劇場公開日 2025年3月28日

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「見事な貧民の逆襲劇」ミッキー17 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 見事な貧民の逆襲劇

2025年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ポン・ジュノ監督はハリウッドでも健在。
格差社会で失敗し、虐げられるようになった貧民の逆襲劇は見事(原作つきみたいですが)。

命の尊厳や魂の在処など、人道的なことと宗教的な部分に踏み入るから、客を選ぶし、客の入りがあまりよくないのもわかるけど、私には面白かった。
特に、ミッキー1〜16が、簡単に死んで、ゴミみたいに簡単に捨てられるのがよい。

こういう他惑星の知的生命体との接触話、ヴィルヌーブ『メッセージ』やゼメキス『コンタクト』同様、私の大好物だなと再確認。
そして、宇宙船を取り囲む蟲たちの姿は、あまりに『ナウシカ』の王蟲まんまで笑いました。

肉体と記憶の再生技術(3Dプリンターみたいなクローン製造技術)は、健康な時の肉体データと、死ぬ寸前の記憶移植すれば、同一意識にとっては不老不死になるくらい、画期的な医療システムのはずなのに、タブーの話しかしないとか。
同一肉体情報のクローンでも、個体によって微妙に攻撃性などの性格に違いが出るとか。
その辺の設定が気になって仕方なかったです。

それと、MCUでハルク役のマーク・ラファロが、無能で口先だけだが盲信的な一部信者によって祀り上げられている指導者を演じていて、この脆さや愚かさ、滑稽さが、あちこちの国のTOPを揶揄しているみたいで面白かったです。

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コージィ日本犬