aftersun アフターサンのレビュー・感想・評価
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まさかこんなに泣かされるとは‥予想外でした
グラディエーターⅡで初めてポール・メスカル氏を知ったので
どのような俳優さんなのかみてみたくて
この作品を鑑賞してみました
芸術性が強い難解な作品を予想していました
でもとりあえず観てみたら
退屈なところもなくて
とても良かったです
父と娘の微妙な関係
離れて暮らす親子の繊細な感情
不安定な気持ちの動き
そいうところがうまく表現できていました
めちゃくちゃ感情移入できました
音楽も良くて
特に最後の「アンダー・プレッシャー」が長めに流れて
感極まりました
本作は実際に娘がいる父親さん達には
特別な思いで鑑賞できる作品ですね
父と息子ではまた違ったものになるだろうし
父親を嫌いじゃない娘さんが
大人になった時に父親の若い頃を思う感情が
うまく表現されている作品
それにしても
グラディエーターⅡとは全く印象が違う
ポール・メスカル氏
繊細な役もいいですね
今後もご活躍が楽しみな俳優さんです
自分には合いませんでした
わかりにくい映画でした。2回見たいとは思いません。眠たくなります。このストーリーならショートムービーで充分だと思います。
ホームビデオで撮影された他愛もない親子の映像を見せる意味はラストの伏線なのはなんとなくわかりましたけど、あまりにも長い。他人の結婚式の動画を見せられてる感じでした。そしてラストのオチも途中から何となく読めてしまいました。
こんなにほのぼのしてるならラストはひっくり返してくるだろうと。予想通りでちょっと拍子抜けでしたね。
2時間使ってホームビデオで撮影した映像から親子関係を間接的に訴えるよりも、もうちょっとしっかりストーリーを作り込んで欲しかったです。視聴者に丸投げしすぎです。オチまで間接表現でボヤけまくっる印象しかなかったので、何を伝えたいのかわかりませんでした。
ものすごく高評価なので気になって見たので時間を返して欲しいくらいです。
伏線だらけ
悲しい
同年代の娘を持つ母として、また離れて暮らしているのも同じの私としては泣ける
我が娘と我が夫と重ねて観たらなかなかヤバイ。。。
我が娘が大きくなったら、時が来たら、アフターサンを観せようと思う。夫は亡くなったわけじゃないが。
終始パパが暗かったのはそういうことだったのか、、
形見にしようとお金も無いのに背伸びして買った高級絨毯。。。。
購入した時も死を考えていたなんて、辛い、、
伏線がたくさんあった
伏線で、このパパは長生きしないんだろうなあ、、と読み取れた。(自分が40代なんて想像できないという青年との会話や、スキューバダイビングでソフィがビデオ撮影した際に『バイバイ、バイバイ、バイバイ、バイバイ、』と少し茶化した口調で連呼していた、)タバコ吸っていて伏線で娘が「タバコはガンになるよ」と言っていたからガンなのか?とも思い、娘に余命短いけど隠してるんだろうなあ、と思っていた。
鬱で自殺を考えていたんだね、パパ。。
だから終始暗かったんだね。
暗いと思いきやダンスはノリノリだったり感情の浮き沈みもあったんだね。
残されたソフィは悲しすぎる。。
父親が自殺は辛すぎる。
、、、なんとも良い映画だった。
私の中で星四つはなかなかない。
よっぽど、余韻に浸ることができたか、もう一度観たい、と思えるか、心にシーンが残るか、で評価するがこれは星四つ。
ちなみに星5つはモダンタイムスやタイタニックなど。
