ジョン・ウィック コンセクエンスのレビュー・感想・評価
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「報い」の連鎖から抜け出す夜明けと、「友」の存在。
◯作品全体
「夜明け」の演出が印象的だった。
冒頭、砂漠地帯で首席連合へ復讐する報いの始まりは夜明けからだった。そしてサンクレール寺院でのラストも夜明け。それぞれには復讐劇の再会としての夜明けと、ジョンが抱える暗闇からの開放としての夜明けがある。今までの『ジョン・ウィックシリーズ』には緑や赤の色味や影の強さが画面を占めることが多かった。本作でも大阪コンチネンタルやベルリンのクラブでの戦いで使われていて、ジョンの周りにある策略や憎悪の連鎖の象徴のようだった。
複雑で、様々な感情を孕んだ色味や影、そういったものを一掃する、または予期させる夜明けの使い方がとても良かった。
ジョンを知らない人間からは「ババヤガ」、「キラー」として見られているが、家族のため立ち上がったジョンには、志を近くする友が集う。この友との繋がりをアクションで魅せていたのがすごく良かった。ケインとシマヅはそれぞれ娘を大切にしていることを知っているからケインは積極的に戦闘に参加しないし、参加したとしても致命傷を与えない。だからこそ重傷を負ったシマヅと対峙したケインのなんとも言えない悲しげな表情が刺さる。
Mr.ノーバディとジョンウィックとの友情はシリーズを追っているからこそグッとくる繋がりだった。チディから犬を救ったジョンを見てMr.ノーバディは驚いた表情をする。Mr.ノーバディもおそらく愛犬を「たかが犬」として横目で見られ続けたのだろう。ただ、ジョンにとってみれば犬は「たかが犬」ではないのだ。それは一作目を見ていれば直感で感じ取れるはずだ。
ジョンとケインの関係性も素晴らしかった。互いに対立が避けられないことを分かったうえでリスペクトを惜しまない。サンクレール寺院前の階段で共闘する二人は最高にかっこよかった。ケインからするとジョンを放っておけば不戦勝で勝利できるにも関わらず、ジョンに手を差し伸べ、二人の決着へと導く。その姿に、本作では語られなかった二人の深い関係性が伝わってくる気がして、奥行きを感じるアクションだった。
ケインだけでなく、Mr.ノーバディも賞金ではなく恩義を選び、シマヅは訪れる災厄を承知で手を差し伸べる。ウィンストンやキングも最後までジョンの強さを信じ続ける。そうしたジョンを信じる友の存在が、最後に訪れる夜明けへと導いているようで、それがすごく心に響いた。
◯カメラワークとか
・ジョンの生死の境を印象付けるような明滅の演出があった。大阪を襲撃した後のグラモン侯爵のシーン、周りを騎馬が歩くところ。カメラとグラモン侯爵の間を騎馬が通って明滅するような画面になる。あとはポーカーのシーン。天井にあるシーリングファンがジョンたちに影を与える。こっちはシーリングファンによって首を刈るような構図になってるのもよかった。
・パリの廃屋のアクションは俯瞰でジョンをフォローし続けていてすごい面白かった。画面の上下左右から敵がでてくるからジョンが包囲されていることを強調するようなアイデア。よく見るとジョンが爆炎弾を当てた敵が別の角度で悲鳴を上げながら画面に出てきたりしてる。画面内の上下左右全てと画面外も使ったアクション。これだけ尺をとった俯瞰アクションって今まで見たことない気がする。
◯その他
・今作は相手役がどれも魅力的だった。端役もスモウレスラーのアクションとか大阪で初手にやられるアフロとか、ルスカ・ロマの挨拶しかしないヤバいやつとか。ベルリンのボス役・キーラの不適な笑い方、大きい図体と喘息のギャップも最高だった。なによりスコットアドキンスのキレキレなアクションが最高。ジョンを階下に蹴り落とした回し蹴りの高さと速さと綺麗さ。
