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War Bride 91歳の戦争花嫁のレビュー・感想・評価
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テレビ局の取材力の高さを再認識
終戦後にアメリカ軍人と結婚した女性たちは「戦争花嫁」と呼ばれた。なぜ彼女たちは「敵国」の軍人と結婚する決断をしたのか、この作品は存命の戦争花嫁を叔母に持つTBSジャーナリストが監督となって、その半生に迫る作品だ。
英語ができたので戦後に基地関係の仕事をしたら、日本では娼婦と呼ばれ差別され、アメリカに渡っても差別があったという。
この方の父上は非常に進歩的な考えの持ち主で、ご本人も探求心の旺盛な人だったようだ。結婚の背景には、軍人とか日本人とかアメリカ人とかではなくて、一人の人として誰かを愛する気持ちしかなかったのだと、この作品は語っている。それはごく当たり前のことかもしれないが、その当たり前が簡単には成立しない時代でもあっただろう。
身内が監督をしているということもあってか、カメラがよそよそしくない。親密な映像が撮れているのがいい。主人公の圭子さんと妹(監督の実母)が二人でアメリカのスーパーに行くシーンは大変に印象的。短いし、何でもない光景だけど、もしかしたら会える最後の機会となるかもしれないその時間を大切にしていることが伝わってくるシーンだった。
こういうまとまった尺のドキュメンタリー映像を観ると、テレビ局の取材力はやはり高いなと再認識させられる。
今見るべき作品
桂子さんの話し方が優しく心地よく、引き込まれます。
戦争は憎むけれど、国や人を憎まない。
当時としては先進的な考えを持った両親に育てられ、差別をしないことが身に付いている姿。現代の私たちも、というか、今だからこそ学ぶべきことが多いです。
今行われている戦争、私達は戦後にどういう態度で生きていくべきなのか。
負の連鎖を断ち切るために、どうしたら賢くなれるのか。
そんなことを深く考えさせられました。
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