暗喩が多すぎてわかりにくい
両親が離婚して母親と暮らすソフィが、久々に父親とトルコ旅行する話。映画の大部分は父親と娘との交流であったが、非常に素晴らしく描かれていた。
父親が深夜の海に行ったので、自殺するんじゃないかと心配したが、ちゃんと部屋に戻って裸で寝ていたシーンがあったので安心した。いずれにしても、所々に忍ばせている暗喩がなかなかわかりにくいので、ややフラストレーションが溜まった。
ぬくもりと痛みと
すごい映画を観てしまった。直接の説明は何もなく婉曲表現が多いので初回は分からないことが多かったが、この映画についてのレビューや考察を読んでから2回目を鑑賞するととんでもないものを観てしまったとしか思えなくなる。
家族の自死をこんな表現で描くなんて。姉を自死で失っている私は胸が塞がる思いだった。
カルムはソフィの父親であると同時に31歳の青年。おそらくうつ病に苦しんでいる。希死念慮と生きたい気持ちの板挟みでずっとずっと苦しかっただろうな。愛する娘の成長を見守り続けたかっただろうな。でも。
11歳という子供でも大人でもない少女を自然に演じたフランキー・コリオ、そして難しい役どころを見事に演じきったポール・メスカル。直接描写を一切用いずに、遺された家族の痛みをも描く演出。
久しぶりに忘れられない映画と出会った。
考察して完成する作品
終始浮き沈みのある鬱気味な父。腕の怪我も未遂の後かもしれない。
おそらくこの世を自ら絶ったであろう不穏な伏線。
可愛い娘の存在すらも、すでに彼にはプレッシャーだったようにも思う。
大人になったソフィは少なからずトラウマを抱えながらパートナーと子供を育てている。
そしてソフィ自身も産後うつかもしくは、養子で育児ノイローゼ気味じゃないかと思う不調な様子。
もしかしたら父が亡くなってから精神的な病を患っていたかもしれない。
そんな中でギリギリ状態の父との思い出を振り返る。
自殺してしまった父をどうすることもできないけれど
単純じゃない世界を知り大人になった今、より父の気持ちに寄り添えるタイミングで、ギリギリ状態で向き合ってくれた父との思い出に浸っていたのかなと思う。
鬱というおそろしい病の最中に、彼の心にある僅かな他者への愛で数日間耐えて。
映像で見るより遥かに壮大で勇気ある愛だったと思う。
バカンス中での不穏な音楽も父の心のなかと思うとまた苦しい。
余白を与えて削ぎ落としまくり、演出だけで観客に考察させて完成される作品はやはりすごいですね。
父と過ごした夏休み
31歳になったソフィーが11歳の頃、両親が離婚して離れ離れになった父カラムとトルコの鄙びたリゾートで過ごした夏休みの思い出を噛み締める、父と娘の回想録。
劇中、ホームビデオが出てくるからなのか、クローバーフィールドのような手振れした映像や細切れのフラッシュカット、過剰ズーム、極端に暗いシーンなどを随所に散りばめ、見にくいことを逆手に取った奇妙な絵作り、演出が鼻に付きました。
女性監督シャーロット・ウェルズさんが自身の思い出を被らせて撮った長編デビュー作とのことだが、まさにホームビデオの世界観、大した出来事もなく父娘の楽しそうな、時に反目する様を淡々と描いているだけなので、同じような境遇を持つ人には共感が得られるのでしょうが私には退屈な作品でした。
1回目
非常に個人的な見解ですが、母の仕事の関係で父と2人で過ごす事が多く、夏には必ず2人で海水浴をしていた私には、この親子の自然でとても仲の良い姿(演技!)がとても懐かしく、ほんわか、ノスタルジックな気分になりました。
(私も父を早めに亡くしています)
