aftersun アフターサンのレビュー・感想・評価
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夏の思い出の中の、手が届かない裏側
主人公・ソフィが父親と過ごした夏を振り返るところから始まるストーリーで、その回想はほぼソフィの視点のみで描かれ、ソフィが回想の中で感じていた違和感の正体も、ソフィが回想を始める動機も、回想を終えた胸の内も明確に語られることはない。観客はソフィよりも少ない情報で物語を終えることになる。 劇中の違和感は観客の関心を牽引するものではあるが、その真実を得ることは本作の目的ではないのだろう。夏の空気や、旅行先で冒険したり退屈したり大胆になったりする時間、ティーン手前の娘と父親との距離感などを疑似体験する作品なのではないだろうか。照りつける太陽の眩しさと熱、プールの塩素の匂い、夜の浜辺の空気の重さを想起させるような映像に、夏を疑似体験しているような気分になった。 本作が欧米で人気だったというのも、バカンスシーズンの思い出を持つ人々に強いノスタルジーを感じさせたからかも知れない。
あの夏の潮風も、陽射しも、笑顔もまぶしくて、切ない。
照りつける太陽が作り出す影のような父。 思い出の父の年齢になっても、あの父には追いつけない。 夏の休暇が一生続けばいいのにと願ったのは、娘よりも父だったのでは。 潮の香混じりの風や、肌を焼く陽光。 あの場所に確かにあった物に映る2人。 2人を見つめる切ない眼差しに涙が滲んだ。 。...............。...............。...............。...............。 ど直球に突き刺さりました。。 予告から伝わってきていたあの悲しい匂い。 説明は少なめですが、あの鬱々しさは読み取れる表現で盛り込まれています。 そこに思春期の娘ソフィの瑞々しさや、少し大人に手を伸ばしたい焦ったさが可愛い。 あとは、被写体に心をうつす表現。ぜひこれは観て欲しい。このエモさ…監督のセンス素晴らしい。 あの夏のリゾートですごした感情が、そしてそれを見る感情が、時の流れと共にどう心を動かしていくかがそこに写されていると感じました。 オンライン試写で鑑賞しましたが、映画館に絶対観にいきます…!👒
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