劇場公開日 2023年4月29日

「闇落ちがリアル☹️」私、オルガ・ヘプナロヴァー アキよりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5闇落ちがリアル☹️

2024年7月2日
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悲しい

1973年、22歳のオルガと言う女性チェコスロバキアの首都プラハにて群衆の中にトラックで突っ込み8人が死亡、12人が負傷と言う事故を起こす。
犯行前に新聞社に声明を出している『自分は社会から虐待を受けている、それに対する復讐だと』この事件に至るまでのストーリー。

モノクロの映像やあまり話さない主人公のオルガが異様な存在を漂わせる。
初めからトイレで吐くシーン、病院に行って多量に安定剤を服用し自殺願望が強い事が伺える。
家族は決して貧しくないが、両親共にオルガの事を何処か異物の様に接している様にも映る。

精神科?に入るも、同じ患者の少女たちにリンチに合う。
オルガは、他人から見て何故か不愉快な存在になっている。
毎日日記を付けて、自分と向き合っているが悲観的で自虐的で完全にナルシストだ。
また、世間全般が無意味で見下している様にも受け取ってしまう。見ている側も不愉快にさせる。

性的なコンプレックスがそうさせるのか?父親からのDVがあったと話しているがそれも本当なのか?オルガの妄想なんじゃないのか?
あえて、同性愛を好む事は社会から逸脱した存在だと証明しているだけとも受け取れる。

ただ親の愛を受け入れない、受け取らない事を選んだのか?
幼少期の事は描かれていないので、本当に何がきっかけ?だったのかと思わされる。

犯行後もオルガは反省している様子は無く、心神喪失では無いと。自分の犯行をキッカケに社会が変わらないとダメだと主張する。
自分を歴史に残る偉大な存在として残したかったのか?

闇堕ちする方を選ぶととことん堕ちていく、自分と言う存在が無くなっていく様子が,リアルすぎて心に残る作品でしたね。

オルガ役のミハリナ・オルシャニスカは小悪魔的なビジュアルで凄い演技でしたね。
彼女の演技を見るだけでも良しですね。

アキより