劇場公開日 2024年2月9日

「静かな映画」夜明けのすべて myzkkさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0静かな映画

2024年2月18日
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鑑賞方法:映画館

月を親指でかくす映画は、トム・ハンクスのアポロ13だよね。おじいちゃんが宇宙にいく映画は、スペースカーボーイか。アルマゲドンは、若すぎるか。
栗田科学のミニミニのプラネの投影する星々は少し雑っぽかった。五藤光学のプラネタリウムはさすがです。
プラネタリウム自身は天動説視点で作られたものですから、『太陽が沈む、、、、』のあたりの解説は初めての小学生には不向きかな、と感じます。昔の経験から。
ただ、栗田科学の部屋には天球儀?やオラーリがあっていい感じですね。

山添が事務所のジャンパーを着て自転車で藤沢の住まいに向かう場面はグッときました。
元上司役の渋川さんも良かった。
さらに、光石さんの社長役も素敵でした。

お母さんはなぜ歩行障害が出ていたのか、映画ではわからなかった。

myzkk
heaven can waitさんのコメント
2024年8月19日

いえいえ、私も最近ネトフリで観てわがりました。
実は劇中藤沢が映画の話をしますが、そのタイトルがわからずググったらこちらに導かれました。 教えて頂きありがとうございます。
ちなみに母が倒れる伏線は、映画冒頭の警察署で持ち物の引取のサインを求められる場面でも母親が渡されたらボールペンを落とすのもそうだと思います。

実は初回劇場で観たときは、前作のケイコのような熱いドラマを期待していたため空振りしたような感じでそのままにしていました。
サブスクに上がってきたので復習をして、この映画は、カタルシスを得て感動させる映画的手法を封印していることに気がつきました。
(少し専門的な話になりますが、この作品は客観描写だけで主観の画がありません。)
母親の倒れた経緯や山添の元会社の仕事内容、元会社社長のお姉さんと今の勤め先の社長の弟の自死、山添の彼女が海外転勤になる話をしに来たとき外で話せる?と言った後の顛末、などは描かれていません。
しかし、二人の病院での場面、いかにも典型的な真摯に患者に寄り添っていない医師たち、山添が電車に乗れず電車のドアが閉まる=一般社会から弾かれる弱者、藤沢がPMSを他の病気より軽く扱われる世間の見方などは、さりげなく丁寧に描かれています。
それはたった一度ではなくその病気になってからずっと彼らを苦しめてきた出来事のはずです。
この描写はある意味ケイコの中で聾唖の方が町中を歩くことがいかに危険な事かを見せる場面と似ている気がします。
きっとこの二作作品に込める三宅監督の目線だと思います。
客観描写と言いましたが、これは観ている観客にも求められている目線なのかもしれません。
レビューに高評価を書かれた方は、私のように斜に構えて映画観ず、心の目で観ることができる方達なのだと思います。

配信で見直してこの作品意図に近づくことが出来きて良かったです。
その後何度も見直しています。

heaven can wait
myzkkさんのコメント
2024年8月17日

heaven can waitさん
解説ありがとうございます。
気がつきませんでした。

myzkk
heaven can waitさんのコメント
2024年8月17日

藤沢が映画の始め頃に診察に行きますよね。
患者と目も合わせず、何だか突き放したような態度の悪い医師が、藤沢がピルを飲みたいと言った時に、それは無理だなぁ、お母さんに血栓の病歴があるからと拒絶されます。りょうが演じる母親は劇中では描かれませんが、その後その持病から脳梗塞で倒れたため下半身不随になったと思われます。

heaven can wait