ザ・キラーのレビュー・感想・評価
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淡々と、でも見入ってしまう。
たった一回の失敗=死、なんて大変な職業なんだろ。
特に大きなイベントがある訳ではないし、終始暗いトーンで淡々と進んでいくのに
見入ってしまうのは巨匠ならではですかね。
それにしても、冒頭 あれだけルーチンしっかりしてるのに、
もう少しいいタイミングで撃てるだろう(笑)
隙がない。
ちょっとミスった殺し屋がキワキワで、どうリカバリーして行くかという映画です。巻き添え食った素敵ミストレスが悲しい。
毎回フィンチャーの映画は絵も話もがっつり作り込まれてて隙がないと思う。
i watchの心拍数が楽しい。
実際長距離だと身体の微妙な揺れでも標的地点でメートル単位のずれになる、風とか重力とか考慮するべき要素も色々あるし。何より的の動きの予想は大切だ。
破綻まじかのWeWorkの廃ビルも笑える。
仕事の時に毎回自分に言い聞かせるルールだが、現実がいつもそれを超えてくるのも楽しい。
フィンチャーやノーラン見たく、配信作品も劇場公開を条件にしてくれるのは嬉しいなぁ。
いかにも、デビッド・フィンチャーな、殺し屋の物語。 ありがちで、陳...
いかにも、デビッド・フィンチャーな、殺し屋の物語。
ありがちで、陳腐な題材ですが、監督がしっかりしてると、お話も、映像も安っぽくならず、楽しめるものです。
こういう、怪しいというか。サイコパスぽい役柄に、マイケル・ファスべンダーはホントお似合い。
この作品をどう観るか?
伝説的な殺し屋ある依頼の失敗をした事により、どんどん人生の歯車が狂っていく。
全てが完璧で、自分の哲学に全うする男。
ただ、なぜそこで失敗したのか?
準備も万端にしてあった。
その後のフォローも抜かりない。
これは、失敗は、誰にでも起こりうる。
これだけの準備を重ねて、
これだけの地位や名声を持った達人でも起こりうる。
そいうメタファーのメッセージの作品だと解釈しました。
前半の凡ミスから殺し屋に家族をめちゃくちゃにされてからの反撃は、完璧なのにと思ってしまった。笑
ひとつひとつ丁寧にやるだけ。
他には、ない。
ただ、目の前の仕事をひとつひとつこなす事。
作品のバイオレンスやアクションシーンは、見応えがあります。
無警戒過ぎたー
部屋の窓際で時を待つ、
外出時は全身白の服装で目立ち過ぎたり、
路上で携帯を踏みつけて壊したり、
およそプロらしからぬ無警戒な行動を積み重ねていく。
ということは!
ミスタービーンや、
ファスベンダー似の、
『レジデント・エイリアン』の、
ハリーのような、
コメディに転調していくのか、、。
そうではないようだ。
主人公曰く。
国も神も信用しない、
誰も信じるな、
だそうだ。
頭の中では、口数の多い殺し屋
何よりも《プライド》を傷つけられて、
自分の【実力】を見せつける殺し屋を描く。
上級顧客から依頼された暗殺に失敗した殺し屋
(マイケル・ファスベンダー)が、その結果として命の危険が及ぶ。
その相手を先回りして殺して行くストーリーです。
ファスベンダーは一匹狼の孤高の殺し屋。
過去に失敗は殆どなかった。
その自分がしくじった。
男にとって非常にプライドの傷付いた案件で、
そのプライドを取り戻すためにも、
また自分の身の安全のためにも、男は命懸けの戦いに挑む。
映画は殺し屋のモノローグをナレーションのようにして進みます。
殺し屋は哲学的な思考の持ち主。
第1章【暗殺】
《パリの高級アパルトマン》
ターゲットは年寄りの金持ち。
かなりの距離からスコープ付きライフルで照準を合わせる。
部屋には娼婦が呼ばれていて、引き金を弾いたその時、
女が動く・・・そして失敗。
第2章【隠れ家=ドミニカ共和国】
殺し屋が隠れ家に近付くとただならぬ様子。
鏡は割られ家が荒らされている。
男は病院へ向かう。
