劇場公開日 2023年9月29日

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「おもしろかったけど、このまま「沈黙」しないでよね!」沈黙の艦隊 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5おもしろかったけど、このまま「沈黙」しないでよね!

2023年10月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

原作未読ながら、予告からメチャメチャ期待していた本作。あいにく公開初日は都合が悪くて鑑賞できなかったのですが、レビューサイトではまさかの低評価!不安を感じつつもハードルを下げて、公開2日目に鑑賞してきました。

ストーリーは、海上自衛隊の潜水艦が沈没し、全乗員死亡が報道されるが、それは彼らを日米が極秘開発した原潜・シーバットに乗務させるための偽装工作であり、艦長となった海江田は、秘密裏に核ミサイルを搭載したまま米軍の指揮下を離れ、独立国「やまと」を宣言し、かつての同僚・深町が艦長を務める海自ディーゼル艦・たつなみ、米軍第7艦隊と対峙するというもの。

…とあらすじを書いてみたのですが、終わってみればこれがストーリーのすべて。いや、おもしろいんですよ!おもしろいからこそ、やまと建国の狙いや海江田の思惑が結局最後まではっきりしないのは、どうにも消化不良です。それ故、海江田指揮下の乗員の決意、深町との確執、日米両政府の判断、隠蔽に迫るマスコミ等、すべてが投げっぱなしになってます。おそらく、これが低評価の理由だと思われます。

とはいえ、映像はなかなか見応えがあります。潜水艦同士の派手な撃ち合いこそないですが、全面的な武力衝突ギリギリの緊迫感に手に汗握ります。潜水艦の戦い方には全く詳しくないので、最新鋭の電子装備で戦闘機のロックオンみたいに魚雷や対艦ミサイルを命中させるのかと思いきや、ソナーマンの耳にこれほど頼る戦い方だったとは思いもしませんでした。しかも、敵艦のスクリュー音、魚雷管の注水音、果ては艦内で流す音楽さえも捉えて、その位置を割り出す様子に興奮を覚えます。

また、潜航、浮上、旋回、加減速の卓越した操艦、敵の動きの予想、駆け引きによる心理戦、さらには海底地形を巧みに利用して敵を翻弄する戦術など、百戦錬磨の海江田の指揮官ぶりが圧巻です。ただ、海中での原潜アップシーンが多く、巧みな戦術が映像から伝わりにくい部分が少々あったのは残念です。もう少し引き絵でも見せてほしかったです。

というわけで、物語がやや貧弱で牽引力が弱いのが、返す返すももったいない本作。このまま「沈黙」したらシャレになりませんよ!ぜひとも続編でしっかりとストーリーを完結させてほしいです。なんなら3部作以上になっても最後まで追いかけますので、どうかお願いします。

主演は大沢たかおさんで、体の変貌が著しいですが、王騎同様の大胆不敵な指揮官ぶりが堂に入っています。深町役の玉木宏さんの熱演も物語を盛り上げます。他に、水川あさみさん、江口洋介さん、笹野高史さん、夏川結衣さん、酒向芳さん、中村倫也さん、ユースケ・サンタマリアさん、上戸彩らが脇を固めます。あと、なにげに前原洸さんの演技もお気に入りです。

おじゃる
CBさんのコメント
2023年10月6日

ですよね!沈黙したらダメ!始めた以上は、突っ走ってほしいです!!

CB
Mさんのコメント
2023年10月3日

これで続編なしはさすがにないでしょう。
いきなり題名がでて音楽が鳴り出した時にはビックリでした。
おもしろかったのですがあまりにも中途半端な終わり方でした。
大沢さんも玉木さんも存在感がありますね。

M