「興味深いソ連時代」Firebird ファイアバード 鳥類さんの映画レビュー(感想・評価)
興味深いソ連時代
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18禁というから覚悟して観に行ったのに、私的には18禁でもなかった。
物語自体はこれまでにも何度も描かれてきたような感じである。
男同士で禁じられた恋に落ち、周囲に気取られて片方が保身に走って女性と結婚し、もう片方は若いだけに情熱的で割り切れずに苦悩しつつも、数年後ふたたび姿を現した妻子を持った男に惑わされて不倫の泥沼にはまり、破局を迎える——。
ただこれは同性愛が法律的に取り締まりされていた冷戦下のソ連時代の実話なのだ。しかも軍属。軍なんてただでさえ厳しい規律に縛られて窮屈なものだけど、それがソ連軍だなんてめったに見られるものではなく、冷戦時代の緊張感とか狂気のように厳しい軍隊内のあれやこれやが興味深かった。
ルイーザはセルゲイが好きだったんだと思う。でも少しも前に進まない関係に見切りをつけて、ロマーノに恋して結婚したのだろう。なんの罪もない彼女の悲嘆がつらい。
ロマーノは妻子を持ったことで同性愛疑惑が晴れたとでも勘違いしたんだろうな……。
ずるずると続いたロマーノとセルゲイの関係は思わぬ形で裁かれる。
KGBが暗躍していたようなソ連時代おそろしあ。
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