男の恋人が瀕死の重症で横たわる。
《命懸けで秘密を守った》
《クチを割らなかった》
恋人は告げる。
犯人を乗せたタクシーを見つけて、
殺し屋が男女2人組で、
女は金髪の綿棒のようなスタイル・・・と聞き出して、
罪もないタクシー・ドライバーを殺す。
第3章【ニューオリンズ】=元締めのホッジス弁護士。
この場面の殺しは熾烈で残酷。
ドミニカで恋人を酷い目に合わせた実行犯2名と、
パリの暗殺を依頼したクライアントの身元を知るため。
ホッジスの秘書の家に資料はあった。
またしても罪もない秘書が殺される。
《彼女の名言》
「身元不明の死体はイヤ・・・生命保険が家族に下りないから》
第4章【フロリダ】=実行犯1の男
この章は過激な殺しとアクションシーン。
第5章【ニューヨークの①】実行犯2=綿棒の女
綿棒の女を演じるのはティルダ・スウィントン。
高級バー&レストランで飲食中。
殺し屋のファスベンダーの殺意に気付いた
《綿棒の女の名言》
「こんなことなら毎食ハーゲンダッツを食べとくんだったわ」
第6章【ニューヨークの②】クライアント
いよいよ最終章
パリの殺人を依頼したクライアントはかなりのVIP
この映画最大のセキュリティ。
このクライアントの部屋にファスベンダーは侵入に成功。
顔を晒す危険を承知で会話する。
それは脅すため。
どんなに厳重なセキュリティでも
「俺は殺せるのだ!!」と見せつける為だった。
男の名言。
「金持ちを殺すと警察が騒ぐ」
モノローグの多い映画でした。
孤高の殺し屋のルーティンや、自分に暗示をかける数々の言葉。
スタイリッシュな映像と音楽。
ファスベンダーも渋くて良かったです。
「しょうもなっ」
鑑賞後感想
「しょうもなっ」
終始つまらなかった。完璧に仕事をこなしてる殺し屋気取りがてめえのしょうもない失敗でしょうもない復讐心に燃えてしょうもない計画でしょうもない復讐をしていくしょうもない映画。感情に流されるなだとか計画通りにだとかいちいちうるせえーんだよ。僕殺し屋としては最高峰の実力ですけど色々悩んでますってか?てめえのどこが殺し屋だよ。素人の俺から見てもありえねーことばっか。のくせ一丁前に能書だけは垂れやがる。人生達観しきった気になってるしょうもない高校生と一緒だよおめーわ(笑)
デヴィットフィンチャーも腕落ちたなあ
つぶやく俺
ぶつぶつモノローグを続ける殺し屋。俺は特別だぜ。完璧に決めそうなのに、え?失敗?!
カリブはいいなあ。光が違う。運転手のお兄さんはちょっとかわいそうだ。秘書の女性はえらい。恋人はあんな強いやつからよく逃げられたな。2人も来て??
つまらなくはないけど、ストーリー以外の意味はよくわからなかった。私には難しいな
シリアスにクールにリアルに淡々と描かれる殺し屋の復讐劇!「スマートキーコピー機はamazonで買える」なんて!
ミスを犯した冷酷な殺し屋は、今度は狙われる身となり、追手の殺し屋たちや雇用主との戦いを繰り広げる。11月10日(金)よりNetflix独占配信!
あの、「セブン」「ゲーム」「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー監督作がNETFLIXで製作、劇場公開!
さすが!シリアスにクールにリアルに淡々と描かれる殺し屋の復讐劇!
殺しの過程、準備から実行、その後の逃亡手口などが丹念に描かれていて素晴らしい。その行動範囲は世界各地に及ぶ。これまでの同様作品のような、ご都合主義や嘘っぽいところがほとんどない!(これだけストイックなまでに慎重で用意周到なのに、発砲の一瞬のタイミングが悪すぎるけど。)そして、終始持続する緊張感が素晴らしい。
それだけでなく、愛する妻との生活などの背景も手抜きはない。
主人公のモノローグ、関わる人々がわずかな時間で現れる個性や性格なども味わい深い。
それにしても、「スマートキーコピー機はamazonで買える」なんて!
思わず検索しました!
