セールス・ガールの考現学のレビュー・感想・評価
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モンゴル版「プラダを着た悪魔」
原子力工学を学ぶ大学生のサロールは、怪我をしたクラスメイトから、彼女が働けない間の代理としてアダルトグッズ・ショップのアルバイトの話を持ち掛けられる。とくべつ仲の良い友だちではなかったが、高給なうえに簡単な仕事だと説かれ、一ヶ月だけ働くことに。そこは、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、街角のビルの半地下にある怪しげなショップ(公式サイトより一部抜粋)。
なんとなく生きている主人公のサロールと、享楽的に生きるアダルトショップオーナーのカティアとの交流を、「性」「生」「男女」「愛」「人生」などをテーマに、穏やかな時間の流れ、妙にすんなり溶け込むモンゴルロック、時折挟み込まれるシュールなコメディで描く。
外面も内面も着飾らない、いわゆるリケジョなサロールが、カティアとの関係やアダルトグッズ・ショップでの仕事を通じて徐々にきれいになっていく様は「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイを彷彿とさせる。そして、それと並行して、実は放埓に見えたカティアがサロールとの交歓で、囚われていた過去から緩やかに解放されていく様も美しい。
周りの大人たちから見聞きしたことを、サロールがひとりでホテルを借りて、見よう見まねでやってみたが結局うまくいかなった場面と、早い流れの川を前に、カティアが呟く「幸せとはそれだけでは存在できない」ということばが静かに符合する。自立した人間が、だれかと生きていくことで幸せを得るという、愛おしい矛盾が印象的。
モンゴルって都会なんだな、モンゴルの家ってドアチャイムがないんだな、てか、中国ではなくロシアの影響を色濃く受けているんだな、などなど、あまり馴染みのないモンゴルという国に思いを馳せられるのもおもしろい。サロールを演じた女優さんの名前はたぶん永遠に覚えられない(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガルさんというそうです)。
Frank
モンゴルからやってきた映画、中々に珍しいのでこれは足を運ばねばと。アダルトショップで臨時のバイトをしつつ、自分探しをする成長譚です。
正直地味なタイプの大学生であるサロールが、バナナで滑って怪我をした(んなベタなと思いきやしっかりコケるので面白かったです)同級生の代わりに、セックスショップで働くという感じでゆったりしたテンポで進んでいきます。
セックスショップの玩具を届けにいったり、店頭で対応したり、その売り上げをオーナーのカティアに届けたりする日々の中で、自分の生き方や家族を投影しつつ、玩具をバスの窓に貼り付けたりするコミカルな描写も交えているのでクスッと笑えました。
カティアは全体的に面倒な女性というイメージは拭えませんでしたが、過去に自分の子供を亡くしたり、旦那と金銭問題で別れたりと、それなりの事情を抱えての現在だったので、苦労したんだなとは思いました。発言にトゲがあったのであまり好きになれませんでしたが笑
音楽がとても爽やかなので、性描写(両親に見つかる気まずさも携えながら)が描かれ後でもスッキリした気分になれます。この作品のサントラが欲しい…。
少しわかりにくいところもありましたが、ほのぼのっとしつつ、自身の性への葛藤も追体験できる作品になっていたかなと思いました。
シーンが進むたびにどんどん綺麗になっていくサロールの変化がとても良かったですし、オシャレに着飾って街に繰り出していく、そんな風に前向きに進んでいくサロールに幸あれ!
鑑賞日 5/23
鑑賞時間 18:45〜20:55
座席 G-10
いろいろツボ。
その中で、いちばんのツボは、映画音楽をやられている、
Magnolianというシンガーソングライター(モンゴルでは人気だそうで...)が
劇中でカメラ目線で、こちらに向けて歌いかけてくるところ…
失礼ながら、そこまでイケメンに感じなく、
完全に笑かしにかかってんのか!?と思っちゃって…。
これ、日本の映画で日本のシンガーソングライターやられても、
100%ツボる 笑
そこはさておき、
モンゴル映画に良くある草原メインでははない、
都会での若者の日常?的な作品は初めて観ましたが、非常に面白かったです。
サロールがアダルトショップのオーナーのカティーヌと出会い、
年の離れた経験値の高い彼女から、いろんな影響を受け、
どんどん外見も内見とも成長していく姿は、とてもワクワクしました。
とくに、外見!ものすごーく可愛くなって、女子のあの年頃って、
眉毛の形ひとつ変えただけでガラッと変わるし、
何かを経験するごとに変わっていくものねーと、感動すら覚えました!
