劇場公開日 2024年2月9日

「瀬尾さん原作、希望(夜明け)を感じる力作」夜明けのすべて chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5瀬尾さん原作、希望(夜明け)を感じる力作

2024年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

挫折とか、出自とか、自分の力でどうしようもない状況にあっても、何かのきっかけでその境遇を力に変えていく  瀬尾さんの作品には、いつか立ち上がる、そんな希望を感じるものがたくさんあります  観る前からドリンク剤を飲むような、2時間後には元気になってくるような期待感を持っていましたが、期待通りでした
若く最も可能性を秘め、伸びしろだらけの20代に、逃れられない疾患がわかり、それがガンやケガのようにいつか終わりが来るものではなく、いつまで続くかわからない、それでいて周囲に理解されにくく人間関係も壊してしまう疾患であることがわかった二人
会社に自分の役割・居場所を、自らの能力ではなく簡単には治らない病気によって失っていく無念さ  普段の態度から決して疎まれるはずのない二人のキャラクターは、自ら逃れることのできないところで苦しんでいる  そんな自分であっても、自分以外の人の苦しさを共感でき、相手を支援する・支える役割を持てることで、自分の価値・意味を感じ取っていく展開が清々しかったです   私たちが生活のためと思っている「仕事」の中にも、自分が果たしている役割が存在し、その役割に気づくことができれば、苦境の中にあっても自分の価値・意味が見いだされるかもしれない  あの小さな会社は、そういった労りあいがあって、(光石研さんの会社だからこそ)尖っている山添君を暖かく見守り、藤沢さんを優しく送り出し、二人各々が自分の価値・意味に気づかせてくれたのであろう
光石研さんの役回りに加えて、渋川清彦さんの暖かな役も嬉しかった
(2月12日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)

chikuhou
NOBUさんのコメント
2024年2月12日

今晩は
 個人的には、元部下を気遣う渋川さんが演じる元上司が山添君を暖かく見守り、彼が新しい職場で頑張る!と言った時に公園で流した涙のシーンは凄く沁みました。
 今作は、悪人が誰一人いない中、人間の善性を描いた秀作だと思いましたね。
 正に明けない夜はないという言葉を実感した映画でした。
 では。返信は不要ですよ。

NOBU
Mさんのコメント
2024年2月12日

ほんとにあたたかな会社でしたね。
社員を大切にする会社はいい会社です。
まさか、藤沢さんがやめるとは全く思いませんでした。でも、恋愛関係にならなかったのはとてもよかったです。

M