劇場公開日 2023年4月28日

  • 予告編を見る

「猫が被れない店を通して自分らしさを学んだ」セールス・ガールの考現学 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5猫が被れない店を通して自分らしさを学んだ

2023年4月3日
iPhoneアプリから投稿

漫画『情熱のアレ』(花津ハナヨ作)も主人公の可愛い女の子が親の経営するポルノショップを手伝いながら心身ともに変化していく話なので、そんな感じかなと思ってたら、ちょっと違った。
今を生きる若者と昔の時代を愛するマダムとの価値観の違いと、にもかかわらず同じ時間を楽しめる気の合う感覚が2人にはあったのだと思う。

人が入りにくい場所は、人間の本性みたいものがすごく露わになる気がするけど、主人公は顔色ひとつ変えずどんな客が来ても超冷静に対応するのも面白かった。
みんな場所に合わせて色んな猫飼い慣らして人前出る時はどれか被って生きてるけど、本能の前では被れる猫がいないのよね。

アフタートークをお聞きすると、この映画は社会主義国から民主主義国へと変化したモンゴルの社会的思想が色濃く反映した話だったようだ。
社会主義時代はロシア語が第二外国語だったため、エリート層はロシアに留学をすることも多く、つまりロシア語ができるということはある意味とても教養があるということを示唆しているらしい。
それを知ってこの映画をみるとまた違うものが見えてくるのも面白い。

クソ真面目地味女子がどんどん垢抜けてキレイになっていく様も見所の一つ。
「苦しみを知って幸せを知る、幸せだけというのはない」というカティアの言葉が心に残った。

モンゴルで使われている文字がどんなのかも知らないで観た映画だけど、どちらかというと中国なのかなと思っていた国への偏見が変わった。

icco
iccoさんのコメント
2023年6月4日

面白かったですね!
なんか大草原!馬!テント!みたいなイメージしかなかったモンゴルでしたが、全く違うイメージになりました。

icco
Mさんのコメント
2023年6月4日

私も考えてみたらモンゴルのことなんて全く知りませんでした。
楽しい映画でしたね。

M