劇場公開日 2024年4月5日

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パスト ライブス 再会のレビュー・感想・評価

全175件中、21~40件目を表示

4.0女は、今を生きているけど、男は過去と未来に生きているんだね。

2025年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

とてもよかった。
品の良い映画で、女性監督、脚本らしい繊細な映画で、感情を抑えた描き方で、じわじわと効いてくる。
ラストが素晴らしい。あの主役の二人の気持ちを思うと心が痛くなってしまう。

女は、今を生きているけど、男は、過去と未来に生きているんだよね。
男はあの頃の彼女を恋したまま。で、そのまま付き合っていたら、どうなったかとそれからの未来を思い描いてしまう。

で、男は、やっぱり、彼女の今の気持ちを確かめずにはいられない。それで韓国からはるばるニューヨークへ彼女の気持ちを確かめに、それだけの目的でわざわざ。
状況は変わらないのにもしかして、と。
それでも来世に希望を持とうとする。男って女々しいね~。

撮影にもセンスが感じられるし、ゆったりとした引きの画の長回しが、気持ちの機微を想像させる撮り方がよかった。ラストがいいのです。

切なくて良い映画でした。

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mac-in

4.0感動というよりじんわり染み入る映画

2025年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

12歳の頃に想い合っていた2人が12年の時を経てSNS上で再会してまた離れ、さらに12年後の36歳で再会する。1人は結婚していて1人は独身で。

PAST LIVES=前世
イニョン=ご縁

感動とも揺さぶられるとも違うじーんと染み入る映画だった。ラストの余韻が残る。

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cherry3

3.0生きることの縁(えにし)

2025年2月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>(英語)
「私たち、あの頃は、まだ幼かった。」
「12年前に再び会えたときも、まだ子供だった。」
「今はもう子供じゃない。」

<映画のことば>(韓国語)
「あなたの記憶のナヨンは、もういないの」
「そうだね。」
「でも…。あの日の少女はいるわ。
いま目の前にいなくても、消えたわけじゃない。20年ほど前、あなたの元にあの子を置いてきたの。」
「そうだね。まだ12歳だったけど、僕はあの子を愛した。」
「私たちは、前世できっと何かあったのよ。だから今、私たちはここにいる。」

幼少の頃の淡い思慕と、長じてからの成熟した大人同士の恋愛観・結婚観―。
ヘソンとノラ(ナヨン)との埋めがたい歳月の隔たりは、とりも直さず、二人の関係性の隔たりを体現して余りがあったということでしょう。

作中でノラ(ナヨン)とヘソンとによって語られる「イニョン」は、日本語に訳すれば「摂理」とか「運命観」とか。あるいは「前世から続く縁(えにし)=人間関係」みたいな意味になるようですけれども。

少なくとも、本作のノラ(ナヨン)とヘソンとの関係性については、容易には測りがたいような、もっともっと深淵な意味が含まれていたように、評論子には思われます。
そこに、生きることの縁(えにし)を感じ取ったのも、評論子だけではなかったことと思います。

そして、自らの意思・選択によるものとはいえ、生活する国が変わり、すなわち生活環境や言語、習俗・習慣、価値観のパラダイムに大きな転換を余儀なくされる「移民」ということによっては、そういう「深淵さ」に、いっそうの深みが与えられ、ノラ(ナヨン)としての今の人格を大きく規定されていたことにも疑いがないかとも、評論子は思います。

本作は、評論子が入っている映画サークルの2024年中に札幌で公開された映画のベストテン集計結果を発表する催しの席上で、会員のお一人が「男の自分でも、キュンキュンしてしまう」「私的にはベストテンに入って欲しかった」と言っていたことに関心を惹かれて鑑賞することにしたものでしたでした。

その発言に違(たが)わない秀作で、もし事前に鑑賞できていれば、評論子のベストテン順位にも変わりがあったことは間違いのない、いわば「ダークホース」の一本だったことを、付言しておきたいと思います。

<映画のことば>(韓国語)
「僕たちの来世では今とは別の縁(えにし)があるのなら、どうなると思う?」
「分からないわ。」
「僕もだ。その時に会おう。」

(追記)
二人にとっての24年の歳月を経ての再々会、おそらくは、そしてそれが最後になったであろう再会の場所は、24年前に遊んだときと同じように、やはり石のモニュメント(後世に残る不朽の記念物)の前-。

