世界の終わりからのレビュー・感想・評価
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あなたの願いは何ですか? この世界を “愛したい“
『獣の奏者』『インセプション』をリスペクトしている。
つまり、少女終末旅行なんだよ。
あなたの願いは何ですか? この世界を “愛したい“
ものすごく、当たり前な台詞なんだけど『愛したい』って事は愛せないから『want to love』なんだよね。
追記 星を観ながら色々な会話をしていた。その時、ふと思った事。
『宇宙には知的生命体が存在するか』なんだけど、僕の中で結論が出た。
『いる』のだけど『絶滅』するかもしれない。って事。若しくは『知的生命体の定義が違うのかもしれない』って事。
実写セカイ系映画 a.k.a JKエヴァ
SFというよりセカイ系の実写映画だと感じた。
時代遅れのカセットテープ、80年代に流行ったスポンジのヘッドホン、「あなたは何を願うのですか?」等々、エヴァンゲリオンへのオマージュが随所に散りばめられている。またこのジャンルではシャーマニズム要素が新しいと感じた。
ただ終盤の正義論は謎だった。自ら反対勢力の音頭を取ったのにも関わらず「この世界は破壊を求めている」と。いやこの構図だとあなたが求めているだけでは?と。
日常との対比はもっとポテンシャルがあったはずで勿体ない。それに低予算だからか小道具やSFXのチープさは否めない。
作品としての尺の問題があるとは言え、そもそも世界が終わる2週間前に突然何とかしろというのは流石に無理があるのではないか。
あと所々あからさまに湯婆婆が出てきてクスっとなった。
セーラー服と、この世の終わり
伊東蒼がともかく良かった。ハマってます。
女子高生のハナ(伊藤蒼)は、政府の特務機関から、
2週間後に迫る「世界の終わり】を止められるのは君だけ、
だから協力して・・・と要請される。
SF映画。
ハナの夢見る時間・・・そこに別世界がある。
夢の中で、ある任務を行うこと。
(ハナが夢オチするとモノトーンで、
(武士たちの殺し合い。
(ユキという名の7歳位の謎の少女がいる。
特務機関からは、
祠に行き【手紙】を届けてと頼まれる。
(この手紙の役割は何だったんだっけ!!)
ハナは《世界の終わり》を、止めることが出来るのか?
なかなか雰囲気がありますし、
ハナ役の伊東蒼の幸薄い雰囲気が
世界の終わり感を盛り上げる。
夢オチ・・・その世界が殺伐としていて、武士は殺し合い。
タイムスリップした未来(過去?)もまた諍いと殺戮。
そしてハナは交通事故で両親を亡くし、最近祖母を病気で亡くした。
こんな世界に居たくない・・・
ハナを愛してくれる人は一人もいない・・・
アルバイトで精一杯で、夢のメーキャップ・アーチストも
学費の目処はたたない・・・
それでもハナは世界を救おうと必死に努力する・・・
この世に、ハナが頑張るその価値はあるのか?
ハナでなくても自問したくなります。
特務機関の男に毎熊克哉、
輪廻士(運命を書いた本で未来を操る)老婆に夏木マリ。
高校の物理の教師に岩井俊二監督、
221年後の世界の女ソラに徳永愛、
(冨永愛がレーザー銃を撃つ姿は特撮ヒーローみたい!)
又吉直樹はどこに出てたのか、まったくわからず、
官房長官に高橋克典、
北村一輝、市川由衣などキャストは豪華!!
なかなか終末感がリアルで、
引き込まれました。
しかし、オリジナリティは、どうだろう?
