「まあまあの出来というところ」沈黙の艦隊 黙思亭不語さんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあの出来というところ
原作は、かつて困難なミッションを遂行している時に繰り返し読み、大いに勇気づけられた。ストーリーは完全に頭に入っているつもりである。
海江田役の大沢たかおは、原作のイメージをよく出している。深町役の玉木宏は、映画を観るまではミスキャストだと思っていたが、熱演に免じて許す。
曽根崎防衛庁長官とたつなみの速水副長が女性になっているのは、大いに違和感がある。NHK「大奥」の悪影響じゃないの?
他に気に喰わなかった点が二つある。
一つは、海江田が日米共同で極秘裏に建造された最新鋭原子力潜水艦シーバットをやまとと命名し、船体に名前を刻むシーンが無かったこと。
もう一つは、原作では防衛大学校同期だった海江田と深町に階級差がつけられ、深町が海江田に対して敬語を使っていること。
原作は、核武装は無意味であることを訴えているが、この映画が今の時期に出て来た背景が気になる。自衛隊の全面的協力があったのも、チトきな臭い。考え過ぎかな。
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