オーナーのちょいちょい挟み込む人生の教訓みたいなセリフも響きましたし、
彼女、少しポッチャリさんでも、オシャレでとても魅力的。
パンフレットに記載のあった
モンゴルの若者の自殺、男女の差別的なこと、性に対しての解放、
貧富の差などなど、いくつかのテーマを取り入れ、
面白さも真面目さも、音楽も上手くブレンドさせた良い作品でした。
監督の次が観てみたい。
観たい度○鑑賞後の満足度◎ 『さそり座の女』(美川憲一)と『狂気』(ピンク・フロイド ) in Mongolian
①珍しいモンゴル映画ということで興味津々で観に行ったけど、当たり前の事ながら、人間社会であるかぎりどこの国でも大体似たり寄ったりですわな。(モンゴルの家には呼び鈴は無いのか?とは思ったけれど)
②これまた当たり前の事ながら、人間が生きている限り(人間じゃなくてもそうだけど、映画の中のピムみたいに)、「セックス」とそれにまつわるアレコレはどこの国でもどの人種・民族でも同じなわけで、“大人のオモチャ”(世代的には“アダルトグッズ”なんてスカした呼び方より此方の方が親しみがあります)店を舞台にしたことが、世界の誰でも共感(?)して観ていられる映画になったと思う(モンゴル映画に馴染みがないのは、実はアジアで日本だけかもしれないけれど)。
③よく正体がわからない不思議なシニア(男女を問わず)とふれ合うことで若者が成長していくという話はよくあるし、サロールが最後に自分の好きな絵の道に進むかとは予定調和的だけれども、カティアという不思議な且つ魅力的なキャラクターをサブ主役にする事で愛すべき作品となっている。
④少し長いのが玉に瑕だけれども(もっと刈り込めると思う、時々出てくる歌手/バンドのシーンをカットするとか)、初めて観たモンゴル映画で(失礼ながら想像以上に)「映画」だったので点は嵩上げしてあげましょう。
⑤ウランバートルの街はそんなに珍しさを感じなかったけれど、果てしない草原のシーンには、やっぱりモンゴルだとウットリした。
⑥行ったことのない国(そしてこれからも行くことはないだろう国)でも、その国の空気、その国で生きる人たちの生活・考え方・どんなものを食べたり飲んだりしているか等を肌で感じることが出来る事も、色んな国の映画を観る楽しみの一つだ。
また、国や人種・民族が違っても人生の根底にあるもの・真実・真理への考察は万国共通・普遍的なものであることを教えてくれるこたも映画を観る幸せの一つだ。
セックスに全く興味のない女の子が無理矢理性に芽吹いて行くのが可愛い。しかし…
モンゴル映画と言ってもウランバートルなんだからセックス産業は御多分に漏れない繁盛のようだ。
そんな裏経済とも言える社会構造の一端に関わることになって、ハラハラさせられ通しだったが、
授業中にスケッチ?イラスト?ばかり描いている女の子が、
このバイトでセックスビジネスではなく、
絵画やデザイナーに進路を変えて見違えるぐらい綺麗ウキウキしてくるのは嬉しくなります。
やっぱり、金縛りの除霊が効果あるようですね。
丑三つ時過ぎが良いのかな?
