「ほんとうの自分はどこにいるの?」アンダーカレント 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
ほんとうの自分はどこにいるの?
今泉力哉監督らしい静かな演出は本作もにじんでいて、寄りと引きのカットのバランスは好きです。対話も妙、セリフの味わいもあって、実生活にじんわり余韻を残しそうな感じの対話もありました。今回は一連の作品よりもさらに静かな演出で、落ち着いて入り込める展開は好みです。カットを切るタイミングももう少し聞きたいというところで暗転するときもあって、余韻を感じます。
真木よう子も演じる女性は勝気なようで繊細、トラウマを抱えた女性を自然に演じているし、井浦新の演じる男性もなぜここに来ているのか?という点も少しミステリー感あり。
夫がなぜ失踪したのか?というところもそれほど具体的な理由があるわけでもない。本当のことを話すことがいかに難しいか?夫婦という一番近いような存在でさえ、本当の自分をみせていないのではないか?いやそもそも本当の自分をみせながらでは人間関係は築くことは難しいのではないか?お互いいいところを見せあって生きていっている部分が多いのではないか?そんなことをいろいろと考えるきっかけになる映画です。
といっても、最後辺りのカットで、真木よう子演じる女性が有言実行で、思いっきり永山瑛太演じる男の頬をひっぱたくシーンがみたかったです。
永山瑛太演じる男性が、張り手を覚悟して身構えたので、準備は整ったのになって、思いましたよ。
張り手で痛みを味わい、ウソをつくことの痛みをほんのわずかでも実体の痛みとして感じてほしかったです。ま、これも優しさのひとつですね、本気だからこそ、最後に別れるときに張り手するっていう。。
失礼します
私は男だから同性というよしみで、あの台詞だけで充分ひっぱたかれた想いに駆られます(苦笑
だからこそ、マフラーの優しさに、サイコパスも溶解していくのではと期待しているのですが・・・
突傳の差し出がましいコメント、申し訳ございません
いや勘違いしますよね、私も引っ叩く代わりにマフラー首締めするのかと思ってたので拍子抜けしました。
あの優しさでもいいんですけど、真木よう子だけにやはり空手ばりの張り手食らわせて、永山瑛太みたくミステリー系の男を一瞬でも覚醒させてほしかったー
私も頬を引っ張たくシーンを見たかった。まぁ、失踪する前の夫を理解してあげなかった反省から優しくしたのかな。私はマフラーで首を締めるのかなと勘違いしました。