「たくましい女性・バービーに光あれ!」バービー 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
たくましい女性・バービーに光あれ!
バービー人形については認識が浅くて、どんな時代を作ってきたのか全く知らないで観ました。しかし、この作品を見終えて男女の違いを超えた人間愛について、学ぶところが多いと感じました。ストーリー展開は比喩的ですが、説教がましいところもなく、素直に男性と女性の違いをさらりと扱っているところに感銘しました。バービーが夢のバービーランドの世界から人間社会の中に入って、その男性優位の社会に絶望し、また夢の世界に戻ります。その世界も男性社会に侵略されて行く時に、彼女は人間世界の人間によって目覚めさせられます。そしてバービーランドを復活させるのですが、その時には彼女の世界観は、もう一段上の人間としての輝きを身につけます。主演のマーゴット・ロビーはそのバービーのはまり役だと思いました。人形のような均整の取れた体つきと、大きく見開かれた目の美しさは一瞬にして心を掴まれる感じです。衣装もピンク系から始まってさまざまなカラーのものが着用され、それこそフェミニンな感じのファッションの大洪水です。その彼女が男性と女性の戦いを終えて、人間になりたいと再び人間社会に行きます。最後のセリフは、産婦人科の受付で、堂々と自分の名前を告げることでした。将来、子供を産むことを考えての行動なのでしょうか。彼女の自信にあふれた顔に深い魅力を感じました。これが自立しようとする女性の顔なのかもしれません。
コメントする