ブルドーザー少女のレビュー・感想・評価
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タイトル負け
原題が「ガール・オン・ア・ブルドーザー」。そういえば「ガール・オン・ザ・トレイン」ていう映画があったな。
とてもキャッチーで、タイトルだけで見たくなる。でも肝心の中身は凡庸。この出オチタイトルからしてクライマックスはブルドーザーで派手に暴れてくれるんだろうと誰もが期待する。そのクライマックスまで主人公は散々打ちのめされて、観客も主人公に感情移入しまくり、最後には大暴れして悪役を成敗する姿を見てカタルシスを味わう。そんな作品を期待したけど、期待外れ。ブルドーザーの暴れっぷりもおとなしいこと。
この監督には白都真理さんの「人魚伝説」でも見てカタルシスというものを勉強してもらいたいもんだな。
肝心のキャラクターにもあまり魅力が感じられない。左腕に刺青をした破天荒な主人公という設定だが、単に短気で後先考えずに手が出る頭の悪い子にしか見えない。あの刺青の意味も最後まで明かさなかったし。刺青の意味を劇中主人公に語らせることで主人公に感情移入をさせるのかと思ってたんだけど。
ストーリーも冗長で今一つ乗れない、悪役の会長も中途半端、被害者側のお父さんにもかなり落ち度があるし。
やっぱり最後は重機で悪党どもを踏み潰すような絵が見たかったなあ。一生刑務所だけど。
ある日突然緊急事態
キムへユン扮する19歳のクヘヨンは、コンビニでの乱闘事件で判決を受けた。
のっけから結構乱暴者の主人公だね。娘も娘なら父親も父親だ。家も売られてたし緊急オペで脳死らしいしね。ある日突然緊急事態に追い込まれた訳だ。姉ちゃんとして頑張らねば。
なるほど職業訓練でブルドーザーを運転したからブルドーザー少女か。 聞かなきゃ分からないし、回りからどんどん追い込まれるのは辛いね。果たして父親の無念を娘が晴らせるのか。
まぁ、趣旨的に実話というのがすごいですね。
今年288本目(合計938本目/今月(2023年8月度)27本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
映画館の説明にも「韓国で実際に起きた出来事をモチーフに、社会への怒りを真向から描き切った話題作。」とあるように、ある程度は変えてあるとしても趣旨として同趣旨の事件が起きていた、というのは驚きでしょうか。
もちろん、日本においても韓国においても法による適切な裁き(換言すれば、私人自力救済は原則認められない)のが妥当だとはいえ、映画ですのである程度誇張して描かれているんでしょうね…(このブルドーザーうんぬんの部分も本当だったりして?)。
まぁどちらにせよ、出てくる人みんな変なので(いきなり地区選か何かに立候補するあの人やら、競馬で負けて…といった方々)、ブルドーザーにのるかは別にしてもそりゃキレるよなぁ…というのは思ったところです。韓国の警察も一体何をやっていたんでしょうか…(監視カメラがない等と言っているあたり。この映画は2021年の作品です)。こんな感じなので、法の趣旨としては許されないもののブルドーザーによる反撃が始まってしまいます。まぁこりゃ「みんなやることが無茶苦茶なので仕方がないですね」になりますね。
※ 韓国にも競馬はありますが、すべていわゆるダート競走です(芝競走という概念はない/←地方競馬でよくみられるものが主流)。そういえば序盤にちらっと「野球くじ」もうつっていましたが、日本でいえば(サッカーの)totoか何かにあたるんでしょうか?
