パスト ライブス 再会のレビュー・感想・評価
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見終わった後、いろいろ考えさせられる。
会ってみたい気持ちはわからなくもない。
何もならないとわかってはいても、会って終わらせたかったのかも……
せつないね。
時間は戻らないし、
良くも悪くも、今の自分を認めて生きていってほしい。
映像が綺麗。音楽も好き。
俳優さんたちの繊細な演技が素晴らしい。
高評価!
女神の自由の裏側
過去は生きている。
撮り手が観客を信頼している。それが嬉しい。
ビバ!アーサー!
この物語、僕には刺さった
映画を観る前に眺めたレビューの評価は今一つでどうかなと思いながら映画館に足を運びました。で、僕には…見事に刺さりました。
僕もそれなりに長く生きているので、自分の体験やら昔感じた心の動きやらを思い出しながら映画を観ることが多いのですが、実際この映画では過去のいろいろなことが思い出されました。過去に関わりがあった女性に会ってみたい、また相手の気持ち(自分の気持ちも)を確かめてみたい衝動(実際に行動に移したかは別として)やら、妻の元彼(夫)や初恋の人の存在が気になったり(これはアーサーの心の動き)など。また関わりのあった女性と長い時を経て再会したときの感覚、感情の高まりとか。
優等生だったはずのヘソンのあの拙い英語(韓国の人って日本人より英語に強いんじゃないの?)はヘソンという男の今を表現している。野心ある強い女のノラからすれば物足りなさを感じたんじゃないかな。アーサーはノラを深く理解しようと韓国語を勉強しているのとは対照的。結局ヘソンは韓国という枠から出ることのない平凡な男。ニューヨークで自分の人生を切り拓こうとしているノラには合わない。
最後にヘソンがタクシーに乗り込み別れるシーンで12才の二人の階段での別れの場面がフラッシュバックする(映像)、強い女を演じていたノラが泣きながらアーサーの胸に飛び込む。二人の永遠の別れ(少なくとも結ばれることはない)を暗示していて胸が締め付けられた。
✡️最後のノラの涙をどう考えるのかはこの映画の理解の仕方に関わるんじゃないかな。
苦く切ない
グリーンカードのために結婚した女性と大人になりきれない男性の物語
微妙なバランスで成立した、良い作品
日本のプロデューサーが作ったら、つまらないモノになっていたと思う。
ビックリするようなストーリではなく、何なら話の先は読めてしまう。プロモーションのように、大傑作とも思わないし、感涙する様でもないけれど、登場人物それぞれの心情をずっと考えさせる、よき映画体験でした。
日本でこれを制作すると、キャストありきで進行する、いちいち途中で泣く、キーとなるセリフが繰り返されプロモーションでも使われる、マンハッタンの観光地を巡る、ここぞとばかりに劇版が流れるなどが予想されます。
衣装は取り上げるような特徴はないし、米国っぽい食事も出てこないし、ジャズもヒップホップもかからない。地下鉄やUberも全体像をみせない、モントークもただの原っぱしか出てこない、エンパイアステートビルやクライスラービルは遠景だし、ブルックリンブリッジの空撮はなし、自由の女神も横から移す。このため、キャストの表情に集中できる様になっている。
アーサーがユダヤ系というのも良かったのかも知れない。ボーはおそれているのフォアキン・フェニックスみたいにおたおたしている。(日本人が想像するステレオタイプの)WASPとかだと嫉妬して怒っちゃったりして、ぶち壊しになっちゃいそう。クリスマスも出てこないし。
タイトル通り、『縁』がテーマなわけですが、他の国の方がどのような感想なのか興味があります。輪廻ではないけど、『(500)日のサマー』やそれこそ『エターナルサンシャイン』だって『縁』の話しだし、ハリウッド作でも『クラウドアトラス』は輪廻の話しだし(韓国の話が出てくるけどね)。
鑑賞動機:抑制の効いた大人のラブストーリーって最近守備範囲に降ってこない気がする10割
トニー賞かな、と思ったらトニー賞だった。『エターナル・サンシャイン』はよい映画ですよ。
単純な二択で割り切れない心情の揺れ動きを、セリフを抑えることで逆に強く印象づけられたように思う。ただあまりにももどかしく感じられるところもあり、それをストーリーとして楽しめないと、焦ったく感じてしまうかもしれない。それでも終盤のロングカットは息を呑んで見入ってしまった。
グリーンカードは永住権のこと
悪くいえば恋に恋してる女々しい男の話だが
どこが
脚本が素晴らしかった
細部まで練られていて、象徴や観念の連続。
