「Have a nice die」ミッキー17 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Have a nice die
本編公開に先駆けて試写会で鑑賞。
特典でポストカードとミッキーのお面をもらいました。
日本では結構見る死に戻りを限定化させるとこうなるのかというところはとても興味深かったですし、映像のクオリティや役者陣の熱演も素晴らしかったです。
ただ少し期待しすぎたかな〜というところがあり、想像を超えるところまではいってなかったかなと個人的には思いました。
命の扱いが軽いとこうも雑になるのかというリアルを突きつけられましたし、死んだと思っていた17が実は生きていて、2人のミッキーが存在するってのも不思議ですが実際にいるんですからなるほどな〜と納得せざるを得ません。
2人がいがみ合い、協力し合い、3Pに持ち込みとやりたい放題しているのも面白いところです。
生き返る様子をプリントと表現するのも結構好きで、ブルブル震えながらの生還も可笑しく見えてしまうのが不思議でした。
中々ない蘇生の仕方ですが、科学の進歩でここまできているというSFを体感できたのは良かったです。
色々と風刺だったり、毒をもって毒を制すスタイルだったりで、契約書を細かく読まないとえらい事になってしまうという身近なものから、国家そのものに対して釘を刺すような描写もあったりして、茶化しまくるわけではなくしっかりと原作とポン・ジュノの考えをインプットして作品に溶かし込んでいるなと思いました。
前半は手のひらの上でコネコネしていたお話が、後半になるとどんどんスケールが大きくなっていきますが、その膨らみ方もしっかり地に足ついた感じで膨らんでいくので自然に楽しめる作りになっているのも良かったです。
ナーシャが良い人すぎて…ナーシャがいなきゃ世界は救えなかっただろうとまで思えるくらいです。
終盤はバトルに近いものになっていきましたが迫力満点ですし、胸熱な展開もしっかりあったりして火薬量の多さ込みで楽しさが爆発していました。
クリーパーのデザインは1発目はグロテスクだな〜となりましたが、見慣れてくるとダイオウグソクムシみたいな可愛さが出てきてウニョウニョしてるのも愛らしく見えてきました。
未知の生物と会話するワクワク感はしっかりありましたし、翻訳機そんなに簡単に生み出して凄いわ〜と驚き桃の木でした。
試写会が終わった後の撮影スペースにちょこんとぬいぐるみが置いてあってキュートだったので劇場物販での販売を何卒…!
一人二役を演じ切ったロバート・パティンソンの別人っぷりはお見事としか言いようがなく、気の弱そうな17と気の強い18がもう別人で圧巻でした。
マーク・ラファロのトランプの分身のような小悪党も素晴らしく、嫌なやつ全開で浮き足立っているところが面白おかしくなっていました。
構造が複雑ではない分、コメディ色強め、だけど容赦のないシーンは容赦ない、ポン・ジュノっぽさは若干薄いですがしっかりとエンタメになっていたなと思いました。
原作は生死にまつわるテーマが色濃く描かれているみたいなので読んでみようと思います。
鑑賞日 3/7(試写会にて)
鑑賞時間 19:00〜21:17