それは、それは、二人の想いが、実は後世にまで残る不朽のもの(モニュメント的なもの)だったことの象徴でもあったように、評論子には思われました。

(追記)
いささかカンニング的で、面映(おもは)ゆいのですけれども。

本作のDVDに収録されている特典映像の「運命に導かれて」と題する関係者インタビューにおける本作のセリーヌ・ソン監督の発言によれば、同監督は、本作では「他人と暮らすことの意味を表現したかった。ノラとアーサーとの関係性は本作の核心だが、本作を観た人全員に、それぞれの感情を抱いてほしい。同時に人生や愛、そして物事の考え方について、新たに気づくことがあれば嬉しい。」と、コメントしていました。

ノラ(ナヨン)今の夫であるアーサーとの関係性や、そして、彼女の想いの中にはヘソンへの思慕…それを「愛(異性愛)」と言ってしまって良いのかどうかは、ひとまず措くとしても…が20余年の歳月を経ても、なお炎々と残っていたことなどに思いを致すと、セリーヌ・ソン監督のその意図は、本作では見事に開花しているとも、評論子は思いました。

例えばノラ(ナヨン)の中では「幼少の頃のヘソンに対する淡い思慕」と「長じてからのアーサーに対しての成熟した大人同士の恋愛観・結婚観」というものとは、決して両立し得ないものではないのだろうとも、評論子は思います。
(評論子が今の夫のアーサーの立場でもしあったとすれば、少なからず「ヤケる」ことは間違いがないでしょうけれども・恥)

<映画のことば>
結婚とはお互いのオムツを替え、同じお墓に入ること。トイレを共用する関係でもある。

(追記)
多くのレビュアーが正当に指摘しているとおり、本作ではアーサーが「いい旦那さん」過ぎるので、お話として成り立っているという部分もあったと思います。

本作の冒頭で、明け方近くなってからバーに現れたノラ(ナヨン)、ヘソン、アーサーの3人の関係を周囲の客があれこれ憶測するシーンがありましたけれども。

その場面での、アーサーの「どっしり」ぶりは、刮目すべきことだったのかも知れません。

別作品『あまろっく』では「どっしりと構えたお父さんぶり」がキーになっていましたけれども。
やはり、「どっしりと構えた男」というのは、こんなにもカッコいいものなのかも知れないと、評論子は思いました。

(追記)
お互いに幼かりし頃のヘソンとナヨンとの間の思慕は、大人の都合(片方の家族の外国への移住)によって脆(もろ)く引き裂かれても、お互いが子供同士であってみれば、抗(あらが)うことのできない、運命・宿命といったものだったことでしょう。

心の奥底にヘソンへの思慕を熱く秘めていたからこそ、ナヨンはヘソンには何も告げずに(告げることができずに)、彼の前から忽然と姿を消すという選択をしたのだと、評論子は思います。

24年の歳月を経て、夫をもつ身でヘソンと再会したノラ(ナヨン)の心中(心の奥底)は、往時と、そうは変わっていなかったのでしょう。

その意味では「結ばれなかった初恋は、いつの日にもいちばん美しい思い出」というレビュアー・ななやおさんのコメントは、もうそれだけで、本作のエッセンスのほとんどを言い尽くしてしまっているのかも知れません。

的確なレビューで、そのことを改めて思い知らせてもらったということについては、末尾ながらなおやなさんのハンドルネームを記して、お礼に代えたいと思います。

(追記)
「初恋を美しい思い出として、心の奥にしまっている男にとっては、全身で共感してしまい、もうヤバい」というレビュアー・bionさんのコメントには、評論子も往時を思い出して「全身で共感」してしまい、本当に「もうヤバい。」という状態です。

往時は中学生ということで、もう今を去ること半世紀も前のお話なのですけれども。

思い切って声をかけてみたものの、彼女の返事は「今はお互いに距離を置きましょう」みたいな返事だったと記憶しています(あまりのショックに、アタマが真っ白…よく覚えていません)。

それが、半世紀も経た令和の今になって「今は距離をとって」と書かれたポスターが公権力によって街中の至る所にベタベタ貼られているというのは、これは、実は、コロナに名を借りた評論子への嫌がらせなのではないかと、勘ぐってみたりもしています。

