「オリジナル越えではないが、王道の安心感。」オットーという男 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
オリジナル越えではないが、王道の安心感。
どうしてもオリジナルのスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』を観ているので比較してしまうのだが、いい意味で非常にハリウッド的なリメイクだと思う。舞台やカルチャーをアメリカに落とし込んだことで、エッジな部分は減ったかもしれないが、間口の広いエンターテインメントになっているは確かだし、なおかつオリジナルへのリスペクトも感じられる。厳密に作品同士を比較すると多少物足りないと感じるのだが、それもトム・ハンクスの持っている品の良さも手伝って、パッケージとしてうまくまとまっている。おもえばこういう規模の安心感のあるヒューマンドラマはハリウッドからすっかり減ってしまった。その意味でも適度なノスタルジーが宿っているように思った。
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