一歩間違えばシュールコメディだが、ギリギリのところでスリラーになっていた
2023.10.31 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年のアメリカ映画(113分、PG12)
原作はアレクシス・ノレントの『Le tueur(1998年)』
ある殺し屋のミッションとその顛末を描くスリラー映画
監督はデヴィッド・フィンチャー
脚本はアンドリュー・ケビン・ウォーカー
物語の舞台は、フランスのパリ
THE KILLER(以下「殺し屋」、演:マイケル・ファスベンダー)は、依頼人のホッジス弁護士(チャールズ・パーネル)からある殺人を請け負っていた
パリのホテルに現れるはずの標的(Endre Hules)を待つこと5日目、殺し屋は準備を淡々とこなし、脈拍計にて日々の緊張を計測していた
5日目の朝、「今日現れなければ中止だ」と言われた殺し屋だったが、その目論見通りに標的は現れた
彼は娼婦(モニーク・ガンダートン)を部屋に招き入れ、女はSMのコスプレをして、標的の前に立ち塞がった
殺し屋は冷静に状況を分析し、標的に狙いを定めて発砲するものの、娼婦が予測外の行動を起こしたために失敗してしまう
慌てて手荷物をまとめた殺し屋は、用意してあったカブにて逃走し、ホッジズに失敗を告げてパリを去った
殺し屋は隠れ家であるドミニカ共和国に向かうものの、そこは荒らされていて、恋人マグダラ(ソフィー・シャーロット)の姿はなかった
慌ててマグダラの兄マーカス(エミリアーノ・ペルニア)に連絡を入れ、彼女が運ばれた病室で再会を果たす殺し屋
殺し屋はミッション失敗の報復と考え、ホッジズを含めた関係者の抹殺を考え始めるのである
映画は、緻密な計算と準備をする殺し屋が「ものすごく些細なことで失敗する様子」を描き、そこから「冷静になれ」を自問自答する「普通の人間であること」を描いていく
マグダラ襲撃の「The Brute(サラ・ベイカー)」とそのお友達をやっつけたあとは、「The Expert(ティルダ・スウィントン)」まで始末していく
そんな中で無関係だったタクシーの配車係(アルツゥーロ・ドゥバージェ)と運転手レオ(ガブリエル・ポランコ)はとばっちりも良いところだった
このあたりのシークエンスは完璧主義者の動揺で起こり得ることとして描かれていて、徐々に冷静になっていく殺し屋はクライアントのクレイボーン(アーリス・ハワード)は殺さずに立ち去っていく
一連の危機が去ったことを確認して通常に戻るのだが、冷酷に見える殺し屋にも人間性があると描いていくのは斬新だったように思えた
いずれにせよ、Netflixの先行公開なのであまり観客がおらず、この内容なら配信でも良い気はする
集中して観る方が良いとは思うが、空いた時間の有効活用の方が意味は大きいだろう
先行公開も一週間ほどなので、興味のある人はチェックリストに入れておくでOKではないだろうか
プロフェッショナルっぽいけど中途半端
2023年劇場鑑賞261本目。
ネトフリ作品で当然パンフレットないのでマイナス0.5。
仕事をしくじってペナルティを受けたので仕返しする話。
まずしくじり方がひどい。そりゃそうなりますって。その後仕返しを受けたので倍返ししにいくのですが、プロなんだからそこは受け入れましょうよ。百歩譲って二度と危害を加えられないよう反撃するにしても、明らかに巻き込まれただけの人にも容赦ないので、プロは無関係の人は巻き込まないイメージからかけ離れた器の小さい人だなぁと思いました。後お前ぜんぶ燃えるゴミになんでも捨てるな!(笑)待つ時間やたら長いけど、トイレどうしてるんだろう。
ある殺し屋‼️
デヴィッド・フィンチャー監督が殺し屋が淡々と仕事をこなす様子をスタイリッシュに描いてくれた作品‼️名もなき殺し屋が仕事でミスしたことで同居の女性が襲われ、その襲撃に関わった人間たちを冷徹に仕留めていく‼️全体を6章に分け、その前後にプロローグとエピローグを配し、各章ごとに異なるターゲットを狙う殺し屋の姿が描かれています‼️主人公のマイケル・ファスベンダーがハマり役で好演‼️クールに無表情に仕事をこなす彼の姿は観る者を凍りつかせてくれますよね‼️そして殺し屋自身によるナレーションやモノローグによる物語の進行というのも斬新だし、抑えた色調の画面も作品の雰囲気作りに一役買っていると思います‼️そしてデヴィッド・フィンチャー監督にとっても「Mank」以来の作品ですので、「セブン」「ゾディアック」「ゴーンガール」に連なる、得意とする作風に戻ってきてくれて大変うれしいです‼️