こういう思い出を引きずっている評論子には、たまらない一本でもありました。

末尾ですが、ハンドルネームを記して、bionさんへのお礼に代えたいと思います。

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talkie

4.5ラストの見送る場面の演出はとんでも無い💯

2025年2月11日
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タクシー乗り場に送って帰る時の沈黙の時の情報量の多さがとんでもないです!(あれを演出出来たという事の意味がわからないしどうやったらあのシーンが思いつくのか想像すら出来ないくらいの場面でお互いの頭の中で考えてる事を文字にするととんでも無い量になるのにあえて無言で歩くクライマックスって考えついた人が天才としかいいようが無いです🔥)
最後のシーンの話をしますがわざわざ会いに来た未練タラタラの男からすると最初は未練を断ち切る為に会って自分の心に決着を付ける為に来た訳ですが最後にアクション起こしたいけど相手は幸せな家庭もあるし略奪って発想も無いからあれくらいしか出来ないだろうし相手の家庭が上手くいってるから自分が入り込み余地なんて一切無いんですよね🥶
女のほうも昔の男友達で嫌いな訳は無いけど今旦那も居るし仲も良いから分かれるはずも無いし(旦那が好きで結婚してるから他の男が全員大嫌いって事無いし単純な話じゃ無いですから😨)どうしようも無いんですが最後に見送って旦那を見た瞬間に複雑な心境の心の決壊が崩れて号泣😭しちまったんですよね〜
更に今の旦那に関しては昔の男友達と会っていいよとか言うくらい心の広い人だけど内心は絶対面白く無いだろうし最後にタクシー乗り場まで一緒について行くのとアレだけど家で黙って待つのももどかしいし玄関の前でソワソワしながら待つのが心情的にベストな場所だろうし
あそこで泣く妻を慰めるくらいしか出来ないだろうしそれも旦那としてはベストな方法だったんだと思いますよ!あのラストのあれだけのシーンにこれくらいの情報が詰め込まれてるってとんでもないですよ😱
見終わった後にマジかよって唸らされる作品としては数年に一度レベルですよ🏆
あとオープニングシーンを回収する三人の飲み屋の場面の旦那の気持ち考えたらなんとも言えなくなるし🥹
あと恋愛系の作品としてはかなり画期的な部分があって悪人が居ないし 略奪愛にも 不倫にもならない話って逆に凄いと思うわ🧐
あとアメリカ人はハグするのが当たり前の文化で韓国とはアメリカほど男女が抱き合うのが当たり前の文化ではないのを考えると見えてくる部分がかなり違いますよ!
セリフで全てを説明してなくて本心が実は・・・って部分の演出が普通に神演出です(普段マイナスゴジラみたいな作品で思った事を100%セリフで全て説明してくれるやつに慣れてしまうと本心をこちらが考えるみたいな部分が衰えて画面で見た事とセリフで話をした事が全てとしか思わなくなって結局説明不足でこちらに答えをブン投げてくる作品は嫌いですとかって意見とか言うようになりますから)
一回長文の感想書いてたのに消えてしまってもう一回書くエネルギー無いからこれで辞めて起きます!
あと感想で共感出来ないから面白くないって意見が多数あるけど自分は全員に共感してないけどめちゃくちゃ凄い作品で映画の定番の手法では無い斬新な切り口と言葉と内心が違うって部分の演出の凄さを考えるとアカデミー賞ノミネートも納得で去年観た作品でも上位に入るくらい映画の手法としては凄い事やってるし、そこのポイント一切抜きで内容のみを観てる人だとつまらない作品なんでしょうね🤣

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お主ナトゥはご存じか2.1ver.

4.0三人の表情の翳りに感じ入る

2025年1月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

知的

せつない、せつない。
登場する三人皆せつない。
ノラは、
12歳の少女の自分を最後まで
仕舞っておくことに徹した。
アーサーは、
妻に対する不安な気持ちを抑えて
寛大な夫であろうとした。
ヘソンは暴走しなかった。
暴走するには年月が経ち過ぎていたから。
皆が心の中の動揺を抑えて
大人として振る舞う。
その心中がわかるからこそ、
三人の表情の翳りに
グッと感じ入るのでした。

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saitall

3.0イニョン

2025年1月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最後の涙は?
二人とも結ばれることを望んでいたのだろう。
今世では結ばれなかったけど、
来世ではもしかしたら。
人と人の縁って、奇妙で
複雑で、意地悪で、面白い。