けれど途中からは、どうか娘さんと一緒にいる間だけは止めて欲しい!と勝手にハラハラしてしまい、最後まで気持ちが落ち着かないままでした。
確かにこの映画は2回観た方が理解が深まるでしょう。けれど、2回目を観るにはそれなりの覚悟が必要ですね。こちらの心が受け止め切れるのか…。
なんとも言えない
父親と定期的に会う娘の話。
同居する母親との関係より父親の方が良いのではないかと思った。
会う度に別れは訪れる。
そしていつかは永遠の別れに・・
父親は何が理由か分からないけど亡くなったと思われる。
大人になった娘が父の撮り溜めた思い出の動画を一人見ている。
この状況だけ取っても切ないシーンだ。
楽しい思い出がかえって苦しくなる。
親と交流をしたくても実現出来なかった人も同じく辛い想いが湧いてくる。
ハッピーでジーンとくる映画の方が後味が良い。
今は、このようなしんみりした映画は観たくない。
あの時、あの場所に
父と娘のたわいもない旅のビデオが、こんなにも悲しくこんなにも感情が引きずられるだなんて思ってもみませんでした。監督は、「今まで生きた中で一番楽しい日々」だけど「一番悲しい日」を作品で昇華したけれど、いまだにあの時あの場所に帰りたがっているのかもしれません。様子がおかしかった父親の自死をどうにか引きとめたかった。ただ、幼すぎた。鬱病という病気も知らなかった。
父親と同じ年齢になってからやっと向き合えたビデオテープ。もしかすると父親は本当に自分を愛していたのではないか?やむを得なくこの世を去ったのではないか?ソフィを包み込む様な優しい笑顔のカラムがテレビに映し出されます。
アフターサン。
父親の手の温もりを思い出すもの。
旅先での美しい景色を映したカメラの色彩がどこか儚げで、まるで夢の中にいるようでした。そして、ポール・メスカルも幻のような影のようなそんな演技ですっかりファンになってしまいました。淡いブルーが印象に残りましたが、あのバリー・ジェンキンスがプロデューサーだったんですね。
魅入った
あまり起伏のある内容ではなく、映画好きなタイプ以外はつまらないものかもしれない。
遠くに離れる父親とトルコでバカンスを過ごしている娘が、当時の父親と同じ歳になった時に録画テープを見て振り返るだけの映画。
なぜか魅入ってしまった。
父親はずっと自殺しようとしていた?何か精神的に抱えていそうだが、娘の前では気丈に振舞っているのが泣ける。なぜ離れて暮らさなくてはならなかったのか、父親は今生きているのか、等は語られないが想像に難くない。
そんなに悲しいシーンがある訳でもないが自然と涙が流れるシーンが所々にあった。
誰の気持ちも、本当にはわからない
モノローグもなく、明確になにか出来事を映し出すということもないので
終わってからも、どの登場人物も本当の気持ちはわからないのですが
それが深い余韻となって鑑賞後も心に残る作品となるのだと思います
が、個人的には、大切な部分を描写しないとお洒落みたいな、
それぞれの想像力でくみ取ってねみたいなのはあまり好きではないので
大人になった娘さんの気持ちくらいはセリフではっきりして欲しかったですね🥺
おそらく娘さんは旅行から帰国直後にお父さんのこと聞いたと思うのですが
その当時の娘さんの気持ちとかを考え出すと...うう...ってなる
20年越しの父娘の愛、すれ違い、別離、理解を重層的に詩的にリアルに描く素晴らしい映画
11歳の夏の楽しいバカンスの思い出。20年後、撮ったビデオを見返すと父も自分と同じような苦しみで心が壊れていたことが明らかに分かる。そこで娘は初めて父が自死したことを許し、自分の現在の状況も理解し乗り越えることができると確信する。