(たとえば運命の本、なら荒木飛呂彦の、
(ヘブンズ・ドアーなんかの独創性に遠く及ばないし、)
洋画の「クリエーター/創造者」にはスケール感で
負けるし、
もう一つ、強烈な世界観がほしかった。
【“例え明日世界が滅びるとしても、今日貴方はリンゴの木を植える。そしてこの世界を愛したい。”今作は紀里谷監督が様々なバッシングを受けながらも、世界に絶望しない決意を描いた終末からの再生の物語である。】
ー 今作は、邦画では珍しい、紀里谷和明監督自身が書き下ろしたオリジナル脚本による近未来SF映画である。ー
■交通事故で両親を亡くし、生きる希望を見いだせずにいる女子高生シモンハナ(伊東蒼)。
ある日、彼女の前に政府の特別機関を名乗る男エザキ(毎熊克哉)が現れ、ハナの見た夢を教えてほしいと頼まれる。
混乱するハナだったが、その夜奇妙な夢を見る。
そこは、モノクロームの世界で残忍な男(北村一輝)達が村人を殺戮する夢であった。
だが、一人の少女ユキはそんな彼らに勇敢に立ち向かっていたのである。
そして、目を覚ました現代では、ハナを悪辣なる手段で苛める同級生達や、SNSで罵詈雑言を垂れ流す愚かしき男達が蠢いていた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は、ディストピア風合を濃厚に漂わせつつ、物語は進む。
・そして徐々に、エザキが極秘裏に世界を救うために、ハナに接触して来た事が分かって来る。ハナは未来が見える血を引いた人間の娘であることも、後半に明かされる。
・ハナを守る女サエキ(朝比奈彩)に助けられながら、彼女は老婆(夏木マリ)に世界の行く末を告げられながらも、老婆の言葉を信じようとする。
・だが、現実世界の絶望と混沌と、自身の孤独に打ち負かされつつあったハナに勇気を与える少女ユキの存在など、独特の不思議な世界観に引き込まれる。
■エザキもサエキも、愚かしき首相を狙う官房長官(高橋克典)や、残忍な男達に斃されるが、ハナは必死に生きようとする。
が、世界の滅亡は近づいていて、彼女はカセットテープに吹き込んだ”願い”をカプセルに入れ、幼馴染のタケルが観ている中、地中に埋めるのである。
そして、時は流れ荒涼とした地球に降り立ったソラ(富永愛)は、そのカプセルを掘り出し、過去の時を変えるためにカプセル状の宇宙船に乗り込むのである。
<今作は、邦画では珍しい紀里谷和明監督自身が書き下ろしたオリジナル脚本による近未来SF映画である。
中盤まではディストピア感が溢れ、ハナも世界を救う事を諦めかけるが”過去の人間の想い”が詰まった本を老婆に提示されたりし、世界を救うためにある行動に出るのである。
今作は、一見、難解に思えるかも知れないが、良く観て居ればストーリー展開はシンプルで”この世界を愛したい”と言うハナの言葉に代表される紀里谷和明監督が発信するメッセージもキチンと伝わって来る作品である。>
なんというか
監督の最後のメッセージな所は凄く感じた。キャシャーンやゴエモンも見た。他の人が言っていたがクリストファーノーラン的な空気感も多々感じた。そして、クリストファーノーランの時もそうだったのだが、この監督は私とは何か合わないのかなと。いう結論。
世界の終わり・・・女子高生に託された想い
タイトルから、てっきりSF作品だと思って鑑賞したんだけど・・・
う~ん、何か難しい。
侍が戦ってると思ったら、中国っぽい衣装の女の子が出てきて???
警察の特殊機関みたいな人達が、女子高生のところへ来て、夢を話してくれ???
個人的なことで誠に申し訳ないのですが、主役の女の子に魅力を感じなくて・・・華が感じられないと言いましょうか。何でこんな普通の女の子が、ずっと出てるんだろう?もうちょっと可愛らしい女の子にすれば良いのに。と、そんなことが頭を過りながらずっと見てました。
不思議なもんです。見慣れちゃったのかな。
終盤にはこの娘で良かったと、目頭熱く、感動してました。ホンッと切なかったです。
終末を選択せざるを得ない現状。結局、人間が破滅を招く。
ただね、この後がどうなんだろう?
いきなりの展開、未来人に託された?
