劇場公開日 2024年2月9日

「「夜明け前が一番暗い」【12月16日追記】日本アカデミー賞優秀賞3部門受賞・キネマ旬報ベスト・テン5部門受賞!」夜明けのすべて ひなさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「夜明け前が一番暗い」【12月16日追記】日本アカデミー賞優秀賞3部門受賞・キネマ旬報ベスト・テン5部門受賞!

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館、VOD

泣ける

笑える

幸せ

【12月16日レビュー追記】

タイトルは、英国の諺 “The darkest hour is just before the dawn” から。「苦しい時期というのは、それが終わる寸前が最も苦しい。それを乗り越えれば、陽はまた昇り事態は良くなる」

「ささやかな、でも確かなつながりが照らす、かけがえのない物語」「思うようにいかない毎日。それでも私たちは救いあえる」という宣伝コピー通り。観た方には伝わると思いますが、「不寛容社会の御守りのような映画」です。

最近知人から教えてもらった「アサーション(assertion)」。相手と自分を互いに尊重した上で、自己主張するコミュニケーション。この映画はとても「アサーティブ」な作品です。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を好演した、上白石萌音さんと松村北斗さんが映画で再共演。という事前情報くらいで、今年2月の公開時に見逃していました。

原作も映画も国内外で評判が良かったこと、更に原作と映画は設定が異なると知って、その設定変更がどうしても映画館で観たい理由になりました。

今年のTAMA映画賞で最優秀3部門受賞、報知映画賞で最多6部門ノミネート。受賞を記念して11月に1週間の再上映が決まり、映画館で鑑賞できました。

藤沢さん(上白石萌音)と同僚の山添くん(松村北斗)の、「恋愛」でも「友情」でもない関係の距離感。クスッと笑ったり、涙が流れたり、暖かくなったり、「しばらく一人で怒っててもらっていいですか」は最高でした。

パニック障害について表面的な知識しか無かった私は、「行き付けのラーメン屋さんで、いつものラーメンの味がしなくて不味く感じた」という病識の表現に、ハッとさせられました。

W主演の松村北斗さんは、旧J事務所というバイアス無しで評価されるべき俳優。演技の仕事に集中できれば、菅田将暉さんや磯村勇斗さんのような俳優を目指せる可能性を感じました。

三宅唱監督は、今年の上海映画祭で「中国の映画ファンが今最も好きな日本人映画監督」特集が上映される程、中国でも人気があるという映画祭報告を読みました。

今や北米を超える映画人口の中国で、日本と同じような生きづらさを感じ、この小さな日本映画にも共感してくれる人が多いことは、うれしいニュースでした。

P.S.
栗田科学の事務所に貼られている、ポスターや2ヶ月カレンダーに気付きましたか?
ポスターには『人にやさしく、自分にもやさしく』の「アサーション」のメッセージ。カレンダーは映画公開の2月に追い付き通り過ぎて、「未来」の3月のイベント開催を伝えています。

P.S.2
2/5「第98回キネマ旬報ベスト・テン」日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位)・日本映画監督賞・主演男優賞・読者選出日本映画ベスト・テン第1位・読者選出日本映画監督賞5部門受賞
1/21「第48回日本アカデミー賞」優秀作品賞・優秀監督賞・優秀主演女優賞3部門受賞
1/17「第79回毎日映画コンクール」日本映画大賞・監督賞・TSUTAYA DISCAS映画ファン賞3冠受賞
2025/1/3「第67回ブルーリボン賞」1部門ノミネート
12/26「第37回日刊スポーツ映画大賞」ファンが選ぶ最高作品賞・ファンが選ぶ最高演技賞2冠受賞
12/19「第79回毎日映画コンクール」最多7賞ノミネート
12/1「第46回ヨコハマ映画祭」作品賞受賞・2024年日本映画ベストテン1位
11/12「第49回報知映画賞」最多6部門ノミネート
2024/10/3「第16回TAMA映画賞」最優秀作品賞・最優秀主演女優賞・最優秀新進男優賞3部門受賞

✎____________

今年は邦画の当たり年で豊作だった、という声をよく聞きます。
初日に鑑賞して、映画館でリピートした作品が何作もありました。
私の2024年ベスト3候補は、この映画です。

今まで映画.comはほぼ見る専門でしたが、★★★★★の作品には評価とレビューの投稿を最近始めました。
他の方のレビューを読むと自分の語彙力と文才の無さで、好きな映画ほど言葉が見つからなくなります。

✎____________

2024年11月1日映画館/11月30日映画祭
+11月27日配信で鑑賞
11月1日★★★★★評価
12月2日レビュー投稿
12月16日レビュー追記
2025年2月5日レビューP.S.映画賞追記

ひな
sow_miyaさんのコメント
2025年2月5日

ひなさん、コメントありがとうございました。松村北斗、主演男優賞に相応しい演技でしたね。うれしい受賞でした。

sow_miya
ひなさんのコメント
2025年2月5日

sow_miyaさま
『ぼくが生きてる〜』にコメント返信、ありがとうございました。
受賞お祝いで、こちらにもコメントさせてください。

午前0時にキネマ旬報公式Xで発表されるのを、ドキドキしながら見守っていました。
『夜明けのすべて』は、キネマ旬報ベスト・テンを5部門受賞ですね。
毎日映画コンクール受賞から予想していましたが、NHKのニュースで流れてびっくりしました。