甘い思い出の裏側の真実。しかも現在の自分に直結する真実。20年越しの父娘の愛、すれ違い、別離、理解を重層的に詩的にリアルに描く素晴らしい映画。
計算し尽くされた脚本と撮影、ガラス細工のように繊細な演技、詩的な編集、的を射た音楽と音響、どれも高次元。
子供のころ家族旅行で海に行ったことを思い出しました。
カラム、いろいろ問題を抱えてそうですが愛娘のソフィーを一生懸命楽しませようと、そして自分もこのバカンスを楽しもうとする姿勢が観ていてとっても微笑ましいというか勉強になるというか、良かったです。生きてるといろいろありますよね、うまくいっていないことばかり目についちゃいますけど、ソフィーは健康でかわいいし、腕の怪我も治ったし、ね、応援したい気持ちでいっぱいです。
娘を愛して
若い頃にできた11才の娘との旅行に行く父30才。
念の為前妻に電話しておく。
右手にギプス、ケガするような危険な肉体労働か。
カメラとビデオを持って思い出に残そうと。
娘に護身術を伝授する父親。
若いけれど心配する気持ちに年齢は関係ない。
日差しが眩しいトルコの観光地。
狭いロビーのあまり高くなさそうなホテル。
手違いからかダブルの部屋しか無く、
サイドベッドを入れて貰い父が使う。
娘は躊躇なくデカいダブルベッドに寝て
父は、小さなベッドで身体を縮こませて眠る。
父との再会を喜び屈託なく楽しんでいる娘。
プール、ビリヤード、
まだ若い父も久しぶりの再会を
楽しんでいるかと思えば、なんか暗い。
知人との事業の話をし、
ロンドン郊外に家を買う、君も来ないか。
娘にも誘っているのにまた暗い顔。
楽しみのディナーだったのに、
財布忘れたからか二人で逃亡してしまう。
エンゲージという言葉に期待する娘の言葉にも
返事しない。
楽しんでいるようで心ここに在らず。
また、40歳なんて想像できない、と呟く父。
踊っているモノクロフラッシュの映像❗️
娘が聞いた 落ち込んでいる時無い? に
グッと来てしまう父。
肩しか映らない映像。荒い息遣い。
何を動揺しているのか。
髪を編んで飾りを付けてちょっとオシャレに
なって得意なソフィ。
絨毯屋で選んで値段を聞くと850ポンド。
娘はプールバー、父は太極拳。
父は絨毯買ったよう、記念かな。
ビデオ撮りつつ、
娘から、
自分と同じ11才の頃、
パパは将来何してると思った?
何になっていたと思う?
と聞かれてごまかす父。
部屋のベランダで
何を考えているのか?父。
ソフィに聞かれてスコットランドの家には
帰らない、と断言し、
生きたい場所で生きろ、なりたい人間になれ、
と言う父。
父はそうできなかったのか。
またモノクロフラッシュ❗️
ベランダの手摺りの上に立って手を広げる父。
何をするつもりか。
プールサイドで、娘にオイル塗ってやる。
タイトル❗️通り。
最後の数日だ、楽しもう、と声かけする父。
ディナーショーで、
なぜビキニ着てる?と心配する父。
スクール水着なら安心なんだな。
司会、カラムたち呼ぶが、ソフィだけ歌う。
ソフィにお金も無いのに、と言われ黙る父。
しばらく何も言わずに先に帰ってしまった。
部屋でビデオを観て外へ出て拾いタバコする。
部屋の鍵忘れたソフィ、部屋に入れずやむなくロビーに。
父は暗い海に行っていた、何をするつもりか。
ソフィ従業員に開けてもらい、部屋の中に
やっと戻れた。
父はソフィのベッドに寝てしまっていた。
苦しんでいる父の顔が浮かび上がる
モノクロフラッシュ❗️
現在のソフィだろうか?