何か、力業で無理矢理のハッピーエンドに持ってかれた変な気分。
悲しいのか、切ないのか、これで良かったのか・・・悶々とした中途半端な気分の一本でした。
なんかもったいない
タイムトラベルものは矛盾が多く発生するのはしょうがないがそれを説明するような台詞が多く、先に結果がわかるよう未来が出てくる構成だったりすると途中で興ざめする。
予算がなかったんだろうけど、演技力のある脇役で固めて、もっと尺を短くして詰め込んだら...と思うともったいない。
少女が体感し望む先にあるもの
人が望む世界。
その世界の運命を握ることになる少女の想いの物語。
幻想的な表現やオカルト的な雰囲気を醸し出しつつ世紀末が訪れる世界を描く。
その世界で何を望むのか?力を持たぬ少女の眼を通し、その少女がその運命を握ってるとしたらどうしただろうか?
その問いを自問自答の様に描き、人間の持つ残酷な面を突きつける。人間の恐ろしさ弱さを多く描くことで、望むことの難しさを痛感させられ少女は選択するのだが、その逆も見せ(描き)苦悩する姿が欲しかった。
そしてその先に少女が何を選択するかを観て観たかった。
アニメで作った方が良かったかも
設定はそこそこ面白いとは思いますが、日本でこういった作品を実写で作るとチープな感じがしてしまいます。たとえば、夏木マリが演じるキャラや傍にいる得体の知れない小人達。それから、全人類の運命を託している少女にボディーガードがたったの1人など、とても稚拙に見えたり、リアルさに欠けるところがあり、せっかくの面白みが半減してしまいます。ですので、日本でこういった作品を映画にするなら、実写よりアニメで作った方が、より説得力のある作品になったのではと思います。
それから、これは気にし過ぎなのかも知れませんが、映画アジャストメントに出てくる全人類の運命が書かれた「運命の書」、マイノリティレポートに出てくる「3人の予知能力者と予知の結果出てくる色のついたボール」、千と千尋の神隠しの「湯婆婆」、オブビリオンのような世界観などなど、何処かで観たことあるような設定やキャラが多く、観賞中に気になってしまいました。
スタイリッシュなのにキモ部分の発想が古臭い
世界観が中二病みたい。
スタイリッシュだが、キモの部分の発想がなんか古臭い。
色々詰め込んであるがおかしな所が多い。2030年に行政があんな暴走するのか(しかもわかりやすく!)
また、ユキはなぜ、アジアの少数民族みたいな衣装なのか? マルチバースと言いたいのかもだが、他の人たちが日本の戦国時代みたいなのにそれ必要?
人の過去未来を記した書物が何なのか、ハナの血筋(の女性?)が代々担ってきた「輪廻師」とは、「無限」とは何か、分かる場面がないなど、枝葉のことは過剰なくらい言葉で語るのに肝心なところの説明がないのでフラストレーションが溜まる。
世界の終わりが「核戦争」というのは古臭い。
ハナの現宇宙で起きていることは、ユキの凄まじい恨みの思念から始まったのでしょうか。
ユキ、ハナ、ソラ、と、名前が自然のもので共通しているのは、「輪廻師」の役目を受け継いだ者ということだろうが、ハナ(とタケルの犠牲)に導かれた(輪廻師の役目?)ソラが、発端となるユキの悲劇を防いだので、歴史が変わったというマルチバースの話だったようです。
ラストは「無限」と「ユキ(多分)」に元気に手を振って見送られ、ハナはハードな宿命から開放された、運命を記した書物も「輪廻師」も夏木マリの湯婆婆も存在しない、違う宇宙で生きている、いうことだろうが、新鮮味がなく、やっぱり古臭い感じがする。映画のキモ、一番肝心なところなのに。
(でも、映画としては好き)。伊東蒼、熱演!