シマヅ役の真田広之はもう少し派手なアクションあってもよかった気がするけど、あの渋さも良い。血を払って刀を鞘に収める動きとか、シンプルながらかっこいい。
・このシリーズのアクションはほんとに随一だと思う。確かに結果的にジョンが無双してるわけだけど、一人倒すのに劣勢から体制を立て直して相手を崩し、トドメを刺すという戦闘の戦術がキチンと描写されてる。モブ敵であってもガタイが良ければ真正面の戦いで苦戦するし、素早い動きのナイフ遣いも体制を崩しながら避けつつ体術でナイフを落としていく。これだけアクションに誠実な作品もそうないと思う。
・ジョンのアクションアイデアは本当に泥臭い。今作も弾切れした銃を解体して鋭利な箇所で敵を刺したり、ガタイのいい敵に対してヌンチャクを扇風機みたいにして攻撃したり、ゴルフクラブみたいに振り抜いたり。鉛筆一本で敵を倒すジョンウィックはチャプター4になってもスタンスが変わらなくて、とてもいい。でも防弾スーツが便利すぎるのはちょっとどうかと思う…。
・なんだかんだ言ってもケインのキャラクターとドニーイェンのアクションが良すぎた。あまりにも良すぎた。ぐるぐるパンチとかアクションに癖があるのがすごくかっこいい。仕込み刀の使い方とかチャイムを使ったアクションもとにかくアイデアが詰まってる。ドニーイェンはブルースリーをイメージしたというし、監督のチャドエスタルキは座頭市を意識したと言ってるけど、どっちも模倣ではなくてそれぞれの要素を組み合わせて新しいものになっているのが素晴らしい。ラストは自身も「報い」を受けてしまうことを予感させる悲劇的な終わり方だけど、そこに負を背負って対峙するキャラクターの美学が詰まってる。
シリーズMAXの質と量で魅せる復讐譚の帰結
怒涛のアクションと独特の世界観で毎回観客を圧倒するジョン・ウィックシリーズ、回を重ねるごとに上映時間が伸びて今回は2時間49分の大作になった。もちろん、頭から尻尾まであんこ、いや濃密なアクションが詰まっている。
正直、前回までの細かい設定を忘れかけていたので、公式サイトの動画とYouTubeのまとめ動画で(本編じゃなくてすみません)記憶を呼び起こして臨んだ。すると、映画館でも本編開始前に森川智之ナレーションのまとめ動画(公式サイトと同じもの)が流れる親切仕様だったのでちょっとびっくり。
いやはや、キアヌのアクションの相変わらずのキレの良さには驚嘆した。スーツが似合うあのスマートな体でバリエーション豊富な秒速アクションをこなす姿からあふれるババヤガのオーラ。そりゃ部分的にはスタントを使う場面もあるにしても、キアヌさん、今月で59歳よ? あんまり年をどうこう言うのは失礼だけれど、やはりすごい。相応の努力なしには、あの身体能力を絶対維持できない年齢だと思うので。
真田広之とドニー・イェンの殺陣からは、必殺の気迫が伝わってきた。スタエルスキ監督はインタビューで、ケインというキャラクターのモデルのひとつとして、座頭市が念頭にあったと明言している。確かにそんな感じ。
全盲でそこまでは無理やろ、というツッコミは、外連味が信条(これ大事)と言ってもいいこの映画に対しては無意味だ(でも、面白いからこそ戯れにツッコミたくなるというのもあるけれど。そういうツッコミしだしたら、このシリーズはきりがないので)。能力縛りがある中、テクニックと知恵で無双するからかっこいいのである。
よく考えたらこの二人もアラ還で、中高年男性のアクションが好きな私には美味しいキャスティングなのだが、見ている間にそんなことをのほほんと考える隙さえ与えない動きのキレだ。
ジョンを狙う賞金稼ぎのトラッカーは、他の人間に賞金を取られたくないからと結果的にちょいちょいジョンの援護をしたり、本作におけるわんこ係的立ち位置だったりしてどこか憎めない存在だった。彼との戦闘の最中に、犬に乱暴したチディをジョンは思わず撃つ。そしてトラッカーは、後でその借りを返す。この二人、場が違えば犬好きどうしで仲良くなれたのでは?
