パリタクシーのレビュー・感想・評価
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人生辛いことばかり、と誰が言ったか。
人生の終わりに向かってタクシーに乗った90代の女性は、寡黙な運転手にポツリポツリと話しかける。
苦しみや悲しみに満ちた人生を振り返りながら、蝶々夫人の様な甘い記憶だけが心の支えだった。しかし、その記憶も誰にも共有できない孤独なもの。
信号無視を繰り返すタクシーはやがて警察に捕まり、ご老人は運命に翻弄されるロードムービーの主人公となった。
人生辛いことばかりと誰が言ったか。マリア・シェルの「居酒屋」が脳裏をかすめる。シネコンを満員御礼にした今年前半のベスト映画となった。
曰くありげな高齢の婦人の半生を、自宅から終の住処となる老人介護施設...
曰くありげな高齢の婦人の半生を、自宅から終の住処となる老人介護施設へ向かうタクシーの中で、寄り道を交えながら振り返る映画
交通ルールが終わってるパリでタクシー運転手という、決して良いとは言えない労働環境の中で働く主人公の荒んだ心を、これまた壮絶な人生を歩んできた高齢婦人の半生を追体験することで、もう一度頑張ろうと再起させていく
フランス映画ぽい ロードムービー
他人の人生を 第三者視点で、 映画の予告編的に接せられる職業はないから、タクシー・運転手に纏わる映画は 面白いから、ほぼ全部観ます。
楽しい 語り合い時間が持てて、20万円超の支払いがあれば、夕食くらいは奢りますねぇ~
相手の過去を知れば、当然 情もわく
母親の職業と生活、主人公の人生の永くを費した期間を考えると、最期のプレゼントには映画をブチ壊す破壊力があり、フランス映画の味付ではなく、ハリウッド映画的結末に、僕は腰を抜かしました。椅子に座っていたけど。。。
ネタ的には良いが、まだ大学生の脚本家なので、解らないかもしれないが、
こう言う 初見どうしの 語り合い って 事実と真実が混じりあい、 自分の人生で悔いる事を、あえて 願望を込めた 希望と言嘘が混入するものだが、
それがないと、文芸ものにはならない。本作の脚本家は黒澤監督の「羅生門(芥川龍之介さん)」を3回観た方が良いでしょう。
それでも、ロードムービーの掟である 映画の最初と最期には 各自とふたりの関係性がちゃんと 変化していた。
撮影等は丁寧で、多々でてくる古今エピソードに混乱する事は、全くなく 大学生にしては、良いシナリオ構成でした。
眉毛の造作が上手いのか? 主人公老婆の今と過去の女優さんが 、よく似ていて、好感が持てました。邦画はもっと この点を見習って欲しい。
この映画が好きなら、フランス映画の様なハリウッド映画「グリーンノート」を観ると良い。
どんな人生も素敵に
この映画を見たのは1ヶ月くらい前。友人とランチをしていてこの映画の話題になった。あまり良くなかったと友人は言いたかったようだが、その点でいえばわかるし、、、。一方で、レビューを書いていなかった事に気づき、、、
マドレーヌの個人としての人生は総すれば辛い人生だったであろう。しかし、最後に素敵な人生だったと思えるほど、シャルルとの時間は離れがたくとても素敵な一時だったのだと。それはシャルルも同じで。出会った時はこんな時を共有できるとはお互い思うこのとない関係であった。
シャルルが切符をきられそうになるシーン。守ってばかりだった自分が守ってもらったあのシーン。シャルルの表情は重荷を下ろした様な何かリセットされた様な。
結末はもう一つ何かあってもと思ったが、二人の思いに浸るにはまあまあかなとエンドロールは二人の思いに浸りました。
いい話だったなあ
老女と中年男性のタクシー運転手の話。
パリの端から端までタクシーで行くという老女。「向こうの端だぜ?」と聞く運転手に「隣の家なら歩いて行くわよ」と切り返す老女。ここは、どんな感じのやりとりだったのだろう。パリの端から端までというと10kmくらいか。であれば、運転手にとっては手頃な距離だと思うが、やはり「わざわざ呼んだなら、もっと遠距離を頼むよ〜」という心からの憎まれ口と、それに対するカラッとした切り返しってところか。