この映画が描いていたこととは?私的考察
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい)
この映画『世界の終わりから』は、やや抽象的ではと思われながら、映画が考え尽くされて作られていると感じ、感銘する場面もあり、非常に面白く見ました。
ところでこの作品は、以下の命題が映画の初めに示されているように感じました。
その命題とは、
<<子供の時に両親を事故で失い、育てられた祖母も亡くなってしまい、バイトに追われるがお金がなく進学をあきらめ、学校ではいじめに遭っている少女が、世界の終わりを救うことが出来るのか?>>
だと思われました。
そして、1観客としての私は、その命題に小さくない疑問を持って映画を観ることになります。
この映画の主人公の志門ハナ(伊東蒼さん)は、子供の時に事故で両親を失い、祖母に育てられますが、その祖母も亡くなった場面からこの映画は始まります。
ハナは、政府機関の江崎省吾(毎熊克哉さん)や佐伯玲子(朝比奈彩さん)から自分が見た夢を伝えるように言われます。
そして、ハナは江崎省吾と佐伯玲子に連れていかれた場所で、老婆(夏木マリさん)に会い、2週間後に「世界が終わ」り、ハナの夢によってその命運が変えられるかもしれないことを伝えられます。
ハナの夢には、日本の戦国時代の場面が出て来ます。
その夢の中で老婆(夏木マリさん2役)に手紙を託され、少女のユキ(増田光桜さん)などとその手紙を(夢の中で)祠(ほこら)に届けることになります。
その夢の中の手紙を祠(ほこら)に届ける過程で、ハナやユキは、戦国武将の無限(北村一輝さん)に出会います。
無限は残忍な殺戮を繰り返す存在として現れます。
ところで、ハナの夢は、(戦国時代と現代とで時代が違えど)現実世界と鏡のように描かれていることが次第に分かって来ます。
すると、夢の中の少女のユキは現実のハナと対応し、夢の中で殺戮を繰り返す無限は現実の是枝智史 官房長官(高橋克典さん)やハナにいじめを繰り返しているレイナ(前田悠雅さん)に対応すると伝わって来ます。
夢の中の無限は殺戮を繰り返しているので、観客からははっきりと【悪】との印象を受けます。
また現実でハナに対していじめを繰り返しているレイナも、観客からははっきりと【悪】との印象を受けます。
映画の前半では、これら無限やレイナのような【悪】が排除されれば<世界は救われる>との印象を受けるのです。
例えば子供の時にハナと同じようないじめを受けていた政府機関の佐伯玲子は、ハナにいじめを繰り返しているレイナを懲らしめて<世界を救う>ような振る舞いをします。
ただしかし、ここでハナのような<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>という、一番初めに示した命題が頭をもたげます。
そして、私的には、<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>の命題に対して、それは難しいのではないか?(NOである)との感想が湧き上がります。
なぜなら、殺戮を繰り返している無限やいじめを繰り返しているレイナが、相手の殺された本人や遺族やいじめにあっている人の内面を全く理解していないのと同じように、逆側の殺されてる人やいじめられているハナや政府機関の佐伯玲子の方も、相手の無限やレイナなどの内面を理解していないと思われるからです。
つまり、双方共に、相手の内面への無理解という点では同じなのです。
(※もちろん一方、ここでの指摘で、殺戮を繰り返す無限やいじめを繰り返すレイナの【悪】が許されたり消え去る訳ではありませんし、【悪】に従ったり【悪】を理解する義務もありません。
ここで触れているのはあくまで<世界を救えるか>という点での話です。)
