「大衆向けではない」大雪海のカイナ ほしのけんじゃ levis47501さんの映画レビュー(感想・評価)
大衆向けではない
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TVシリーズを見ていないと世界観や登場人物の心理背景は理解が難しいと思うので、事前に視聴は必須。全編通してジブリのオマージュが強いので、これらを模倣や盗用と捉える人には向かない作品。
結末まで観ればこの物語の世界は恒星間移動してきた地球人類がテラフォーミングしようと入植した惑星であることが分かります。
天幕と呼ばれる外殻はテラフォーミングが完了するまでの間太陽風や宇宙線から内部を保護する目的の構造物であり、雪海と呼ばれる惑星を覆う物質は水素と酸素の化合物である水ではなく、恐らく水よりも比重の低い環境改変のためのナノマシンの集合体のようなものであると推察されます。(だから雪海に落ちると人は沈む)
恐らく殆どの人がラストの展開でヴィランのビョウザンがやろうとしていたことと、主人公カップルがやったことは結局同じじゃん!と感じ困惑すると思います。長い年月を経て既にテラフォーミングは完了していて、あとはそれらを遂行していた人工的構造物をいかに撤去するかという話に過ぎなかったわけですから。ただしビョウザン側のやり方ではテラフォーミング施設のシステムロックは解除出来なかったでしょう。仮に建設者で大軌道樹を切っても天幕や雪海は存在し続け、水の供給だけが止まって人類全体が詰む未来が待っていた。主人公カップルの「地球化完了」宣言のみが、正しく天幕の除去と雪海ナノマシンの自己崩壊命令を実行できる鍵だった。これらの内容を読み解くための説明があまりにも少く不親切なので、万人向けではないと思います。弐瓶勉作品が好きで世界観を拡張したいという人向けのアニメ
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