足元には父がトルコで求めた絨毯が
敷かれている。
パートナーとの生活。
ツアーの日、父の誕生日。
バスで父にハッピーバースデー❣️と。
ソフィ祝う。
二人で太極拳して
クレオパトラも使った泥の池で
泥を塗りたくり合う二人、幸せそのもの。
ゲームで知り合った男の子とキスしたこと言う。
同年令ならいいか、と父。
遺跡で参加者に頼みまくって
皆でお祝いの歌、大合唱❗️
なのに裸で嗚咽しつつむせび泣く父の後ろ姿。
そして、ソフィへのメッセージ、
💕ソフィ愛してるよ、忘れないで、💕
最後の夜、お金ないからかソフィーの分だけ
パフェ頼んだのかな。
記念のインスタント写真撮ってもらった。
いい休暇だった?と聞く父。
もっといたい、とソフィ。
踊ろう、とはしゃぐ父。
モノクロフラッシュ❗️
抱きしめる父、
モノクロフラッシュ❗️
歌も、最後のダンス、と。
空港でソフィと別れる父。
ビデオで11才の自分を観ていたソフィ。
ぐるっと回ってソフィを見送り、
ドアの向こうに消える父。
ソフィはこの時の父と同じ年の誕生日を迎えるに
あたり、父のことを思い出したのだろう。
この年以降の父の思い出や姿は無い。
ソフィとの旅行以後、亡くなったのか。
父が買った絨毯とこの旅行のビデオがソフィの
手元にあるということは、父亡き後手に入れたのか。
それとも、愛するソフィとの旅行の記念に
ソフィへのプレゼントだったのか。
笑顔の合間に見える父の苦悩。
亡くなったのは‥‥。
カラムが出たドア周辺から飛行機には乗らずに出口に。
トルコに住んでいたようにとれる。
スコットランドの実家には帰らないと
決心するほどの何があったのか。
ソフィに好きに生きろ、と言うあたり自分は
がんじがらめで逃げ出したのか。
10代で家を飛び出し一緒になった女性とは
娘をもうけるも別れて暮らし最後の再会。
何を悩んでいたのか。
娘がいるオラとしては共感シーン多数
レンタル110
準新作ながらキャンペーン価格
ホエールとどっちにするか迷ってこっちに
娘がいるオラとしては共感シーン多数
オヤジの誕生日を祝う娘のサプライズ
ラストの空港
ただ 期待したほどではなかった
ちとわからぬシーンもあった
海に入るオヤジ
てっきり…結果よかったのだが
娘は同性愛者 いいのだが必然性があるか
他者のレビューで理解を深めるのだ
娘が想像する父親の葛藤と、娘自身の葛藤
娘11歳と父31歳という年齢設定が、この映画の醸し出す不安定さを方向づけているような気がした。
娘のソフィは、聡明でビリヤードも上手いが、歌は上手くなく、水にも潜れない。年下とは交じろうとはせず、誘われた年上たちのグループの中では疎外感を覚える。そんなあやふやな思春期の入り口の年代として、11歳というのはピッタリくる。
対する父親のカラムは、ビリヤードで出会った若者にソフィの兄に見られる程若いが、自分が父親であることをソフィにも自分自身にも言い聞かせているかのように振る舞うあたり、若くして父になった寄るべなさが漂って、31歳というのが自然に収まる。
描き出される映像は明るく、美しい。また、バカンス期間でもあるので、出来事は日常を離れた優雅な特別感でいっぱいだ。それなのに、全編ずっとずっと不穏な空気に満ちている。
別れた妻との電話で「監視」などという言葉が出てくるわ、そもそも始めからギブスしてるわ、ベランダの柵の上に立つわ、一人で高い所へ行ってしまうわ、娘を置いて入水しようとするわ…等々、気持ちの不安定さを必死に隠そうとして、隠しきれていないカラムが、観客を落ち着かなくさせる。
でもこれは、あくまでも、20年の時が経ち、31歳になったソフィが、残されたビデオテープから想像するカラムなので、実際はどうだったのか本当の所はわからない。そもそも、20年経って、やっと当時のビデオテープを見られるようになったということかもしれない。はっきり描かれてはいないが、カラムはこの後すぐに亡くなったのだろう。娘との旅行の間は踏み止まれたことが、1人になった途端に…、そんな気持ちにさせられてしまうラストだった。
それに対して、ソフィは、カラムとの抱擁の後、彼をつき飛ばす(ように自分には見えたが…)ラスト前のダンスシーンの表現から観て、自分は生きるという決意をしたのではないかと想像する。
そう考えれば、希望が残る終わり方と言えないこともないが、自分にとっては、割り切れない思いが残った。(全然タイプは違うが、夜明けのすべてを観たばかりだからかもしれない)