『侍タイムスリッパー』は、日刊スポーツ映画大賞受賞からブルーリボン賞受賞を予想していましたが、来月授賞式の日本アカデミー賞は…!?
映画賞の個人賞は、山口馬木也さんと忍足亜希子さんが受賞されると、泣きそうになってしまいます。

日本の映画賞の行方が、こんなに気になる年は初めてです。
新しいレビューを書くのはサボっていますが、2024年ベスト3に選んだ作品の映画賞のノミネートと受賞の記録は、レビューの最後に追記しています。賞レースオタクみたいですね(笑)

ひな
あんちゃんさんのコメント
2024年12月22日

ひなさん、こんにちは。
映画は観ることと、感想を語ることがセットだと思ってます。楽しみが2倍になるから。
私もこの作品が今年のベストフェブリットです。あと好きなのは「青春ジャック止められるか俺たちを2」と「朝がくるとむなしくなる」あたりですかね。3作品とも芋生悠さんが出演してますがそれはたまたまです。

あんちゃん
Don-chanさんのコメント
2024年12月18日

共感とフォローありがとうございます。よろしくお願いします。
コメント不可の件、改善しました。(私の間違えで不可にしていました。)ありがとうございます。
さりげなく未来を描いて締めくくる作品で意味深ですよね。

Don-chan
トミーさんのコメント
2024年12月18日

共感ありがとうございます。
こういうやや癖あり、一筋縄では行かない役には上白石姉さんはぴったりと思いますね。やはり病気の痛みの部分をどう演じられるかによって、観客の幸せの感じ方は変わってくると思います。

トミー
みかずきさんのコメント
2024年12月17日

コメントありがとうございます

ひなさんのレビュー、
作品に対する自分の気持ち、想い、主張をしっかりと書いていますが、
独善的ではなく客観性があります。分かり易く読みやすいです。
『不寛容社会のお守り』確かに、そういう作品だと私も思いました。

好きな作品ほど言葉が見つからないのは、ひなさんがレビュアーとしてステップアップした証です。

好きな作品レビューをどう書けば読者に分かってもらえるか?
自分の書きたいことを書く自分視点のレビュアーではなく、読者に分かってもらうレビューを書く読者視点のレビュアーになった証です。

今後の更なるステップアップに期待しています。

では、また共感作で

ー以上ー

みかずき
sow_miyaさんのコメント
2024年12月16日

ひなさん、フォローありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
ぼくが生きてる…は、近隣では1月31日から公開なので、しばらくお待ちくださいね。

sow_miya
琥珀糖さんのコメント
2024年12月16日

追記のレビュー、
素晴らしいです。
自分伝えたいことが文章から、明確に伝わります。
「自分の、レビュースタイルが掴めた気がする・・・」
そうだと思います。
粘り強くて尊敬します。

琥珀糖
sow_miyaさんのコメント
2024年12月16日

共感ありがとうございました。
しばらく前のレビューに、こうしてポチッと共感がつくと、とてもうれしいです。
自分も、この作品、本年度ベスト3には入れたいと思っています。

sow_miya
ひなさんのコメント
2024年12月15日

luna33さま
共感とコメント、ありがとうございます。
『夜明けのすべて』のレビューは頑張って書いたので、うれしかったです。

フォローしているレビュアーさんのレッドカード退場に思うことがあり、昨日のコメントは自分で削除しました。最近話題の冤罪逃亡劇の最後のコメントも消しました。

映画の中の“ビリヤード”と「アサーション」については、コメントでなく自分のレビューに書こうと考えていました。

旧作のレビューはもう1回観ないと難しいと気付いたので、投稿済のレビューとは呼べないようなレビューを、納得できるように書き直して追記しています。

『東リベ』をもう一度観て5割増し、『ルックバック』の渋滞を交通整理して、『夜明け〜』で、ようやく自分のレビューのスタイルがつかめたような感覚です。

後は『侍タイ』と『ぼくが生きてる〜』を編集したら、luna33さんと約束の4本ですよね(笑)

ひな
luna33さんのコメント
2024年12月15日

レビュー頑張ってますね。その調子でこれからも書いて下さい。ひなさんの書いたレビューは必ず目を通してますよ。この作品も最近観たので近々レビューする予定です。

ところでコメント頂いてたと思うんですが、先ほど確認しようとしたら消えてました。アサーションについて書かれていたので返信したかったのですが。良かったらまた書いて下さい。

luna33
Mさんのコメント
2024年12月10日

すみません。もう書いておられましたよね。失礼しました。「侍タイムスリッパー」と「ぼくが生きてる、ふたつの世界」でしたね。私も大好きな作品です。
邦画で言えば「アイミタガイ」もよかったですよ。

M
Mさんのコメント
2024年12月9日

私もこの作品は今年1番の作品です。
好きな映画ほど言葉が見つからない、という気持ちはとてもよくわかります。
何か書いた後で、うまく自分の感動が伝わってないなあとか、いやもっとうまく人に伝えたい、と思うものですよね。
ところで、ベスト3の残りの作品は何ですか?

M