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上みちる

4.5切ない気持ちを持ち続けるのが人生です

2025年1月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

長い期間会っていないから、気持ちだけがどんどん膨らんでしまうのでしょう。
が、やっぱり会ってもお互い好きだった。
でも、感情だけでは先に進めない大人の話し。
二人がタクシーを待つ間のもどかしさや、ノラを玄関先で待つアーサーの切なさに泣けてきます。

このままお互いが、12年前に会っていたら・・・もしかしたら・・・と少しの後悔を残したまま、日常に戻るのがいいのだと思います。

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YOTSUBA

4.0よくあるストーリーだけどなんか素敵だった。 リアルな感じがよかったのか。

2024年12月25日
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よくあるストーリーだけどなんか素敵だった。
リアルな感じがよかったのか。

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r.y

5.0すれ違いとめぐり逢いを繰り返す、3つの世代にわたる、大人のラブストーリー。

2024年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

冒頭。
誰かに見られながら関係性を噂されている風変わりな組み合わせの三人。
最後に、第四の壁を破るがごとく観客側を見るヒロイン。

子供時代での別れ。
いつもは戯れながらの帰り道なのに、この時は全く会話が無い。
そして真っ二つに別れた道で、少女は右へ階段を登っていく。少年は左の平地へ進んでいく。
分かりやすすぎるくらい分かりやすいメタファーで、更にクライマックスでの布石になってくる。

そして12年ぶりの再会。
決して若い年齢ではないが、そこまで老いてもいない。絶妙な大人のラブストーリー。

やろうと思えば、もっと激しく官能的なラブストーリーの、ドロドロな三角関係ものにも出来たところを、
真逆でこれほど爽やかな空気感で、ひたすらに抑えた抑えた映画にしているところが素晴らしい。

同じくやろうと思えばもっと長尺に出来たところを、本編106分という割とコンパクトにしているところもいい塩梅だ。

なんといってもノラとヘソンの、ただ互いに見つめ合うだけのシーンが本当に良い。
個人的には「ドライヴ」のライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンを思い出した(内容はまるで別物だが(笑))

タラレバの想いにがんじがらめに遭っているヘソンが、
「君は君だから旅立った。君が君だから僕は好きになった。そして君は去っていく人なんだ。」と、吹っ切れることで、やっと未来へと進めることができるヘソン。

別れることで、先に進む。

こんなに爽やかなラブストーリーがあったなんて。

これほど余韻たなびく映画はそうは無いのではなかろうか。

あえて深夜に、ゆったりと観たくなるような逸品である。

なお指摘している人もいるが、某有名監督の某アニメーション映画に近いところがある。

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ガッキー

3.0現実を直視

2024年10月17日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

初恋、運命のキーワード、大人の恋愛模様
甘かったです。胸きゅんなんてありません
女性の方が大人への階段を早く登り
男性は幼稚で初恋の思い出に浸ってる
先の人生を見据えて行動するか、止まるか
12歳の女の子はもういない…

現実を直視する結果になりました。

未練たらたらで来世出会ってたらと
持ち出していたけど…もう諦めよう
運命は、12歳の二人が学校の帰り道が
分かれてる時点で決まっていたのかなぁ

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シムウナ

3.0勝ち気な女

2024年10月6日
PCから投稿

相手を翻弄する女の人がいる。
じぶんは男だから、女の人は反発するかもしれないが、自由奔放でサクッと思い切ったことをする女の人がいる。
たんに男と女のちがい、ともいえるし、めずらしい現象でもないが、ナイーブな男は、そういう女に振り回されることがある。

映画はよかった。初監督となる新人だが日本の新人監督とは別物。しかるべき場所でしっかり映画を学んだ痕跡のある映画だった。事実あちこちで賞をとりアカデミー賞でもノミネートされている。(作品と脚本。)

が、ノラ役のGreta Leeには強気な女の気配が濃厚で、顔も性格の印象も伊達公子風で、是非はともかく苦手な女だった。

女心と秋の空というが「regretへ引き寄せられる気分」というのがあると思う。それは男にもある。なぜか本心にそぐわないことをしてぶち壊しにする。それは若気とも言えるが、名状しがたい気分でもある。

男女がいて、ふたりの理想があって、そこへ突き進んでいるときに、このままではいけない気分がこみあげてくることがある。とりわけ自律心が旺盛な人orストイックな人は、安楽モードに居るとき、むりやりハードモードへ軌道修正しようとする癖がある。