しかし、この映画が優れているのは、この<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>という命題への、”それは相手内面への無理解から不可能ではないか?”という疑念に、きちんと答えているところにあると思われます。
ハナと少女のユキはハナの夢の中で、ついに老婆から受け取った手紙を祠(ほこら)に届けます。
そして、祠(ほこら)のとびらが開かれ、少女のユキはある能力を身に着けることになります。
その能力とは、ユキの両親を殺害した侍をどんどんと念じれば殺害できる能力でした。
ハナは驚き、ユキの殺害を止めようとしますが、次第にユキの侍を殺して行く姿が、ハナ自身の姿であることに気がつきます。
そしてハナは(ユキの侍への殺戮願望と同様に)自身を受け入れなかった世界が終わることを潜在的に望んでいたことに気がつくのです。
ここで、殺戮を繰り返していた無限やいじめを繰り返していたレイナと、侍を殺戮続けるユキや世界が終わることを望んでいたハナとが、裏表で一致します。
ただ、その方向性は実は真逆です。
無限やレイナは、世界の秩序を保つために殺戮やいじめを繰り返します。
一方で、ユキやハナは、世界の秩序から逃れるために殺戮を行い世界の終わりを望むのです。
しかし、双方共に世界を救えないことは明らかです。
そして、隕石が世界に降り注ぐ、ハナと幼馴染のタケル(若林時英さん)との美しい場面で世界は終わりを迎えるのです。
映画は、そこから別の一つの<世界を救う>回答を示します。
世界が終わりを迎えた後の未来の地球に、唯一生き残った未来人のソラ(冨永愛さん)がやって来ます。
ソラはAI(声:又吉直樹さん)と語りながら、ハナが世界が終わる直前に埋めたタイムカプセルに入ったカセットテープを発見します。
そのカセットテープを聴いたソラは、夢の中の戦国時代の少女ユキの両親が殺されないようタイムリープしてユキの両親を救います。
ハナは世界の終わる少し前に、交通事故で父と共に亡くなった母が吹き込んだカセットテープを家の部屋の中で発見します。
そのカセットテープの内容は、ハナが両親から愛されていたことが分かる肉声でした。
ソラによって戦国時代の少女ユキの両親は救われ、そしてその因果が変わったことで、ハナの両親の交通事故での死も回避されます。
映画は、一旦、(かつて両親が犠牲になってハナを救ったように)主人公・ハナが幼馴染のタケルと共に犠牲になることで、未来人のソラを介して戦国時代のユキの両親を救います。
そしてその結果、ハナの両親を救い、<世界を救う>ことになるのです。
映画の中で、無限やレイナは、世界の秩序を保つために殺戮やいじめを繰り返します。
一方で、ユキやハナは、世界の秩序から逃れるために殺戮を行い世界の終わりを望みます。
そしてその双方共に世界を救うことが出来ないのは明らかでした。
しかしこの映画『世界の終わりから』は、それとは別の回答、つまり(母などから)「愛されていた」という記憶が<世界を救う>ことを示して終わります。
秩序を守るにせよ、秩序から逃れるにせよ、極端化する前に双方共にブレーキを掛ける必要があります。
その双方の極端化しないブレーキの根源が「愛されていた」記憶であるとのこの作品の到達に、この映画を優れた内容にしている根本があると鑑賞後に感じました。
ただ、惜しむらくはあまりに抽象化された作品になっているとの感想があったのも事実です。
私が10代であれば生涯での大切な作品になった可能性もあり、実際そう感じている若い観客の存在も想像します。
しかし、現実の題材をもっと具体的に肉付けして、この映画と同様の中身が深層にある作品が出来れば、広く一般にも通じる映画への可能性があるとも思われています。