そんなやりとり一つで、主人公ふたりのプロフィールというか、こんな感じの人ってのを俺たち観客に、瞬時に伝えてくる。このあたりは、脚本や監督の腕だよね。「あなたって苛立っていて憎まれ口きくけど荒っぽいわけじゃ無さそうな人ね」とか「お、口は悪いが、気持ちのよさそうな婆さんだな」なんて説明的なセリフをいかに入れずに、人物紹介していくか。俺にとってのいい映画の条件の一つは、そんな感じ。
そして、やはり楽しいロードムービー。タクシーだけに二人の会話と回想が中心となる。自分の過去を語り出す老女と、最初は運転手の儀礼として事務的に相槌を打つが、生来の人の良さからかだんだん真剣に聞くようになる運転手。ちょこちょこ寄る先々で、彼女の波乱の人生が語られ、回想される。苛立っているばかりだった運転手の顔に、本来の彼を示す笑顔が徐々に増えていく。そしてその合間で、ふと差し挟まれる他の人との関わり。本作では、トイレを借りるシーンと到着して入所するシーンくらいか。いずれのシーンも、二人の外側にあって二人にやや冷たく、二人の結びつきを強固にする役割。ロードムービーって、この「二人の繋がりの変化を時系列で観る」ってのが、醍醐味だよね〜。
ラストは、正直、「お、都合が良いな」と思うけれど、お話には都合の良いことも必要だと思うんだよね。俺の心の中で「そんな風にあってほしい」と思っていることは真実なのだから、そんな風にあったことを、素直に感動したい。
いい話でした。そして自分もパリを旅した気になれる綺麗な映画。拍手。
おまけ1
味がしたのは、クリスマスと正月に出るアイスだけ。壮烈。
おまけ2
一つの怒りで歳をとり、一つの笑顔で若返るのよ。知って得した。
おまけ3
あなたはすごくロマンチック、内に秘めてるだけ。見抜く力。
最高!!
心に染みるストーリー
カッコいい人生の送り方
マダムとタクシー運転手の掛け合いが温かい感動作。
ラストシーンにうっとり
なかなか
94歳で92歳を演じる役者に感服す
NHKで「地球タクシー」というドキュメンタリー番組があるくらいタクシーには人生の断片を切り取って見せ感動させる機能が備わっており、これを題材にした映画はほぼまず面白い。決めつけてはいけないけれどもドラマになるタクシードライバーは貧しく世を憂い、長距離乗る客にはまあ金はあるけれどもそれなりの事情を抱えていてましてや92歳でこれから老人ホームに向うマダムと46歳の崖っぷちダメ親父との道行は様々な物語を語り始めるに格好のシチュエーションである。最近では韓国映画の「タクシー運転手」や一番テイストが近いのは「グリーンブック」。最初そりの合わない二人が長旅の過程で少しずつ心を通わせ立場を超えて深く結ばれるのであるが今作では半日僅か30キロ程のドライブで老女の波乱に満ちた一生が総括される。あまりにもとってつけた日本昔話的ハッピーエンディングなのだがケン・ローチ「家族を想うとき」の悲惨な宅配ドライバー親父と比べれば100倍素晴らしくて明日からも頑張ろうかと思わせてくれるのだ。
タイトルなし
意外な展開じゃなくても泣けるってこと
人生の終わらせ方というものをたまに考えるようになった。年をとってきたということなんだろう。
家を引き払って施設に向かうおばあさんと、彼女を乗せることになったタクシー運転手の話。最初は会話もぎこちなかったのが、お互いのことを話しながら徐々に心の距離が縮まっていくという、ちょっとしたロードムービーの様式をとっている。予告編を見たときから、あんなトラブルあるんでしょとか、最後はこうなるんだろうなーとかイメージしていたが、そこから大きく外れることはなかった。意外だったのは、おばあさんの過去が思ったよりも壮絶だったことくらいか。
90分くらいだしあまり詰め込めないのもわかる。でも、おばあさんのお母さんのくだりとか、運転手の家族のくだりとか、運転手の抱えている問題とか、ふくらませる要素はたくさんあったはず。でも潔いくらいにコンパクトにまとめたんだな。
正直、後半は驚くような展開はない。こちらの想定通りと言ってもいい。でも、泣けてしまった。泣くか泣かないかは、意外性で決まるわけではないってことか。たぶん年をとってきたからこんな映画が心に刺さってしまうんだ。それなりに席が埋まった映画館は私よりも年上のお兄さんお姉さんで溢れていたが、後半鼻をすする音があちこちで聞こえた。そうですよね、刺さりますよねと共感した平日の午後だった。
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