そこに景色も相まってとても美しかった。
オープニングから、あ、これは凄そう、
と思える感じがもうね、ベテランの手腕。
笑えるシーンも多いのですよ。
夫のアーサーが、まるで映画でアジアンカップルを邪魔する米国人だ
とか言ったり。
でも最後にはアーサーの懐がデカ過ぎて敬服しましたな。
ヘソンは、ノラにとっては「コリアン」というアイデンティティの
メタファーだったのかもしれないな、とも考えてしまった。
割と不思議な映画で、断片断片で自分の記憶を思い出したりしつつも
すごく集中してしまって、夢中になって見ていた。
脚本の妙が細部まで行き届いているからかな。
個人的には、ヘソンが切な過ぎてもう泣くに泣けない感じでしたよ。
あの24年ぶりの再会の日に待っている感じが本当に愛らしくて。
ノラにずるいなあと思いつつも、気持ちはわかるし。
バーで、ノラとヘソンに待たされるアーサーも切なかった。
待っている男はなんであんなに魅力的なんでしょうね。
運命はタイミング
『ワン・デイ 23年目のラブストーリー』と見比べることをお薦め
本作を観ていると、アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス主演の、『ワン・デイ 23年目のラブストーリー』を想い起こす。すれ違いの期間(本作は24年、ワン・デイは23年)もほぼ同じで、ソウルとニューヨーク、ロンドンとパリというふたりの距離感、互いにひかれあいながら、結婚はしないという点など共通点が多い。出会いが幼少時と学生時代の違いはあるが。
ただ、決定的な違いは、『ワン・デイ』は毎年7月15日に一緒に過ごすことを決めて、お互い友人と割り切っているが、本作は、何年も会わなかったわりには、お互い未練たらしさが露出する点だ。女性の方は既に結婚しているにもかかわらず。
私は『ワン・デイ』には号泣したが、本作にはからっきし涙がでなかった。それは、同じ友人以上恋人未満を描いていながら、『ワン・デイ』が、友人に止まることの葛藤を見事に描いたまさに大人の恋物語とは対照的に、本作は恋人未満の稚拙さ(特に男の方)ばかりが目立ち、押し寄せる切なさの度合いに決定的な差があるように思えた。言いかえれば、別れてほしくないふたり(ワン・デイ)とさっさと別れるべきふたり(本作)の違いかもしれない。
ラストシーンの違いも印象的だ。あまりにも衝撃的な『ワン・デイ』とよくあるパターンの本作。よくあるパターンはしょうがないにしても、そこにあと一歩余韻がほしかった。
感じ方はそれぞれで、本作に号泣するタイプの方もいるかと思うので、二作を見比べることをお薦めする。
恋の思い出の下に隠れているもの
前評判の高さの割に地味な作品、というのが最初の感想だった。
ただ、地味であるからこそ身近に感じる部分もあるわけで、キラキラキュンキュンした恋愛ものよりもリアルな共感を持った人も多かったのではないだろうか。
登場人物たちが抱く未練や嫉妬や困惑、そしてそれを表に出すまいとする大人としての振舞いは、ただ夢中になって突き進むことが許されている年頃の表情ではなかった。
メインの三人にはそれぞれのバックグラウンドや現在の立場があり、それが個々の感情に影響している人物造形も面白かった。
子供の頃も大人になっても、ヘソンを「男らしい」と表現するノラ。韓国にもアメリカにも独特のマッチョイズムがある。
アメリカのマッチョイズムからは離れた存在であるノラの夫・アーサーはこの評価に随分衝撃を受けているようだった。ノラがアメリカ式の男らしさや韓国式の男らしさを重視していないとわかっていても、自分の知らないノラを知っていることや同じ文化をルーツにしている点も含め、ヘソンの存在にアーサーは動揺しっぱなしだ。
ヘソンが言葉にはしないまでも自分に気持ちを寄せていること、彼が過去の思い出を美化し過ぎていることをわかった上で彼をはっきりと拒まないノラは、人によっては思わせぶりな女性に見えるかも知れない。
ノラの優しさとも優柔不断さとも八方美人ともとれる態度からは、ヘソンがノラを象徴とした過去ののびのびとした時代を振り切れないように、ノラもまた自分の居場所や所属がはっきりしていた頃の居心地の良さに後ろ髪を引かれている気持ちがうかがえた。
男性像に対してコンプレックスのあるアーサー、韓国の普通の暮らしを無難にこなしながらも自信のないヘソン、自立して居場所を獲得し続けているが時折不安定さに揺れるノラ、それぞれが築いてきた人生が恋の思い出の下に透けて見える、深みのある物語だった。
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