「音楽映画か、自伝映画か。」GOLDFISH にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽映画か、自伝映画か。
どっちにしろここまで「パンクス」を題材にするなら
そこはやはり音楽映画でしょう。
となると、音楽シーンが一番キモなのに
演奏シーンはオマケ程度…。
そこがいちばんダメなところ。
かつて、体制(七三分け)に対する
反体制としてロックが台頭した。
だから当時のロッカーはみんな(ロングヘア―)。
しかしいつしかロックも市場経済にまみれ、
体制←→反体制とかそれさえも蹂躙するように
パンクが生まれた。”無政府主義者”として。
だからパンクの人は(スキンヘッドかモヒカン)。
って、当時なんかの雑誌で読んだ。
アナーキーのことはよく知らないが、
ロック(市場経済)に向かおうとする”イチ”と
無意識にパンクであり続ける”アニマル”の間で
魂だけが燻りつづける”ハル”の内面を
垣間見ようとする。
それこそがこの映画のテーマなのでは?
だとすると、陰謀論チックに散りばめられた
メタファーは邪魔でしかない。
そしてエンドクレジット。
”本物の”アナーキーがフル尺で演奏。
これはいらない!
そこで”本物”出しちゃったら、
「ここまでの約2時間は偽物でした」って
なっちゃうじゃない⁉
だから役者に演奏させなかったのか?
音楽映画は音楽が主役じゃなきゃね。
俳優陣のおじさんパンクスがみんな
カッコよかっただけに残念。
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