきっかけやウルフ親子の人間性ももう少し工夫があっても良かったかなと思います。
ヘルム王も息子を失った悲しみから弱り切ってしまったかと思えば突然亡霊のように強く蘇ってしまうのがあまりに急でファンタジーの世界とは言え不自然に感じでしまいました。
王女ヘラはとても魅力溢れる女性として素敵でしたが、彼女の人物像ももう少し鮮明にした方がより物語に深みが出たのではないでしょうか。それと描写が薄い割に上映時間少し長かったかな。
とは言え映像は迫力あるシーンが満載で王女ヘラは本当に美しかったです。
いい映画を見ました
正統派スピンオフ
キャラは日本のアニメーションだが、中身はまごう事なき「ロード・オブ・ザ・リング」!
若干、日本のチャンバラ時代劇テイストも含んでいましたが、直球ど真ん中のファンタジーを食らって満足満足!
ニュージーランドの自然風景を読み込み、CG/VFXでアニメーションと徐々に融合させていく冒頭の工夫だけで、世界へ入り込めました。
製作総指揮、原案、脚本が海外の人で占められているためだったような気がします。
あと、制作スタジオがワーナーブラザーズ・アニメーションが元請けで、IG、テレコム、MAPPA、サンジゲンなどが下請けという体制なのもよかったんじゃないかと。
ただし、アニメーションとVFX両方へ理解ある人たちなら大丈夫なはずだけども、キャラデザインがいかにもアニメっぽいのと、画面作りの点でアニメーションならではの表現が随所にあって見応え高い事が、逆に日本の興行面では一般の指輪映画ファンの拒否反応が心配かなぁ。
また、日本人にはウルフが逆恨み野郎で、国や民より私怨を優先する、王に値しない小物すぎて、早くヒロインに殺されろよとしか思えないはずで、物語としての盛り上がりに欠けるように感じるかもと。
ウルフの父である蛮族の領主が、調子に乗って王の座を狙った喧嘩をふっかけておきながら、いざ力比べで王の拳の当たりどころが悪くて亡くなったんだから、そもそも自業自得の自爆だろ、と。
西洋の「それでも血の繋がりは重い」という子の感覚は、理解しにくいのかもと思いました。
ヘラのその後の物語を見たい
アニメーションあまり詳しくなく、ロード・オブ・ザ・リングも第1作しか観ていないんですが、予告の感じからファンやマニア待望の作品かなと思って期待して観に行きました。にも関わらずあまり大きなスクリーンで上映していないし、初日にも関わらず観客4人。あれ、人気ないの。
まるで無声映画につけるオーケストラの伴奏のような雄弁かつ壮大な音楽(ライオンキングもそうだったな)、美しい絵だけど、絵の動きが安っぽいというか、劇場で見るアニメのレベルじゃないみたい。
お話も名場面だけダイジェストで見せてるようで、誰にも共感できないし、戦いのシーンも知恵も工夫もないし(忍たまの土井先生と6年生忍者たちとの戦いの方がハラハラドキドキした)、ロード・オブ・ザ・リングのファンの方には面白いのかな。
(ゲーム・オブ・スローンみたいだった)
「大鷲よ、私の願いを聞いて。民のために助けて!」
(大鷲)もっとはよ来んかい。
小芝風花だったんだ。女優さんがアニメの声するの賛成派、後押ししてくれる好演でしたね。
渋くて好き
これは、自分、ダメっす・・・
指輪物語に特に思い入れがないので、作品自体良くなければダメかなーと思っていたのですが、予想以上にダメでした。
動きとカメラワークというか、なんか、ヤバくないすっかね、これ。絵自体も、緻密さにかけるというか、背景以外手抜き感が半端なくて・・・それよりも色んなものの比率が・・・
絵ばかりではありません、酷いのは。戦をしている敵将に向かって「人殺しー」っていう台詞、どうなんでしょう。
そもそもの復讐って・・・公然で正当な決闘だったと思ったのですが・・・というかあれで死ぬ!?とまぁいろいろと・・・ヤバいっす。
なぜためらう!もう殺さないでなんていう部分は要らないでしょう絶対!
ごめんなさい、これ以上感想を記そうとすると悪口しか出てこないので、もうやめます。
どうしてアニメーションにしたのだろう?
