「【”罪を犯しても償うのは、もう一人の自分。”今作は或るリゾート地に集う人達の密やかなる倒錯の愉しみをエロティック&グロテスクに描いたクローネンバーグ親子のDNAの強さを感じる作品である。】」インフィニティ・プール NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”罪を犯しても償うのは、もう一人の自分。”今作は或るリゾート地に集う人達の密やかなる倒錯の愉しみをエロティック&グロテスクに描いたクローネンバーグ親子のDNAの強さを感じる作品である。】
■高級リゾート地として知られる孤島”パ・クルカ”を妻・エム(クレオパトラ・コールマン)と共に訪れた六年間も新作が書けないスランプ中の作家、ジェームズ・フォスター(アレキサンダー・スカルスガルド:名優であるステファン・スカルスガルドも「ニンフォマニアックVol.2」にミア・ゴスと共に出演していたので、似た者親子であろう。)。
ある日、彼の唯一冊の小説の大ファンだというガビ(ミア・ゴス)に話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をする。意気投合した彼らは、出てはイケナイと言われていたリゾート地からドライブにジェームズの運転で出かけるが、途中で彼は地元民を轢き殺してしまうのである・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・アレキサンダー・スカルスガルドがエロティックシーンでも、グロテスクシーンでも奮闘しているが、名優である父、ステラン・スカルスガルドも「ニンフォマニアック」にミア・ゴスと共に出演しているので、似た者親子であろう。
・観ていれば分かるが、今作のタイトル「インフィニティ・プール」の意味は”一度知ってしまった倒錯の快感は、尽きる事無く溢れるばかり・・。”という事であろう。
・現地民を凄惨な方法で殺しても、大金を積み自分ソックリのクローンを作り、それに対して遺族に復讐させれば、何をしても良し!と言う、高級リゾート地として知られる孤島”パ・クルカ”の掟に魅入られて行くジェームズ・フォスターの姿。
そして、彼を執拗に追い込んで行く超ドSのガビを演じるミア・ゴスの姿が堪りません。シャイア・ラブーフ君が一度は別れても、よりを戻した事が良く分かるのである。君はきっとドMなんだろうね・・。
・ガビが、倒錯の世界からバスで逃げ出したジェームズ・フォスターを、夫やお仲間と車で追いかけて”アンタの小説なんて、最初から屑なんだよ!”と言って酷評の書評を読み上げる姿や、打ちひしがれる彼に対し、乳首を吸わせるシーンなどは子供に対し、厳しい躾を行う母親の様である・・。
・妻・エムからは”貴方の眼、ゴミ捨て場の蟹の眼のよう・・。”と吐き捨てられ、捨てられるも倒錯の世界に染まったジェームズは、ガビたちと狂乱の行為を繰り返すが、帰国の日が来てガビたちが普通の顔をして”又、来年!”と言って国に帰って行く中、彼だけはチケットを持ったまま、呆けた顔で空港のロビーに一人座っているのである・・。
<今作は或るリゾート地に集う人達の密やかなる倒錯の愉しみを、エロティック且つグロテスクに描いたクローネンバーグ親子のDNAの強さを感じる作品なのである。>
私はブランドンの作品を観ていないのですが、クローネンバーグ親子ネタを。
=ゴジラ-1.0レビューより=
ウチにあった初代ゴジラの録画ビデオは、松村光生さんが東京国際映画祭で来日していたデビット・クローネンバーグにインタビューする時にゴジラ好きの息子へのお土産に私のビデオを「ゴジラの逆襲」と2本持っていったのを思い出した。松村光生氏ももう亡くなった。「デッドゾーン」をファンタでやった時の話です。
「ゴジラのビデオ持ってない?明日クローネンバーグにインタビューするんだけど息子がゴジラ好きらしいのでお土産に持っていきたいんだけど」「ゴジラとゴジラの逆襲、2本あるけど」
「頂戴!」「じゃあクローネンバーグのサイン貰って来て」
ファンタスティック映画祭のパンフのクローネンバーグのページにサインして貰ったけど、昨年の引越でそのパンフは行方不明だ。
ブランドンは私のVHSテープを見たのかな?つまらない話ですいません。返信不要です。

