流転の地球 太陽系脱出計画のレビュー・感想・評価
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映像のみに力を入れ過ぎた
続編なのだが、前作は観ていない。
なので地球自体をこういう状況になっている点がわからない。
主人公たちが生きる時代もかなり飛び飛びになるのだけど、登場人物たちの関係性の描き方の薄さが目立つ。
またテロを起こすものたちとの争いも、テロ行為の対処のみとなり、対立構造ではなく事象を描いてて、戦いや破壊といった行為の映像のみに執着した様な感じがした。
ラストは観るものの感情を揺さぶろうとしてるのだろうけど、行為のみでは心には届かず、またどこか二番煎じを否めない。
中国映画の総力を結集!圧倒的なVFX!で 1962年の東宝特撮映画「妖星ゴラス」をリアルに再現! 2時間53分の長時間超大作!面白かった!が…
2000年の短編小説『流浪地球』の映画化、『流転の地球』の前日譚で続編。
…というが前作はNetFlixで見れるのに見逃したまま、鑑賞。
100年後の太陽の膨張、300年後の太陽系消滅という予測を前に、地球連合政府は地球に1万基のロケットエンジンを設置し、太陽系から離脱させるという壮大なプロジェクト「移山計画」を始動させる。
とにかく金がかかっていて、CGも壮大なスケール!!
しかし、1962年の東宝特撮映画「妖星ゴラス」と同じアイディア。
今さら、現代の視点でリアルにパクった作品でした。
計画の大成功での名セリフ「We did it!!」も再現してました!
その大命題を中心に、計画に参画した宇宙飛行士ペアの人生と、科学者の父がAIで蘇らせた娘の物語が描かれ、その展開が泣ける。
宇宙エレベーターに宇宙ステーション!
地球政府グループと反対貼れ路リストの攻防戦!
CGに継ぐCG、見せ場の連続!
光陰矢の如しという壮大な大河ドラマで、2時間53分という長編も飽きずに観られて、面白かった!
が、それでもやはり長いのと、宇宙飛行士夫妻とAI娘という全く別の2つの話があることが面白くもありつつ、強引に1本に詰め込んだことに微妙に違和感も感じる。
そして、中国中心の展開が鼻につく。
中国映画特有のナショナリズムが見え隠れして、普通に観れないのが残念。
国を揚げて製作すれば、そりゃあこれ位の映画を作るのはいとも簡単なことなのでしょう、と。
これって妖星ゴラスじゃないか
妖星ゴラスの代わりに月が地球に衝突する。南極にロケットを付けて地球の軌道を変える。同じだ。1962年の円谷英二による東宝の映画。CGでグレードアップしただけか。
宇宙船地球号
かつての東宝の空想科学映画を彷彿させるロマンあふれる作品。特に本作は「妖星ゴラス」をリスペクトしていて見ていて楽しい。どうせなら怪獣マグマも出してほしかったな。
理論上は可能とされるスラスターによる天体の軌道変更。本来なら移民船による地球脱出の方がより現実的ではあるが、地球を丸ごと宇宙船にしてしまう発想にはやはりロマンを感じる。
物語としてはデジタル生命体賛成派がなぜ移山計画を阻止しようとするのがわからなかった。人間の意識をデジタル化して生きながらえるにしても相応の設備が必要なわけで、太陽系が消滅するような事態では、太陽系から脱出する計画を邪魔する理由は見当たらない。戦闘シーンを描きたいがために無理くりに作った感じがする。
あと前半のラブコメチックな演出には参った。全編こんなノリの作品なのか、これは本作の鑑賞したのは失敗だったと思ったが、アンディ・ラウが出てきてからはガラッと変わって安心した。客層を広げるためとはいえあれはほんと勘弁してほしい。
ラウが死んでデジタル生命体となって娘と再会するシーンは予想していてもほろりとさせられた。あそこは本作での白眉だった。
さすがに製作費かけただけあってCG映像のクオリティーは高い。ただ既視感があるのは否めないが。メカのデザインはよかった。特に足だけのゲートロボットの万能っぷりと軍用犬ロボットがとてもかわいかった。
過去のSFディザスタームービーの寄せ集めであり焼き写しといえなくもないが、東宝特撮映画に幼い頃はまっていた人には楽しめる作品だと思う。前作は未鑑賞だが、本作単体で見ても何の問題もない。