レビュー見てやっと分かる真意。
離婚して、母親と暮らす娘ソフィが父親とトルコにバカンスに思い出旅行をする。
その旅行をビデオに撮りながら楽しく過ごす・・・というもの。
単なる父娘のホームドラマだと思っていたら、父親は鬱系で不安定。
バルコニーに立っていたり、腕?を負傷したけど記憶が曖昧、最初からの腕のギブスも訳ありぽい。
そのことに当時の娘は気がついていただろうか。
ソフィが父親と同じ年齢になってビデオを見返しながら父親を回顧する。
ソフィも自分のジェンダーについて悩んだり、思うことがあるのかもしれない。
こんなに想像と考察が難しいのは久しぶり。
結論としては、あまりハマらなかった。
噂に違わぬ名作でした。
父親と娘のラストサマーバケーションをホームカメラアングルを多用して淡々と進んでいく。ある意味で本当に父と娘のラストバケーション。自分も重度の鬱経験者であり、同じ年頃になる娘を持つ身としてはエンディングのダンスシーンと最後の見事なカメラパンからの混沌のクラブへと吸い込まれて行く父親のラストシーンでは涙腺が崩壊しました。今の愛おしさを噛み締めて出来る限り大事にしようと考えさせられました。しかしA24の作品は独特だなぁ。大好きだけども。
パパ、いつまでもいつまでも大好きだよ
31歳の若い父親と11歳の大人びた娘。
ひと夏をトルコのリゾートで過ごす。
それをあの時の父と同じ31歳になった娘が思い出す…。
それだけだったらとってもノスタルジー掻き立てられる。
が、製作はA24。なかなかにストレートではない。
まず、良かった点。
本作でアカデミー主演男優賞にサプライズノミネートされたポール・メスカル。
父カラム。娘とは友達のような優しい父親である一方、夜娘が寝て一人になると…。複雑な心情や役所を繊細に。『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズを押し退けてノミネートされたのも納得。
圧巻だったのは娘ソフィ役のフランキー・コリオ。
オーディションで選ばれ本作でデビュー。それもさることながら、本作はなかなかに難解。しかしそれを充分理解したように役になりきっている。ナチュラルな演技は言うまでもなく、末恐ろしい…。
本作で長編デビューのシャーロット・ウェルズ。詩的で叙情的な演出や映像の美しさは忘れ難い。
本当に本作は若い才能が集結した珠玉の秀作と言えよう。
作品のクオリティーには異論ナシ。
が、作品の中身自体については…。
先ほどもちらっと述べたが、本作、なかなか難解なのである。
ストーリーはあるが、あってないと言うか、感情移入や引き込まれるような万人受けするような話でも作風でもない。
断片的な描写、説明も皆無で描かれる。
まあ本作自体、大人になった娘が記憶を頼りに“あの時”思い出すという構成。
だから作りは作品を的確に表しているのかもしれないが、ストレートな話や感動を見たかった人には期待外れかも…。
なので、作品のほとんどを推測や憶測しなければならない。
まず考えられるのは…
何らかの理由でカラムは奥さんとすでに別れているであろう。
若くして父親となり、苦労も多いのであろう。
娘とはなかなか会えない。久し振りの父娘水入らず。
娘を喜ばそうとするが、失敗続く。それに対し、自責。
一人でいる時に見せる苦悩の姿。
おそらくソフィは、当時は分からなかったのだろう。パパ、何を悩んでいるの…?
父と同じ歳になって、少しは気付いたような気がする。
私はパパの父親としての顔は知ってるが、一人の人間としての内面は何も知らなかった。
自分はいい父親だったか…? いや、ダメな父親だった。娘に何もしてやれない。自分を責めるならまだしも、時々娘にも当たってしまう。本当にダメな父親だ…。
今なら、そんな事ないよ、と声を掛けてやりたいが…。
これも推測だが、おそらくカラムはすでに故人。
この旅行が父と会った最期だったのではなかろうか…?
あの時の父と同じ年齢になり、何かの拍子に父と最後に過ごしたあの旅行を思い出し、ビデオカメラを回す。
そこに映し出されていたのは…
楽しかった旅行の思い出。
無邪気な自分と優しいパパ。
時折時折、父親が見せる苦悩。
そして忘れはしない父親への愛。
パパ、いつまでもいつまでも大好きだよ、と。
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