なので、紀里谷和明 監督は今作が引退作品だと宣言されているようですが、引退宣言は撤回され、ひとまずはお疲れ様でしたと思われながら、例えば具体的事件を題材にするなどの次回作を勝手ながら期待したいと思われています。
そして、今作が次回作を期待されるような質高い作品であったこともまた事実と思われました。
始まりを迎えて
現実の世界、夢の世界、過去/未来の世界と、3つのパートが入り混じって描かれる、終末までの物語。
主人公のハナ(伊東蒼)は、幼い頃に両親を事故で亡くし、それから祖母と2人で暮らしている。しかし、祖母が亡くなったことを機に生活が一変し、さらには不思議な夢に悩まされるようになる。数日後、政府に所属する謎の男たちが現れ、地球存続のために力を貸してほしいと頼まれる。最初は困惑するハナであったが、次第にその役目に生きる希望を見出し、謎の男たちに協力する。最終的には、その意志を未来に託し、過去を変えることで現在を救う。
各登場人物たちの言葉から、作品に込められたメッセージを感じ取ることができるだろうと思ったが、一度で理解することはできなかった。
千と千尋の皆殺し(しかも長い)
冒頭から超スタイリッシュ。中央アジアか?みたいな衣装の女の子が戦場を駆ける。モノクロの画面も異世界を強調してかっこいい。
しかし。
脚本がひどい。次から次へと説明せりふ。
確かに異世界(過去?)と現実世界を行き来する話なので、設定自体が特殊で説明が必要なのは分かるけど。どの台詞もなんかダサい。マンガみたい。
役者さんが好演してるのに、なんか気の毒。
設定は、この世のすべてを書いている本を管理するオババ(転生を続けている)と、その本を読み解くために必要な夢見のヒロイン(一族)。その本によると2週間後に世界が終わるのでそれを阻止しようとしている国の組織。見つかる天涯孤独なヒロイン。
それに
世の中の破壊を望む無限たち(不死)が絡む。無限は世界が滅ぶのが望ましいので、ヒロインたちの計画を邪魔しなければならないのだ。
なんで終わる二週間前まで、何もしてないのか。
ヒロインの一族が夢見の仕事をしていたとオババが言うのに。なんでもっと早く確保してないの?
高校卒業前の2月に、がっつり授業はしないでしょう。ましてや物理の宿題、でるか?出てもやらなさそうな生徒ばかりの学校なのに。宿題できてないと焦る描写が変。
ヒロインは孤独で人生詰んでるけど、親の愛情を受けた記憶はあるのに、なんでラスト近くで(私は愛されていた)とか言い出すのか。
なんで湯婆婆でてくるのか
世界は滅びたはずなのに、未来に人が生き残りそれも科学が発達してる様子なの、なんなん?
というわけで、脚本をもっと整理して隅々まできっちり積めてから撮影して欲しいと思いました。
ストーリーなしで環境映像としてなら、スゴいよ
伊東蒼を見に行く
清原果耶を始めとして若手俳優の青田買いをするNHK、本作の主人公を努めた伊東蒼も、映画で話題となったらすかさずおかえりモネにゲスト出演、またどうする家康でもその回の主役と言える登場を果たした。その伊東蒼の顔面しか写っていないポスターに惹かれて鑑賞。豪華な役者陣はキチンとした役作り、場面場面の演出も及第点、映像のルックも問題なく、反対に脚本のあまりの酷さを強調する結果となった。キリキリ、脚本は誰か他のプロに頼んでたらもっといい映画になったと思うぞ。まじで。
世界の終わり
伊東蒼ちゃんを堪能した✨満足💓
セーラー服と戦場ってなんだか絵になりますね
クズ役ばかりみている毎熊さんがカッコよい
教師役、岩井俊二監督出てきてちょっと笑った
人間の業をテーマにSFファンタジーで仕上げた映画
なかなか面白かった
セリフはちょっとだけナチュラルではなかったかなぁ
ユキは救われたハナも救われた
それで良いのか?と考えるけど
まぁ良しとしよう
結局、タケルは何者だったのか?
ソラ役の冨永愛カッコイイ
又吉どこに出てた?笑
人工知能の声役かな?