^^
アダルトグッズショップで働くことになった女性の成長をユーモアたっぷりに描き、
第20回ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでグランプリに輝いたモンゴル映画。
モンゴルの首都ウランバートルで家族と暮らしながら大学で原子工学を学ぶ素朴なサロールは、
ひょんなことから怪しげなアダルトグッズショップでアルバイトすることに。
人生経験豊富な女性オーナーのカティアが営むその店には大人のオモチャが所せましと並んでおり、
毎日さまざまなタイプの客たちがやって来る。
サロールはカティアや客たちとの対応を通して、
日がな何となく過ごしている自分のことが、
何かに気づき奇行を始める。
オーディションで300人の中から選ばれたバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルが映画デビュー作にして主演。
^^
ピンク・フロイド
幸福とは言い難い半生を送り、それを取り戻そうと足掻いているようにも見えるカティアが、去り行く者のつとめをきちんと果たしているのがかっこいい。この、バトン(たすき?)を渡す感じが「パリ・タクシー」に似てるかも。
「自分がもはや与える事が出来なくなった喜びを他人が与えていることに嫉妬する」は言うまでもなく性的な事柄に限らない。肝に銘じておきたい。
何にしろ、がんばれサロール!
アダルトグッズにバイアグラに バナナにキノコにと男○のオンパレード...
アダルトグッズにバイアグラに
バナナにキノコにと男○のオンパレードですね
しかしそれはエネルギッシュのシンボルでもあるのです
お固くてボンヤリの主人公がハジケ過ぎだろ!とは思いましたが、モンゴルの草原の中でも目指せ肉食系!ってことですかね
モンゴル映画に 興味津々。
モンゴル語なのかわからんけど 言葉が ハングルに似た響がありました。
トイレのドアを 閉めずに用を足すのは 中国と同じ。
バイアグラが 使われていましたが アレは刺激が無いと
おったつものでわ あーりーまーせーん。(笑)
でもいいの 笑えたし。
純真な子が いろえろな知識と経験で性長する過程が
とても 良かったです。
最後の 天井にピュは 大笑いさせてもらいました。
笑ったのは ....それがしだけでしたが。
児ポではありませんよ!決して!
ひょんなことからポルノグッズショップでバイトすることになった垢抜けない女子学生。
この子がかなり童顔なため、ポスターなどの見た目が見ようによってはかなりヤバい感じになってますが、設定上も中の人も大学生ですからね!合法ですからね!!
モンゴルといえば大草原の遊牧民しか浮かばなかったのですが、都心や郊外は案外タイやベトナムあたりと変わらないんですね。当たり前といえば当たり前か。
そういうモンゴルの文化風俗の勉強にはなりましたが、ポルノショップ云々は尺のわりにはイマイチ活きてない気がしました。あんま店やオーナーのおかげでの成長って印象がないというか。
途中途中、ミュージカルみたいにモンゴル・ロックに乗せて話が展開する謎の演出あり。
音楽自体はいい感じのまったりさで心地よかったのですが、演出としてはイマイチ意味分かんなかったです。
音楽同様、全体のテンポもややゆっくり目なので、疲れ気味の時は眠くなってしまうかもしれません。ご覧の際はよく寝た日に。
面白かったです
ヒロインが秀逸。ワンシーンワンカットが素晴らしい。ストップモーションでよく観たい位。日本でリメイクするのも良いが、今の20代前半までの日本の女優で、ここまで根性の座った脱ぎっぷりを見せる人はいるだろうか。
ピンク・フロイド
エロ描写は、ありますが、
エロ映画では、ありません。
うーん…
色々と考えさせられるセリフが出てくるけど、
何を言いたいのか明確には分かりません。
やりたい事やれ!って事かな?
ピンク・フロイド『狂気』のレコードが出てくるけど、意味あるのかな?
クスッと笑いながら観れました。
いきなり、音楽のプロモーションビデオみたくなったり、変わった演出が使われてます。
オシャレな印象の映画です。
何を感じるかは、あなた次第です!(あの方風で)
成長映画
主人公が成長する映画だったね。
主人公の女の子がどんどん垢抜けてくの。
それで最後は原子工学専攻をやめて、絵画の道に進むのかな。
でも折角だから、原子工学も専攻しておいて、絵画もやるみたいな道でもいいのにと思ったよ。
どの世界も似ている
サロール役の女優さんの静かな演技が雄弁。日本人と似ている部分が多いと思われるモンゴル人の微妙な違いも興味深い。若者と年配者の交流は年配者の憧れから描かれる。この映画を観て若者初で年配者と若者達の交流が描かれる映画を観たいと感じた。
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