「荒唐無稽を楽しもう」MEG ザ・モンスターズ2 オーリ・オールさんの映画レビュー(感想・評価)
荒唐無稽を楽しもう
シリーズ二作目、相変わらずのパッケージ詐欺。
一作目でも他所のレビューに書きましたが、パッケージ程サメは大きくありません。
アレを見てあんなのが出るんだと信じる人がでたらどうするんだと。
二作目はジャッキー映画の様なコメディ要素が散りばめられていて、それが楽しめるかどうかでも感じ方は変わりそうです。
そのせいで人の死が軽く、サメ映画に必須とも言える捕食される絶望が殆どありません。
ストーリー的には楽しめる展開だし、シリアスで無くコメディと分かってれば子供も楽しめる、パニック映画では無くファミリー映画と言える。あぁこいつ死ぬなって奴以外は味方側で死ぬ事はありませんし。
全体を通して大きな違和感の元はCGで描かれた物が全てショボい。
奇麗なのは確かだが、寧ろ小奇麗過ぎて背景から浮いてるわ、場面によってはジオラマに合成したみたいな作り物感が半端無く、映画に馴染むように作ってるのはサメだけ。
強化外骨格のスーツでコンクリを破壊するシーンは何の為だったのか、他で一切活かされない謎のパフォーマンスとか意味不明、スーツでコンクリ破壊しても内部は人体、そこに一切のダメージが行かない事も不自然。
深海7千m以上潜った先で、ダイビングスーツみたいな薄い服と強化骨格擬きを身に着けて海底を3kmを歩くというふざけた行為をし、2kmで酸素を40%しか使わないのに、残り1kmで52%程を使う謎の展開があったり、減圧中にマスクが壊れて一人死んだ後に、ジェイソンがスーツも何も無しに深海を泳ぐというトンデモな展開が待ってます。
水圧は空気に掛かる為、確かに体内から空気を抜けば可能かもしれないけど、その状態であろうと7千mを泳いで渡るなんて不可能。(内臓が潰れる激痛と後遺症が残る)
深海魚が何故あの構造なのかを理解もせず、その場の盛り上がりの為に両生類型のワニみたいな爬虫類を出すわ、あまつさえそれを後半は地上戦に駆り出す愚行。
深海魚を陸に上げると内臓が口から飛び出るって知らないのだろうか?
終盤に巨大タコが出るのはまぁ良いかなと思う。
深海は未知の生物の宝庫、サメしか出ないって方が嘘くさい。
ただ、タコ足の動きを含めCGがショボい。
途中ジェイソンが鉄パイプの先にナイフを付けた武器を使うが、その先のナイフがビヨンビヨンしなってるのを見たのは笑った。(アレじゃ何にも刺さらないよ)
一作目の子役が数年程経ってすっかり成長してるのも驚くし、ちゃんとその子役を次回作でも使うのは好印象。
残念ながら容姿はちょっとアレな感じではあるが。
一説によると前作のヒロインは思想的にも使い難くて降板なんて噂もあるが、基本過度の反日なだけで中国的には困る事も無い筈だけど、取り敢えず作中でも(謎の)死を遂げたって説明はある。
後は、中華資本だから中国人エキストラが大量に出るのも、メインキャストに絡んでるのも前作からだから良いのだけど、吹き替えなのに中国語がそのまま字幕で流れるのは微妙。
他の映画でも英語以外の言語だとその言葉で流れるから中国語だけって訳じゃ無いけど、必要性を感じない場面で結構な頻度で会話が挟まるから段々邪魔に感じて来る。
終盤、サメに音波信号を送って操るシーン、序盤で同じ事をやって食われ掛けてるのに、ラストで成功したからって絆があるってのは無理がある。(絆が生まれるような事は何一つしてないし)
だが、アレはジェイソンの言う通りイルカに気が向いただけだろうし、そういうやり取りを楽しむシーンと思えば突っ込むのも野暮かもしれない。