「人をわからないと『裏切り者の旅』をするはめに」アンダーカレント bionさんの映画レビュー(感想・評価)
人をわからないと『裏切り者の旅』をするはめに
今泉監督、相変わらず女優を輝かせるのが上手い。映っている真木よう子に何度、ドキドキしたことか。
それにダメ男の気持ちがよくわかってらっしゃる。自分で自分のダメなところがわかっていても、どうにもならない。
この前見た『アナログ』で気になった暗転切替なんだけど、『アンダーカレント』では気にならない。暗転前の余韻と暗転している秒数がちょうどいい感じになっている。これは、匠の技ですね。
「人をわかるとは?」このセリフには考えさせられた。振り返って自分が、妻のことをわかろうとしているかというと、その日の機嫌をうかがっているだけのような気がする。でも、本音を引き出したらとんでもない言葉が出てきそうで、怖くてできない。やっぱり、自分はダメ男の属性が強くて、逃げた旦那の気持ちがよく分かる。
『アナログ』に続いて、またもやリリー・フランキーのスパイスが強烈に効いていましたね。歌もうまくて、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『裏切り者の旅』が心にしみる。絶妙にストーリーと歌詞の内容がシンクロしていて、びっくりでございます。
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