法律ワードこそどんどん飛んでくるため、法律系資格持ちとしてはそれを主軸に見なきゃいけないのですが、この映画の一つのポイントになる「お店の乗っ取り」について、民法186条(日本民法177条/不動産に関する物権の変動の対抗要件)や、不動産登記法、商業登記といった「登記」の話は出てこない(日韓で若干異なるが、主な点において異なるものではない)ので、ストーリー的に???と思いきや、「そりゃ同時履行の抗弁権」でしょ」と思えるようなシーンや、明確に法上アウトなのに何もしないシーンがあったり(スマホを故意に壊す行為。不法行為を構成します(日韓共通))、日本と韓国は民法体系が似ますのでので、これらの法律ワードならぬ「法律アクション」はどんどん出てきても「訴えてやるからな」は一切出てこない割に、最後の「ブルドーザー運転による逮捕だけ」は(さすがに警察がきて)やってくれるという、妙に変な映画だったりします。
この映画は法律ワードや法律アクションがどんどん転がっているところ、それをいちいち民事・刑事で問題にするとストーリーの趣旨が損なわれるのでほぼスルーされている模様です(上述のブルドーザーの勝手な運転除く)。
まぁそれもそれでバラバラ過ぎるなぁ、とは思ったものの(ただ、映画の趣旨的にそっちに寄せると、(韓国ではなく、日本の)法律系資格持ちではどうしようもない)、それらをカットしまくった結果、まさか「いくら怒っても他人の家をブルドーザーなるもので壊さないようにしましょう」という珍妙すぎることを伝えたい映画だというのも無理がありすぎるので、「やや」変な映画だな…というところです。
採点に関しては下記を考慮したものです。
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(減点0.3/「保証人なんだから」というところ)
・ いわゆる金銭貸借の(単純)保証人には検索の抗弁権ほかがありますので(日韓共通)、ここは「連帯保証人」というのが字幕上正しいです(ただ、この映画、上記のように法律ワードや法律アクションが多すぎる割に驚くほど裁判所ほか何も出てこないので、どうであろうが何の関係もない)。
(減点0.1/「標準約款に従って…」 ※ 「約款」には字幕上フリガナあり))
・ この映画、妙にざらついていて1970年代か80年代かのリバイバル上映か??と思うと、作成年は2021年のようです(エンディングロールにて)。23年時点で「日本で」見る場合、ここは「定型約款」が正しいです。
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タイトルが上手い
博打で借金だらけの父親。
めっちゃだらしないけど子供達だけは守っていた。
しかしその父親を堕としいれた奴がいた。
それを知った娘が立ち上がる!
…でもギッタギタの復讐劇ではなく
予想以上にヒューマンドラマでした。
ブルを武器に悪人を血みどろに…じゃないからね(^_^;)
ただまぉ、スッキリしないところも多々だけど
それも含めての評価なのかなー。
悪が悪ではない感情。
正が正ではない現実。
あ、タイトル上手いねー!
「少女!ブルドーザーに乗る!」という
物語に近いタイトルを
「ブルドーザー少女」にした。
巨大メカ&女の子っていう
ギャップ美を見事に表現したねー!
少女版"息もできない"
社会の片隅で、理不尽の連鎖の中で、無鉄砲ながらも必死に戦いながら、残された家族、自分を守ろうとする19歳の少女へヨンの物語。
片腕のドラゴンタトゥーは、いわばオーソドックスな誰もが欲する"幸福”との決別の証だろうか。よほど覚悟を決めたのだろう。
彼女の心の導火線に火がついてから徐々にそれが燃え伝わり、クライマックスに一気に爆発するまでテンションを積み上げていくその演出技法は秀逸。
息もできないくらいに追い込まれて戦う彼女の姿を応援する我々もまた傍観者だ。
「そういえば昔ブルドーザーに乗って暴れた少女がいたなぁ」といずれ回顧されるような世界線のお話である。
近年の韓国低予算映画の中で頭一つ抜けた存在感を放つ力作。
※そして重機モノに弱くて甘い私...
飲酒運転なのは間違いない
酔って盗難車で事故を起こした上に意識不明となった父親の、事故に纏わる疑惑を追うやさぐれ娘の話。
JKと揉めて障害で捕まり職業訓練を受けさせられることになった主人公。
あらすじ紹介には弟の面倒を見る優しい姉ちゃんみたいな書かれ方してたけど、タトゥー入れたら強くなった気な自己中DQNのクソ女じゃないっすか。
自分は人に問われてもフルシカトで相手にはモンク言うし、親父の野球くじにため息ついていたけれど、レジの金盗んでたのどなたでしたっけ?
そんな主人公に始まり登場人物みんなクソ人間にダメ人間ばかりで、確かに会長は騙した感じになってるけれど…という感じだし。
キャッチーなタイトルだけど内容は至ってシリアスで、コミカル要素は微塵もなし。
そんなつくりでこの主人公だと共感できるところが何もないし、最後のスマホに来た通知も、あれだけやったらまだマイナスですよね?もし会長がそこを追求しなかった体なら結局掌の上、とおかしな感じに。
コミカルな作品だったらギャップで感動もあったかも知れないけれど、残念ながら響かなかった。
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