あれで地球が動くとは思えないが、とにかく凄えこと考えるなあと思える映画でした
2024.3.27 字幕 TOHOシネマズ二条
2023年の中国映画(125分、G)
原作はリウ・ツーシンの小説『流転地球(邦題:さまよえる地球)』
前作『流転の地球(2019年)』の続編で、前日譚にあたる物語
監督はグオ・フォン
脚本は王紅衛&楊治学&龔格爾&郭帆&葉濡暢
原題は『流転地球2』、英題は『The Wandering Earth 2』で、「さまよえる地球」という意味
物語は、2044年の地球にて、太陽フレアの影響のために太陽系から脱出しなければならない状況が描かれて始まる
世界では主に二つの研究が進んでいて、ひとつは「デジタル生命体」の研究で、もうひとつは「地球エンジン」の開発だった
人権問題を憂慮して、デジタル生命体の研究は禁止され、それによって、世界のインターネット網も停止させられてしまう
「地球エンジン」は地球に無数のエンジンを取り付けて、その推進力で太陽系を脱出しようとするもので、今ではそれが可能かどうかを月面で実験をしているという段階だった
その任務に就いていたパイロットのリウ・ペイチアン(ウー・ジン)は、実習生として、宇宙エレベーターに乗り込んだ
恩師・シャオ・ポン(シャー・イー)は地球に残り、友人のゴラシノフ(ヴァティリ・マカチェフ)とともに、その様子を見守っている
だが、何者かによって宇宙エレベーターの制御コンピューターがハッキングされ、さらにドローンシステムまでもが奪われてしまう
ドローン戦闘機は宇宙エレベーターにミサイルを放ち、その犠牲になって、エレベーターは次々と落ちてしまう
そんな折、テロリストと相対することになったペイチアンは、同乗したハン・ドゥオドゥオ(ワン・ジー)とともにテロリストの制圧に成功する
だが、ドローンは宇宙ステーションに到達し、ステーションは藻屑と化してしまうのである
この事態は世界政府の方針転換を強いることになり、月面での起爆実験を急がせることになる
月面での起爆には新型コンピューターも必要ということで、北京から量子コンピューターの専門家トン・ホンユー(アンディ・ラウ)とバー・ジャオ(ニン・リー)がミッションに向かっていた
全世界が見守る中、起爆実験は成功し、世界政府は「地球エンジン計画」を推し進めることになったのである
映画は、ペイチアン&ドゥオドゥオのカップルの物語と、トン・ホンユーと娘トウ・ヤーヤー(ワン・ルオシー)の物語、そして政府側としてジョウ・ジョウジー(リー・シュエチェン)&ハオ・シャオシー(シュ・ヤマンツー)の中国大使が他の国との主導権争いをしている様子を描いている
いわゆる群像劇のような感じになっていて、この3組が交わることはない
ペイチアンはエレベーターテロと月面への核兵器設置を担い、ホンユーは月面実験の後は北京のインターネット復旧の任務にあたっていく
故に、違う場所で奮闘した人々が成功によって抱き合って、というエンディングにはなっていかないのである
『流転の地球』は、地球が動き出した後に起こるトラブルを描いていて、ペイチアンの息子たちの世代が活躍する内容になっている
あの世界観にどのように繋がっていくのかがメインではあるものの、前作の視聴はほぼ不要の内容になっている
科学的検証などを考えてはダメな映画で、とにかくスケールのでっかい映像をスクリーンで体験するのが醍醐味となっている
おそらくデバイスで観ても面白くないと思うので、興味のある人は映画館に行っても良いのでは無いだろうか
いずれにせよ、中国映画ということもあって、あまり情報がないので下調べは大変である
登場人物も結構多いので、顔を覚えるのが大変で、パンフレットも無いので予習すらできない
基本的に中国映画なので、中国が有能で切り札になるのはお約束だが、アメリカの司令官が使えない設定で、ロシアのパイロットと仲が良いというのは現実的だなあと思った
日本描写はほとんどなく、東京のインターネットの復旧はきちんと終わらせていたので、有能グループの方に入っていたのかもしれない
見どころは後半の決死隊の選出シーンであるが、こういった価値観は全世界共通なのかなあと思ってしまった
太陽が急速に膨張し始めたため、このままでは300年後には地球が確実...
