「ある男(たち)」アンダーカレント uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ある男(たち)
来月には元アイドルと同居する井浦新が、真木よう子と同居する話。
穏やかで、下心を感じさせない佇まいがこういう設定で重宝されるのでしょうか。
正直、驚くような事件や秘密はない。
過去の事件も現在の少女連れ回しも詳細は明かされず、犯人が映ることすらない。
夫の失踪理由も、分かるような分からないような。
堀の正体は、かなえの過去が描かれた時点で察しがついてしまうし。
それでも、“本当の自分”と“相手を理解すること”についてはしっかり描かれていたと思う。
終盤のどじょうの件は、非常に示唆的で上手い。
自分はもともと“本当の自分”なんてあってないと思ってる。
例えば、相手への信頼や好意や忖度から自分の欲求を曲げることは、自分を捨てることだろうか。
それもあくまで、“自分”の選択ではないかな。
“噓”もまた真実。
真木よう子は台詞回しが少しわざとらしかったかな。
反面、病み上がりの縁側での足元の芝居と遊園地で振り回される姿が非常に可愛らしかった。
井浦新、リリー・フランキー、瑛太は安定だが、タバコ屋の爺さんも良かった。
江口さんの役名、字面まで『菅野よう子』って。笑
やや長尺ですが、主に山崎が適度に笑わせてくれるので飽きずに観られた。
個人的には、その後の関係性がどうなるかをもう少し匂わせて欲しかったです。
堀の件と旦那の件に関わりがなかったのも少し拍子抜けでした。
共感ありがとうございます。
ARATAさんまでがキャストかぶりに! いかに重宝されてるかの証明なのでしょうが、「高野豆腐店」で観た中村久美さんまで出て来るとは・・瑛太さんのかぶりも酷い。
コメントありがとうございます。
相手によって自分っていう存在はコロコロと変わりますから、本当の自分ってない(自分では分からない)ものかもしれないですね。
瑛太の表情には嘘が見えなかったので、かなえを愛していたのだとワタシも思います。