「主人公が魅力的」セールス・ガールの考現学 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公が魅力的
自分にとって初めてのモンゴル映画はチンギスハンが馬に乗って草原を駆け回る時代劇ではなく、現代の都市部に住むリケジョの成長物語でしたw。
アダルトグッズショップのアルバイトやオーナーとの交流を通して、自分を解放し思う様に生きて行こうとする話。
本作はモンゴルの本当の意味での民主化への長い道のりのほんの一部分を垣間見れたような気にさせ、主人公役のバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルは体当たりの演技ではあるものの、現代モンゴルの等身大の女の子を大袈裟にすることなく誠実に演じている様に思え、ミュージックビデオのようなシーンを差し込む実験的な試みなど70年代日本のATG映画のような雰囲気を感じさせる。
主人公の女の子がスッピンで地味で野暮ったい服装の典型的なリケジョだったのが、髪を切りヘッドフォンを外しお化粧をし徐々にオシャレになり最後は赤いマフラーを纏って自信ありげに生き生きと街へ闊歩するシーンは明るい未来しか感じさせない。
バナナが道端に落っこちるオープニングでは「今どき!?」感で不安しかなかったが、終わってみると清々しさでいっぱいになる良い作品だった。
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