「川の底流と共に渦巻く人間の感情に浸る作品」アンダーカレント 美紅さんの映画レビュー(感想・評価)
川の底流と共に渦巻く人間の感情に浸る作品
真木よう子演じるかなえが銭湯を昔からの
従業員のおばさんと2人で経営していた
ところから、日常のありふれた生活に見える
序章でした。
しかし、夫である永山瑛太演じる悟が失踪していたと言う事情を知って喪失感や寂しさを感じ始めて見ました。
線を描くようなコントラスト、人間の表層心理と深層心理、2つの感情があるように
思いました。
かなえが水に沈んでいくシーン。
同じ夢を見て、苦しくうなされるシーン。
小学生のときにあった心的外傷となった大事な人の死。
銭湯に突如として訪れた井浦新演じる堀は
かなえに亡くなった妹を重ねて見ていたと
感じました。
髪を束ねた赤い糸。
ガラスに映った2人の姿。
あやとりを手にしながら遊ぶ2人の女性たち。
乗りかかった船だと最後まで探偵の仕事を
やり遂げたリリー・フランキー演じる山崎。
抑えた演技のなか、静けさと激しい感情が
混在しているように見えたストーリーでした。
かなえの家から失踪していた悟は、偽りの人生を生きていたとかなえは既に知っていた
けれど、何故、失踪したかについては
悟自身も分からなくなっていたように
思いました。
初夏の季節から始まり、最後は晩秋の季節になっていました。
海辺の店で2人で話した後に、かなえが悟の首にマフラーを掛けるシーンは、かなえ自身、悟を恨んだりしてない気持ちが伝わってきました。
かなえもみんなも死にたいと思っても
孤独や哀しみを乗り越えて、生きていく
水面に射し込む光が、未来を表現していました。
堀はかなえを近くで支えながら人生を歩み出すのか?
2人に温かく寄り添う気持ちで観終わりました。
持ってきてくれるから仕方なく…あるあるですよねw
ちなみに個人的に私もウマ〜ッ!と言って喜ぶほどのものじゃないという感じで、あの堀のリアクションに納得ですww
美紅さん
コメントを頂き有難うございます。
『 心地いい嘘 』、善意でつく嘘もありますが、上手くやり過ごす為の嘘、少なからずありますよね。
キャストの皆さんの柔らかなオーラが、作品をより魅力的にしていたように思います。
グレシャムさん、色んな人がいる、確かに優しい問いかけ、生と死について考えさせられるストーリーでした。ラストが曖昧なのは、少年の君
中国の映画に通じるものがあるそうです。
解説記事にありました。
水の中に引きずり込まれる事を私は望んでいる・・ヒロインの告白を既に聴いているARATA、彼の傷を見せる日は来るんでしょうか? リリーさんと犬しか残るものが無かったんですが、色々と考え甲斐が有ります。
死にたいと思っても簡単には死ねないし、自分を偽ったままでも生きていけるし、でもあっけなく自殺してしまう人もいるし…
色んな人が色んな場所で、なんだかんだと生きている。自分は誰からも理解されてないと思ってても、誰かの言葉にハッとしてみたり。
この映画は、そういう解決できないモヤモヤを、そのまま受け入れればいいんじゃない?
という優しい問いかけでもありました。
今晩は
昼に失礼なコメントをしたことをお詫びいたします。
只、矢張りこのサイトでは映画に関するコメントを遣り取りさせて頂きたいと思います。では。返信は不要です。