メンボーの女
完璧主義の殺し屋(マイケル・ファスベンダー)が暗殺に失敗、雇い主から受けた報復への仕返しを殺し屋が実行していく、という非常に単純(シンプル)なストーリーだ。『ファイトクラブ』のようなオチを期待していた観客の皆さんは肩透かしを食らったように感じるだろうが、元々ストーリーテラーではない映像作家デヴィッド・フィンチャーの作風を知る者はほぼ納得の1本だ。
撮りたいシーンを撮るために何十回とテイクを重ねるフィンチャーは完璧主義の映画監督として知られているが、それゆえコスパが何よりも重視されているハリウッドで煙たがられているのも事実なのである。フィンチャーを崇める人々からすれば、拘りに拘った彼の撮ったスタイリッシュな映像を鑑賞することにこそ意義があったのだが、モノクロで撮った前作『Mank』(未見)あたりからどうもその作風にも変化が現れ始めているようなのである。
殺しを実行する前に「計画通りに動け。即興はやめろ。未来の動きを予測しろ。相手に感情移入はするな。報酬に見合った以上のことはするな....」と、自分(フィンチャー?)自身に呪文をかけるように自主ルールを心の中で繰り返す殺し屋だが、フィンチャー曰く、殺しを失敗して自らのゲシュタルトが崩壊していく様を本作で描いたそうなのである。私のようないい加減な輩が見ると、何て用意周到な殺しのプロなのだろうとつい感心してしまうのだが、不測の事態が起きて次々とルールを破っていくあたふたぶりが見所だという。
感情を全く表に出さないファスベンダーの鉄仮面ぶりが、内面の動揺をわかりにくくしているとフィンチャーが思ったのかどうかは分からないが、おそらくそれを補充する意味でザ・スミスの楽曲を(後付けで)劇伴に使ったのではないだろうか。孤独を愛しながら退屈するのが滅法苦手で、心の片隅では誰かと繋がりたいと願っている寂しがりや。映画館のJBLスピーカーから流れてきたブーストサウンドは、けっしてクリアではなく、むしろ音割れしてくぐもったような音に聴こえてきたのである。
ザ・スミスを劇伴に使った理由をフィンチャーはこう説明している。「“How Soon Is Now?”を使いたい自分がいて、特に不安を和らげるツールとして曲を使うというアイディアを気に入ったんだ.....瞑想の音楽として気に入ったんだよ。面白いと思ったんだ.....ザ・スミスほど皮肉とウィットが同居する音楽のライブラリーを抱えるアーティストはいないと思う。そして、この人物がどんな人なのか、あんまりよく分からないだろ。このミックステープを通して面白いと思ってもらって、彼への入り口となればと思う」
誰にも知られずにこっそり殺すことができたにも関わらず、わざわざ大衆の面前に姿を現して、屈折した自己顕示欲を誇示するがのごとく仕事を実行する殺し屋の姿には、その実力は万人に認められているものの、(完璧主義が災いして)配信専門の映画監督に落ち着きつつあるフィンチャーのどこか鬱屈した想いが反映されていたのではないだろうか。「殺ろう(大作を撮ろうと)と思えば、いつだって殺れる(撮れる)んだぜ」ってことを周囲(特にハリウッドメジャー)に知らしめておきたかったのではないだろうか。それは映画監督としての“自負”であり、ある意味“悟り”に近い想いだったのかもしれない。
When you say "it's gonna happen now"
When exactly do you mean?
See I've already waited too long
And all my hope is gone
You shut your mouth
How can you say I go about things the wrong way?
I am human and I need to be loved
Just like everybody else does
『How Soon Is Now? 』
The Smiths より
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