湯婆婆登場
志門ハナ役の伊東蒼が素晴らしいです👏
「さがす」「空白」でも良かったけど
本作でも抜群です。
あの頼りな気な八の字眉と
滔々と話す刹那と空気感や世界観が
作品のコンセプトにぴったりでした。
こんな少女に世界の終末を背負わせる残酷さ。
彼女の現実を思えば
世界の始まりから世界の終わり
歪む現代社会
こんな💩みたいな世界なら
いっその事崩壊してしまえばいい。
ほんとそれ😑
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湯婆婆実写版か?!と驚いたのは
わたしだけじゃないよね、夏木マリ🤣
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設定に置いてけぼりになりそうなハナと観客のため←
老婆語りすぎ感はあるけど、
その圧倒的な存在感と、ハナを包み込む温かみを感じる語り方が染み入る。
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ファンタジー作品であるものの、
リアリティを感じてしまうほどにハナの心理描写が素晴らしかったです。
これからますます伊東蒼に注目が集まりそうです✨
こんな世界なくなってしまえ
なんかストーリーが気になったし、「CASSHERN」もわりと好きだったから観てみることにした。
正直悪いところがかなり目につく映画だと思ったけど、世界観とビジュアルは非常に良いと思う。「CASSHERN」と同じような感想…。
悪いところというのは、主に脚本(セリフ)と演技。全体的にやたら素人くさい。大学生が作った映画みたい。
ステレオタイプないじめとか、簡単に暴徒化する一般人とか、一般人に躊躇なく拳銃つきつけたり発砲する政府の人とか、まるでマンガみたいなリアリティの無いシーンがたくさん。
政府の最重要人物のはずのハナの護衛が少なすぎるとか、未来が分かるはずなのにその対策が全然されてないとか(佐伯の死の回避とか)、腑に落ちないところが多すぎる。
終盤になるほど脚本が粗雑になっていく。主人公が不思議な力で政治家とか同級生とか殺したのに、殺人を犯してしまった主人公に何も葛藤が無いのも変だし、世間的にも事件になってなかったりとか。
こういう映画は理屈じゃないんだよ、って言われそうだけど、それはいいわけだと僕は思う。こういう不思議系の話だからこそ、ちゃんと辻褄あわせるべきところはしっかり辻褄合わせないと、理屈で理解できないところや意図的に混乱させたいシーンのねらいがぼやけると思う。
演技に関しては、北村一輝と夏木マリは良かったと思うけど、ほかの人がみんな棒読みに見えた。岩井監督だけは素人くささが逆にいい味出してた(なんで出てんの?って笑ってしまった)。キャストに又吉が入ってるのに気づいて驚いた。どこに出てた? まさか最後に出てたAI?
ストーリーは、「エブ・エブ」と同様、「セカイ系」のバリエーション。巻き込まれ系の内向的な主人公が世界救ってくれって頼まれるやつ。
この映画で一番「おっ」と思ったシーンは、無限が「現実と夢」、「善と悪」のあいまいさを長語りするシーン。このシーンから一気に面白くなりそうな雰囲気をかもしだしつつ、結局ここがピークだった。
こういう個人の心象風景をセカイを救う話に具象化したような話って、それぞれの登場人物が個人の心象の中の何を象徴しているのか、っていうのがすごく重要だと思う。
ユキ、タケル、老婆、江崎、佐伯、是枝、ラギ、シロ、無限、神社の神主、ソラ、それぞれが何かを象徴してるんだと思う。
ユキは、主人公の幼少時のトラウマ。子供の頃の自分。母親を亡くした記憶。もう一人の自分。
だから、この物語は主人公(ハナ)が自分自身を救う物語。
無限は、ユング心理学でいう「タナトス(死の本能)」のようなものか。
この映画のストーリーが変なのは、老婆の目的と無限の目的が途中で入れ替わったように思えるところ。
それぞれのキャラが何を象徴しているのかを明確にして、ストーリーを整理して再構築したらこの映画の真のテーマが見えてくるのかも知れない。
映画観終わって、最後に頭に残ったメッセージが「こんな世界なくなってしまえ」という魂の叫び。ハッピーエンドのようでいて、実はこの映画の問題提起って何も解決してなくないか。
佐伯や是枝との交流を通してハナが成長し、ユキ(トラウマ)を克服する、という感じだったらストーリーとしてはきれいだったけど…。
ハナはユキの救済に失敗して、世界は終わってしまった。でもハナはタイムカプセルを使ってソラに希望をたくして、ソラはタイムトラベルしてユキの両親を救うことにより、すべての歴史は書き換わり、はじめから何も起こらなかったことになった。
これでは結局この映画におけるハナは救われてない。好意的に解釈するなら、ハナは自分自身では自分を救うことはできなかったが、自分のそばにいた人(タケル)や、自分の望みをたくした人(ソラ)に救われた、というエンドということかな。
腑に落ちない
いろいろと腑に落ちない。
特に腑に落ちないのは、「なぜハナが選ばれたのか」の答えが「すべては血統なんだよ」だったとき。え、いやそうなの?そっち?それだとつまんなくない?「実は誰よりもハナ自身がこの世界を呪い、滅んでほしいと思ってるから」とかでなくて…?
