「生きていく」夜明けのすべて たまさんの映画レビュー(感想・評価)
生きていく
なんと優しさに溢れた作品なのだろう。
PMSを抱えながら生きる、上白石萌音演じる藤沢さん
パニック障害を抱えながら生きる、松村北斗演じる山添君
を軸に、彼らと共に働き生きていく人々の物語。
生きづらさ、についての物語でありつつも、主役2人だけが
それらを懸命に乗り越えていく、という事だけが主題でもない。
藤沢さん、山添君の葛藤や不安や静かな悲しさなどは描かれていくが、彼ら2人だけでなく人はみなそれぞれに事情を抱えながら生きていく。
日々働いている。時に心身を休ませながら、人とゆるやかにつながりながら…。
主役2人だけが特別ではなく、みな何かを背負い、抱えながらも共に生きていく、そのような物語であると感じた。
だから声高く頑張って!とならず、ゆるやかに優しく大丈夫、とふっと背中を押してくれる作品になっている。
原作瀬尾まいこ 監督三宅唱
映像化するにあたり独自のシークエンスにしたり、映画としての設定にしている部分、ラストも原作とは異なるという。
が、原作を脚色し、そのエッセンスを大事にしている映画であろう。
特にプラネタリウムのエピソードの追加、そこから宇宙に連なる人間の存在を
ことさら上段にかまえるでなく、ごく自然に主題化しているところ。監督の手腕によるところだと思う。
四季の移ろい、時間の流れ、ささやかなユーモアあふれるエピソード、時に静かに切なさを感じさせるショット、魅力にあふれている。
エンドクレジットの映像の幸福感…
これは今を生きる私たちに必要な物語。
映画はすべてを解決させてはいない。
現在進行形、主人公たちの人生も続いていく。
現実を生きる私たちも、また。
月に指をかざす映画、アポロ13でしたか…
私はそちらがわからなかった
アポロ13、好きな映画です
みかずきさん
フォローありがとうございます。キネ旬、学生時代は毎号買ってました。今は月刊1冊になりましたが、必ず目を通すか、興味ある時は買ってます。すごいなぁ、キネ旬にレビュー載るなんて。憧れます。
みかずきさんのレビュー楽しみに読ませてもらいます。こちらこそよろしくお願いします。
遅れて、すみません
私の方からもフォローさせて頂きます。
私、10年近く前から、キネマ旬報、kinenote、yahoo検索などに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報採用です。こちらのサイトには2022年2月に登録しました。
宜しくお願いします。
本作、心の病を他の病と変わらずに取り合う社会が到来することを強く願っています。
ー以上ー
共感&コメントありがとうございます。
私のレビューを好評価しただき、ありがとうございます。
周りに心の病に罹った人がいて、
普通の病と心の病の差を実感できたのだと思います。
本作、仰る様、人間は、色々なものを背負って生きていくわけで、
そういう意味では、心の病に罹った人達とは極端に大きな差はありません。なので、ドキュメンタリーのように作品を作ってみると、心の病に罹った人達が特別際立つわけではありません。
皆で共生しているのだと思います。
では、また共感作で。
ー以上ー