「アフターソル」夏の終わりに願うこと uzさんの映画レビュー(感想・評価)
アフターソル
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ひたすらホームビデオを見せられる、『アフターサン』の亜種のような印象。
父の病状を隠しながら接する親族と、それを受けて何かを感じていく主人公…
といったものを想像していたのだけれど、あまりそういった揺らぎのようなものは感じなかった。
子供たちは当然としても、大人たちもそれぞれ勝手なことをしていて若干苛立つ。
パーティの準備もするが、トナに想いを馳せるような様子はあまり見られない。
多少のピリピリ感はあるが、それが日常かもしれず、必死に取り繕ってる雰囲気でもない。
ソルに対しても「ナイーブな状況だから」という台詞はあるものの、気遣ってるようにも見えず。
そもそも一番複雑なハズの母親が大半で席を外している。
肝となるべき再会も、中途半端なタイミングと状況でヌルッと成され、その後のパーティもダラダラ長い。
トナの喜びや刹那さや遣る瀬無さなどが綯い交ぜになった表情は見事。
最後はケーキの蝋燭に照らされながら、いきなり真顔になったソルのアップで終劇。
無邪気な幼さから、急に大人びた表情を見せる主演の子は素晴らしい。
最終的には父の死期を悟り、覚悟をしたように見えたが、そこに到る流れがまったく見えない。
母を離れさせたのが孤独にさせるためだとしたら、もっとそこを映すべき。
親族、友人など誰が誰だか分からないキャストを大勢出すのでなく、主役を掘り下げてほしかった。
ってか、途中のDAIGOみたいなアルファベット略語は何?
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