太陽が急速に膨張し始めたため、このままでは300年後には地球が確実に飲み込まれることが判明した。
全国家の政府が連合した組織が作られ、地球を太陽系から脱出させるという巨大事業が始まり、アルファケンタウリ星系を目指す旅に出発する“地球流転計画”が展開する。
まず月面に作った新開発の巨大な噴射エンジンの試運転に成功したので、それを地球上の片側に一万基を建設するという巨大事業が始まる。
20年近い歳月ののち、地上のエンジン設置がほぼ完了したが、月を影響のない場所へ移動させるために月に設置していたエンジンが暴走事故を起こし、24時間で地球に衝突するコースに乗ってしまう。
その前に月を粉砕すべく、地球上のすべての核兵器を集めて月面に埋める。
300か所近くあるそれを同一のタイミングで起爆するために、300人の志願した宇宙飛行士が月面に配置される。
それが間に合うかどうか分からないため、同時に、まだ不完全な地球上のエンジンも始動させようという意見と、それは危険すぎて絶対ダメという意見が対立する。
連合組織のリーダーらしい中国の車イス老人は反対派を無視し、現場の中国人技術者を信じてエンジンの始動を命令。
エンジンは順調に動いて地球は軌道を離れ、月の爆破も見事に成功。
地球は最初の目標である木星に向けて進んでいく、でおしまい。
CGによるスペクタクルシーンは、中国製SFにありがちな安っぽさがなく、マーベルなみのリアルな映像。
僕の歳だとどうしても「妖星ゴラス」のマネとしか見えないお話なのだが、もちろん半世紀前の子供向け作品とは予算もスケールも桁違いの超大作だ。
しかし科学考証無視の度合いは唖然とするほど違いがない。
小中学生の鑑賞だと気にもならないだろうが、僕には、これだけの超大作なのに、あまりにも科学的にデタラメ過ぎるのが気になって仕方ない。
いや、それは無視してかかるとしても、本作はひどく残念だ。
人類全体の話なのに中国人ばかりが取り仕切っているというのも気にしない。
しかし、何を描いているのかを忘れているとしか思えない、中心になるものを放って脇の部分に力を入れるという、中国製アクション映画にありがちなマイナスポイントが目立つのだ。
これまでは中国映画でそういう部分に違和感を感じても、その作品を作った監督なり脚本家なり個人が、物語の語り手として未熟なだけだろうと思っていたのだが、本作ほどの超大作でも依然として存在しているところを見ると、これは中国人の好み、国民性なのかという気がしている。
オープニングの長い大戦闘シーンが本筋と何の関係もないとかはいいのだが、地球を移動させるという人類史上最大の壮大な計画が展開するのに、その計画の細部を描くことに費やすべき時間の多くを、計画に参加している科学者のひとりアンディ・ラウが、死んだひとり娘の脳をスキャンした重すぎる人格データーを、政府の貴重な最先端のコンピューターを私的に利用し、仕事中にモニターにバーチャルな娘を表示させては涙を流すという話をやるのだ。
はっきりとは説明されないが、こいつが娘のデーターを政府のコンピューター間で転送したとたん、機械が誤作動を起こして月のエンジンが暴走、人類を大破局が襲うという流れになるのだが、その事故を起こさせるためだけにこんな面白くもない話をしつこくやり続けたわけかと不快だった。
アンディ・ラウの話はすべて、削るべきだった。
あと基本的にこの作者は、観客に今なにがどうなっているかということを説明するのがヘタ過ぎる。
月爆破と地球のエンジン始動に向かうクライマックスで、どのキャラクターがどこにいて、それぞれ何をしているのか、一度観ただけで、すべての状況がよく分かったという人などいるのだろうか。
それくらい、分かりにくい。
重要なことと、そうでもないどっちでもいいことを同列に扱う、中国的演出のためだ。
と、さんざんな言いようをしたが、こういう子供の頃夢中になったような古い感覚のSFは大好きなので、大きな不満を感じながらも僕は楽しんで観れた。
この手の奇想の話はこれからもどんどん作ってほしい。
物語的にはガタガタ。
映像的には凄かった。
期待度○鑑賞後の満足度◎ 現在中国映画界の総力を結集したようなSF超大作。中国の良い所と悪い(?)所を併せ持っているが全体として堪能した。アンディ・ラウと娘のエピソードに捻りがあり星半分オマケ。
①ユーミンの『青い船で』をちょっと思い出した。♪私たちを乗せた星は涼しげに輝いて…木星を金星と導いていくように…♪中国に先に映画にされちゃいましたね。
②「1」を観ていないと分からない部分があるのでやや不公平だが「1」よりはよく出来ていると思う。
③
非常に素晴らしい原作とは違う世界観に
災害の前に全人類が力合わせ、生き残る。感動された所 1、50代の飛行員若造のために自分たちが死に行き。2、師匠死ぬ前にも弟子の命を守る。 音楽は悲壮感、大空への神秘感、郭監督が素晴らしい!
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