「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚ということだが、それを感じさせるような要素はほとんどない。
オークが出てくるシーンが僅かにあったり、ラストで、一瞬、サルマンが顔を見せたり、最後の最後に、指輪を探しているガンダルフの話が出てきたりするものの、ホビットも、ドワーフも、エルフも出てこないし、魔法使いが活躍する訳でも、サウロンの脅威が語られる訳でもない。
ここで描かれるのは、あくまでも人間同士の内輪揉めと小競り合いで、そんな、ファンタジー色も薄く、スケールも感じられない話なのに、どうしてアニメーションにしたのだろうという素朴な疑問が湧いてしまった。
ドラマとしても、敵を甘く見た王が窮地に陥り、男勝りの王女が国の危機を救うという、使い古されたような「よくある話」で、これといった新鮮味も、あっと驚くような新機軸もない。
あまり悩みや葛藤が感じられない王女にしても、人間離れした腕力を持つ王にしても、部下の進言をことごとく却下する無能な敵にしても、キャラクターとしての深みに欠けると言わざるを得ない。
巨大な鷲とか、象を飲み込む池の怪物とか、オークや敵の軍勢を素手で倒す王とかの、アニメーションとしての見せ場はそれなりにあるものの、逆に、それらの場面で、「絵の動き」の魅力が十分に発揮されているとも思えない。
むしろ、集団による合戦にしても、一対一の決闘にしても、生身の人間が演じるアクションが見たかったと思ってしまうし、その方が、迫力のあるシーンになったのではないかと思えるのである。
これは日本のオリジナルアニメであることに注意
素晴らしい映画
字幕版で見るのはかなり厳しいか…(本文参照)
今年451本目(合計1,542本目/今月(2024年12月度)30本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
このロールプレイングゲーム的な小説は、のちの電源ありRPGや、いわゆるTTRPGほかにも影響を与えたというのはご存じの方も多いと思います。その要素は映画では少な目ですが、それでも独特な固有名詞が結構な量出てくるので、字幕で見る場合、かなり苦労するかなといった感じです。
もともと、原作小説なり台本なりを字幕にするわけですが、それをそのまま直訳すると字幕欄に収まりきらなくなるため、「字幕欄に収まりつつ、かつ意味が分かるように翻訳する」、つまり、「映画の字幕翻訳」というのは、一般の翻訳業とは別に分かれています。
こういった事情があるので、字幕版は原作小説ほかは読んでいることが前提で、字幕で書かれていない以上のことを読み取るには英語の聞き取りが必要になります。英語の聞き取りというと、重要なものとして「名詞」(誰が)「動詞)「何をする」という2つがあり、ついで「形容詞」「副詞」が抑えるポイントになってきます。
ただし、この映画で名詞はほぼほぼ重要ポイントは固有名詞で(砦(城)を争う城攻めを扱うので、それらの単語も出てくる)、逆に聞き取りのポイントとなる字幕以外の単語となると、ほぼほぼ英検準1か1級か、それを超えるレベルの単語がマシマシで登場するのが厳しいです(普通に準1くらいの単語は飛びまくるし、あるいは古臭い表現も出てくる)。
こういった事情があるので、元ネタがファンタジー小説であることは前提としても(ただ、現在では日本ではアマゾン他では買えるとはいっても、一般の中高生が読むというのは難しい。そうした子がそれらの本を読むのは、例えば去年の映画事情で言えば「D&Dアウトロー~」など、本小説が影響を与えたRPGやTTRPG等の知識を得るための「踏み台」として使うのが一般的)、小説も現在では使わないような単語が飛びまくるので、本映画に関しては、日本語吹き替え版も普通にありなのかなという気がします(そうしても、マニアック単語が出てくるだけで結局理解不能になる?)。
ほぼほぼ原作小説を読んでいることが前提で、いわゆる自己紹介パート他はほぼないものの(最低限必要な部分はありますが)、「頑張ればなんとかついていける」レベルです(この点、2023年だったか、「D&Dアウトロー~」が理解できたかどうかが一つの分かれ目か)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/日本においてこの小説を読むことが一般的でない事情で字幕版は厳しい)
小説の原作それ自体や、あるいは脚本それ自体を翻訳すれば全て解決しますが、実際にはそのようなことはなされないので、書かれていないことは全て聞き取る必要がありますが、普通に英検準1~1級レベルの単語をバンバン出してくるので、結構な方が詰まるのではないかな…といったところです(ビジネス英語をターゲットにするTOEICではとてもではないが語彙レベルがまるで足りない)。
※ (杖や剣などで)相手を「殴打する」という意味の動詞 smite が登場しますが、ほぼ20,000語レベルの単語で、しかも、日常会話ほかでは一般的に使い道がまるでないので(この単語を他のアメリカ映画や小説ほかで見るような状況が、一般的に想定しがたい)、実質、字幕以上のことを知ろうと思うとほぼ英語力勝負(というより、英検準1か1級の単語熟語パートのだけを集めてきて「この単語知ってる?」状態と化している)で、そこがどうかな…といったところです(もっとも、原作小説ありなのは明らかだし、字幕に文句をいうなら日本語吹き替え版で見ろ、という反論も理解はしうる)。
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(減点なし/映画館帰責事由/クーポンをひたすら渡される理由が謎すぎる)
まぁ、例の「デリバリークーポン」ですね。今日(27日)はなんと宝くじのビンゴ系のタイプがあったと思いますが、それを模したものになっていました(ただ、どれをスクラッチしても2等になる模様)。
この点、当該クーポン会社との契約関係で全部渡してになっているのはまぁ理解はしますが、一度しか使えないものであり(スマホを買い替えれば話は別だが、そこまでして元が取れるものではないし、そうした行為も法律上怪しい)、「明らかに同じ客に対して」2回渡すような対応(なんばパークスシネマは、2回目を見る場合でも必ず一度外に出るルール)はどうなのかな…といったところです。
(減点なし/映画館帰責事由/流されるCMが微妙にヘンテコ)
もともとファンタジー小説をテーマにした映画であるため、映画の「タイプ」ごとに流されるCMは決まっているようで、ドラクエ10やスマホゲーム他のCMが流されるのはまぁ理解しても「高知県に来ませんか?」の観光案内CMはかなり謎です(この映画は高知県の観光とコラボしているのではない。バグっているのかと思えるほどヘンテコ)。
全102件中、81~100件目を表示