だから「わたしは立身したい、こんなんじゃだめだ、もう交流しないほうがいい」ということになる。映画でよく使われる活発な女の定番構文であり、この映画内にもほぼ同等の会話があった。

男には、離れたがっている女にすがりつきたくないというプライドと、すがっても拒まれてしまうのが怖いという臆病さがあって「きっと君が正しいと思う」と同意する。

そのとき学校帰りの三叉路がフラッシュバックして、そこからふたりの人生は別々になった。

やがて、月日を隔ててみると、まだノラはヘソンに想いがあって、とはいえ良人に不満はないが、とはいえじぶんの結果はなんだったのかと思って泣く。そうなることは解っていたし、自分が選んだ道だし、心は千々に乱れる。それが「regretへ引き寄せられる気分」。

人生には大なり小なり「regretへ引き寄せられる気分」によって本心とは別のことになっていることがある。誰にもあるであろう、後悔するのは解っているのに、やってしまったこと──がこの映画の哀感になっていてそれは大いに共感をおぼえた。

しかし映画の冒頭からしてテストの得点でノラがヘソンに負けたから泣くという、ノラの負けず嫌いをあらわす描写だった。概して負けず嫌いは一生ものの気質であり、よって映画の出来は確かだったがノラのキャラクターがじぶんの情けない過去や、気が強かったあの人、を思い出させるのが嫌だった。笑

imdb7.8、RottenTomatoes95%と93%。

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津次郎

時間は誰にでも平等に流れている筈なのに

2024年8月29日
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鑑賞方法:映画館

 12歳の時ソウルで淡い恋心を抱き合ったまま別れた二人が36歳になってニューヨークで再会するお話です。それだけを聴くと在り来たりのメロドラマの様ですが、誰もが心の何処かに抱いている「もしあの時、違った決断をしていたら」を静かに見つめる非常に上質な物語でした。

 女性のノラは既に心優しいアメリカ人男性と結婚しており、夫も妻が幼馴染と会う事に理解を示しています・・いや、もしかしたら理解を示す振りをしています。そうした微妙な緊張感が漲る三人の間には、特別劇的な事は起きないのですが、言葉のないまま交わされる表情や無言の間(ま)に溢れる様な思いが語られ尽くします。

 タイトル「パスト・ライブス」は「過去の人生」の事ではなく東洋的な「前世」の事で、本作中では「縁」を意味する「イニョン」という韓国語(朝鮮語)が度々登場します。しかし、この映画は「前世の縁」ではなく、僕には「時間」の物語である様に映りました。

 僕はしばしば感じます。時間は誰にでも平等に流れている筈なのに、自分の周りだけゆっくり、又は足早に、はたまた歪んで流れていると感じるのは何故なのでしょう。時間はいつも素知らぬ顔で僕の傍を歩き去り、気づいた時には遠い後ろ姿です。本作中の三人の心の中に流れる時間もそれぞれに熱くうねっています。その熱量は、マンハッタン計画の爆発より僕には強く感じられました。

 終盤、男女二人がタクシーを待つ間の静かな映像は、「何かしゃべるのか、何か起きるのか、何か行動を起こすのか」の観る者のドキドキを喚起する濃密な時間でした。これこそ、「作中の人物と同じ時間を体験する」という、映画の「時間芸術性」を遺憾なく発揮した瞬間です。

 わたくし、絶賛の一作であります。

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La Strada

2.0全く共感できず

2024年8月24日
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主人公の女性にも男性にも全く共感できずでした。
何を見させられてるんだろうという作品。
ラブストーリー大好きなんですけどね、、、。
冷静と情熱のあいだとか好きな人にはハマるかも!

