「シリーズ最新作」ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い 辛いクリームさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ最新作
2024年の映画納めはコレ。実写版三部作が素晴らしかったので、ワクワクで前売りをゲットし封切りを待って鑑賞。冒頭から雄大な風景であぁ「あの世界」だ…とウットリ。アニメも良いじゃん、これはIMAXで正解だったなと。で、王様の謁見シーンでいかにも悪役風な傍若無人系熊おじさん登場。まぁこの人が敵方になるんだなと、こんな展開もあの世界ぽくて良し。ところが、熊おじさんの挑発にキレた王様の「オモテ出やがれ拳で決着だ」の辺りからなんだか様子がおかしくなり…結局最後までなんかスゴイ、でもどうにも噛み合わない感じのまま主人公が颯爽と駆け去って終劇。うーん???
映像も音楽も素晴らしい。アニメという表現方法は賛否あれど自分的には決して悪くなかった。でも他レビューにもあるとおり、脚本と演出なんでしょうね。個性的なキャラクターたちの魅力を生かしきれてない。存在感抜群の熊おじさんは王様の「何で?パンチ一発じゃん?」で呆気なく退場。後任のウルフはイケメンだけどただの拗らせ屋にしか見えず、そのイケメン君を華麗にブチのめす主人公ヘラもあぁイマドキな女性像だね美しいねとしか。せめて二人の心の機微がもっと丁寧に描かれていれば、壮大な指輪物語のささやかなサイドストーリーとして味わい深かっただろうに。むしろ描きたかったのはヘルム王のほうだったのかな。土地に名を残すほどの偉大な王様なのに残念、変人のマッチョ暴君としか自分の目には映りませんでした…
期待が大きかっただけに、いろいろチグハグだったなぁというのが正直な感想。それでもエンドロールに日本人の名前がたくさんあったのは感慨深かったし、そうしたクリエイターの更なるチャレンジに期待したいと思います。