過去作は観る気もしなかったから観てないけど、紀里谷監督が本作にはとても真摯に取り組んでるのは分かったし、とても真面目な方なんだと思うけど、だからこそ語らせすぎだし、説明つけ過ぎ。
紀里谷監督のこの世界に対する絶望は良く伝わってきたし、それは共感できるものだったけど…
タルコフスキーのノスタルジアやサクリファイスを挙げるまでもなく、ある個人の行動や祈りが世界を救う、的な話はいろいろとあったわけで、そうした先行作品からもっと学ぶべきだったのではないかと思う。
ハナが伊東蒼だったからここまでの作品に出来たのだと思う。キャスティングの勝利。
あと、やっぱり夏木マリさん湯婆婆過ぎ…ww
取り敢えずこの怪作をほぼ一人で支えている伊東蒼ちゃんに拍手!
①ただ『空白』『さがす』で注目していた伊東蒼ちゃんのアップのポスターにだけ惹かれて鑑賞。前もって中身は何も知らず。
②居酒屋でバイトしている姿が甲斐甲斐しい蒼ちゃん。「15、16、17と私の人生暗かった…どうすりゃいいのさ、このアタシ…♪」と藤圭子(本作の監督は藤圭子の娘の宇多田ヒカルの元旦那なんだね)の『夢は夜ひらく』そのままに、“金無し、家族無し、何も無しの私にこの先何が出来るの!”と嘆く女子高生の細い肩に、世界を救わせるという大役を乗っけるところまでは、よくある設定とは云えどういう風に救わせるのか、興味はあったのに、進むにつれ話はだんだん暴走していく。(最初から世界観はあって、その中で話が進んでいくので迷走ではないが…)
③大体1/3くらいでこの映画の世界観は分かってくるが、正直この歳になると“どうでもいいわ”レベルの世界観。もうちょい“な~るほど”と記憶に残るような捻りが欲しかった。
④揚げ足を取るところはいくらでもありますが…
A. 「どうしても私なんですか?」という蒼ちゃんの問い。こちらも「どうしてなんだろう?」と固唾をのんでも「いずれ分かる」と散々待たされた挙げ句、“そういう血筋だから”、という脱力するような答え。
B.
この残酷な世界は救うに値するのか?
文句なしに紀里谷監督の代表作になるSFファンタジーです。天涯孤独の17歳の少女が夢の中で見たことが世界の運命を変えると言う設定は、フツーならアニメ作品になりそうですが、あえてリアリティのある実写で撮っているのが挑戦的です。一見分かりにくそうな設定やストーリーをセリフだけで説明するのではなく、シャープで美しい映像と鮮やかな場面転換で、うまく映像世界に引き込む手腕は素晴らしいです。そして、差別、貧困、孤独など社会の負のスパイラルに加えて、世界を終末から救うミッションの重圧に主人公が、この世界は救うに値するのか、疑問を持つまでの心理描写は圧倒的です。結果として、世界が滅亡してしまうのも、当然の帰結と思えます。彼女の経験する過酷で理不尽な現実は、まさに現在世界中で発生している紛争や暴動の縮図であり、自分のことしか考えない非寛容な現状を痛烈に批判していると思います。役者では、終始苦しみ続ける、ある意味異様な役柄を演じ切った伊東蒼が断トツで、彼女なくして作品が成立しないくらいです。脇を支える夏木マリの芸達者ぶりや、出番が少ないけどインパクトのある冨永愛も良かったです。
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