劇場公開日 2023年4月28日

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「モンゴル映画の新しい波」セールス・ガールの考現学 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0モンゴル映画の新しい波

2025年6月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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首都ウランバートルを舞台としたモンゴル映画で、草原も馬もゲルも出てこないモンゴル映画という売り文句に惹かれて観た。モンゴル映画を観たのは初めて。確かにモンゴルのステレオタイプなイメージを覆す新感覚というか、淡々とした中に何とも言えない味がある映画だった。80~90年代の中華圏(香港・中国・台湾)でニューウェーブと呼ばれた作品群や00年代韓流ブーム初期のアート系韓国映画を思わせ、なんだか懐かしい気持ちにもなった。

300人のオーディションを勝ち抜いたという主演のバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルが素晴らしい。素朴な垢抜けない女の子がどんどん可愛くなっていく様子を好演し、意外なナイスバディでヌードなど大胆なシーンも演じていて、おお、と意表を突かれつつちょっと喜んでしまった。オーナー役のエンフトール・オィドブジャムツはモンゴルでは有名な女優らしく、現在ドイツ在住で30年ぶりの映画出演だったそうだが、これまた名演でした。

ところどころ挟まれるドゥルグーン・バヤスガラン(モンゴル人はみんな長い名前だなぁ)という歌手が歌うMV風シーンも面白い表現で、またモンゴルっぽい音楽ではなくて印象に残る(まぁどんなのがモンゴルっぽいんだと言われると知らないんだけど)。思わぬ拾い物というかとてもいい映画でした。面白かった。

バラージ
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