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ぱん

3.0よくできている作品だが、内容から共感できない

2024年8月23日
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鑑賞方法:VOD

単純

Unext(配信)で視聴。
なるほど、アカデミー賞作品賞候補にあがっただけのことが
ある。恋愛、幼馴染みがテーマ。よくあるテーマで色々、
考えさせられた。
ただ、作品内容を観ているとあまり共感できない。まず、
幼馴染みがいない人や恋愛が苦手な人には辛い内容に思えた。

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ナベさん

1.5イニョン(縁)と言う言葉のトリック・・

2024年8月17日
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鑑賞方法:VOD

外国のインテリは東洋思想の言葉に思い以上の解釈しロマンテュシズムを増長しがちだが、この主人公の女性の無神経な対応は二人のインテリでしかも自己主張の乏しい、女性にとって都合がいいだけのやさしさを兼ね備えた優柔不断の二人の男を携えて単なるエゴサーチに明け暮れた鼻持ちならぬ、インテリ女性の自分探しに付き合わされただけの二時間。解釈によっては色々あろうが、3人で会う必要がどこにあろうか?夫を前に理解できぬ韓国語で延々と語り合う無神経さは少なくとも僕には全く理解できない。韓国男の屑さを差し引いたとしても、異国でのアイデンティティの確立がテーマであったとしても、人への気遣いが出来ないの出来ないアジア女性を描いてほしくはなかった。★1.5でも過大評価と言えるかもしれない。監督の韓国女性のインテリさ加減が鼻持ちならないと云う事も付け加えておきたい。

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mark108hello

3.0輪廻。。。

2024年8月16日
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ふーん。
その時に会おう。
綺麗な終わり方だな。
ブルックリン橋からの景色はどこで観ても綺麗。
終わりでも、始まりでも。

素朴な疑問。
韓国人ってなんであんなに移民するんだろう。

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emp

4.0意味を付けることに意味がある

2024年7月27日
iPhoneアプリから投稿

小学生時代に両想いだった男子と生き別れになった主人公が、20代半ばでSNSを通じて再会する。

さらに時を経て、互いにパートナーがいる状態で出会った時、納得できる運命の意味を見い出すお話。

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DEPO LABO

4.0よくできてると思った

2024年6月16日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

アジア人女性の移民としての背景と恋心を描いていて素敵だなと思った。というか恋ってこんなに苦しいものなのかと愕然とした(笑)。というか悲劇。でもまあ、たかが恋だから…

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TK_Film

3.5過去を想い続けるか、未来を想って今を生きるか。

2024年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

公開前から気になっていたが、私の街では大きな映画館で上映されなかったので、小さな映画館で観てきた。

終盤に静かな感動が湧き上がってくるのだろうか?という想いで観ていたが、湧き上がってこなかった。映像が綺麗だし、音楽がいい。いい作品だと思うのだが・・・帰り道に響かなかった理由を考えていた。

で、登場人物(特に男性)に共感出来なかったのが理由、ということで落ち着いた。
ヘソンのように初恋相手を36歳まで引きずって、現世がだめなら来世で・・・的思考には共感出来ない。ノラの夫のアーサーのような振る舞いは自分には無理。

一方、ノラのように異国へ移住し、国籍を変え、自分の人生を自分で切り開こうとする姿は格好いいとは思うが、自分は真似できない。だから感情移入はできない。
しかし。彼女は「未来を思って今を生きている」点で「過去を想い続けて生きてきた」ヘソンとは明らかに違う。

縁、前世、来世。あのときああしていれば・・・こうなっていたかもしれない・・・。誰しもが抱く思い。それをそっと心の中にしまって、一度しかない人生を、今を生きるか、しまえずに囚われ続けるか。恋愛感情は理屈で整理できるものではないけれど、叶わぬ恋に囚われる人生ではだめだよね、ヘソン。最後に未練がましい台詞があったけど、なんとか区切りをつけたような描き方だったのはよかった。理屈で整理できない部分を涙で表現してくれたノラもよかった。最後の描き方はとてもよかった。
そして、NYを巡りながら、お互いの心の底にある好意を言葉少なに目線と間で表現するシーンは美しかった。

響く人にはきっと大きく響く良作だと思います。

(2024年映画館鑑賞15作目)

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TS

5.0過去に惹かれていた人と久しぶりに連絡を取れたら、同じような行動をし...

2024年5月22日
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鑑賞方法:映画館

過去に惹かれていた人と久しぶりに連絡を取れたら、同じような行動をしてしまうと思う。
不倫をしたいという訳ではなく、その人に会って一緒に過去を懐かしみたいと考えると思う。
だけどノラはアーサーと現在・将来を共にしようと決め前を見てるのに対して、ヘソンは過去ばかりを見ているようだった。そこの違いが結末に繋がったのかなと。
ヘソンが前を見ていたら友人になれていたのではと思った。
大人になっても観かえしたい作品。

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あんバタさん
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