「アレグロ・ヴィヴァーチェ」沈黙の艦隊 ストレンジラヴさんの映画レビュー(感想・評価)
アレグロ・ヴィヴァーチェ
「地球をひとつの国家にする」
これは第一楽章、つまりアレグロ・ヴィヴァーチェだ。
軍艦マニアだった父の影響でかわぐちかいじ先生の原作漫画を読んだのは確か小学校3年生の頃だったと思う。
講談社文庫で全16巻、1巻あたり平均400頁ほどだったと思う。
だからどこまで映像化するのか、そもそも映画として成立し得るのか疑問だった。
更に言えば、軍艦マニア界隈の格言として「潜水艦を見ればその国の国力が分かる」とされるくらい潜水艦というものはトップシークレット中のトップシークレットであり、製作は困難を極めたのが想像に難くない。
このような制限下で本当に頑張った…頑張ったよ。
もちろん原作のファンとしては「これは違うだろう」と言いたくなる箇所はある。だが制約を考えればやれる限りのことはやったという作りで、原作への配慮もなされていたと思う。
潜航と浮上のシーン、そして原子力潜水艦シーバットと米海軍第7艦隊との接触のシーンは大迫力だった。
今回はほんの第一楽章に過ぎない。恐らく第二楽章「アンダンテ・カンタービレ」に向けての準備は水面下で進んでいることだろう。
そして唸ってしまったのはエンドロールだ。B'zのプロデュースでAdoが歌う主題歌のタイトルが「DIGNITY」...ここからも原作をしっかり読み込んでいることが窺えて嬉しかった。
どのような意味か知っているかね?ロシア語でдостоинство、「人間の誇り・尊厳」といった意味だ。
それでは、アンダンテ・カンタービレに向けて…浮上ッ!メインタンクブロー!
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