凱旋門の周囲での、走行する車の間隙を縫うアクションや、大阪のコンチネンタルホテルなどのロケはベルリンで行われたそうだ。
確かに「インターコンチネンタルホテル」は梅田にあって、ラウンジバーで本作の公開日に合わせてインスパイアカクテルを出したりしているのだが、外観は映画と全く違うし、ついでに梅田駅ももちろんああいう感じではない。梅田駅に何故か西梅田終着の電車が、などと脳内でローカルいじりをしつつ観ていたが、実物に寄せず作品の世界観に合わせた雰囲気に作り込んでいるのがむしろよかった。日本文化へのリスペクトがきちんとあったので好印象。電車内の広告やドアの開閉のアナウンスなど、細かい部分は真田広之のアドバイスも受けたそうだ。
アクションで唯一、階段落ちのシーンだけはちょっと長く感じた。ジョンの気持ちになってこっちも何だか息切れしてきた時に、ようやく上の方まで上ったところで蒲田行進曲よりハードな階段落ちで振り出しに戻ったので、こちらの気持ちが折れそうになった。
最後の決着は作法に則った決闘というのが、それまで散々アクロバティックな動きを見てきた目には新鮮に見えて、親友同士がやむなく対決する悲壮感も出ていてこれまたよかった。
それにしても今回のラスト……これまでも、「これは死んだか」という目にあっても実は生きてたジョン・ウィックだし、エンドロール後の映像込みで考えると「何らかの理由で死を偽装した」パターンもなきにしもあらず……とファンとしてはつい考えたくなる。数々の試練を生き抜いてきた彼にしてはあっけないとつい思ってしまう。
だが、主席連合からは自由になったから賞金首でもなくなったはずで、「死んだことにする」理由が見当たらない。
それと、これは物語の外のことになるが、VOGUEの記事にプロデューサーのベイジル・イヴァニクの次のような証言が書かれていた。本シリーズの撮影で身も心も消耗したキアヌ自身が、続編が作られないようジョン・ウィックを「この映画の最後で完全に殺してくれ」と言ったというのだ。それに対しイヴァニクは「10%くらい可能性を残しておこうかな」と答えたという。それでああなったということ……なんですか?
シリーズの復活はキアヌの気力体力のみぞ知る。そんなところだろうか。
余談:
•最後のウィンストンの「さらば息子よ」みたいなロシア語の台詞、手首のロシア正教の十字架のタトゥーからして、ウィンストンはルスカ・ロマの一員ぽいし、言葉のあやでなければジョンの父親だったりするのだろうか。
•原題はChapter 4なのに邦題が「コンセクエンス(consequence 字幕では「報い」)」となっている理由を、監督は「4という数字が死を連想させるとして日本人が忌み嫌う」からだと答えている。こんな死屍累々の映画を観ようという人がそんなこと気にしますかねえ。
遂に主席連合との直接対決に! 前作からアクションも映像も格段にクオリティーが上がってシリーズ最高峰。
キアヌ・リーブスにとって「ジョン・ウィック」シリーズは、トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」シリーズの様に感じるほど、キアヌ・リーブスのライフワーク的な生き様が表れた作品だと思います。
「鉛筆1本で3人の男を殺した」などの多くの伝説を持った殺し屋という設定も興味深いですし、本作でもまた新たな伝説を披露しています。
第1弾、第2弾と回が進むにつれ面白さが増していったシリーズですが、個人的には第3弾で、やや失速感があり本作を見る前は少し心配でしたが、杞憂でした。
前作では肝心のアクションシーンでキアヌ・リーブスのキレが弱まり「年齢の壁」のようなものを感じていましたが、本作では見事に復活し、アクションシーンも冴えまくっていました。
さらには、第1弾からずっとチャド・スタエルスキ監督なのですが、演出もキレが増してエッジの効いたシーンが非常に多く、「何が起こったんだ?」と思うほどカッコいい作品に仕上がっていました!
前作で評価を下げた要因の1つに❝なんちゃって日本❞のような描写があったのが残念でしたが、本作ではそこも大きく改善していました。
撮影時はコロナ禍まっ只中だったのですが、舞台の1つになった大阪の風景がキチンと映し出されています。
そして、大阪のセットのシーンですが、日本人から見ると「こんな看板はないな」と判断できるものではあるのですが、キチンと日本のDNAを汲んでいる❝親日家であるからこその看板❞になっていて、これは「アリ」だと好感さえ持てました。
この先は、スピンオフの2作品が予定されているようですが、本筋の「ジョン・ウィック」シリーズはどうなるのか?
キアヌ・リーブスは冒頭のように、「需要があるのならやり続ける」といった覚悟があるので期待して待ちたいと思います。
2時間49分、ただただ戦っていることに意味がある。
2時間49分というべらぼうな上映時間だが、ストーリー的にはシンプルなもので、まがりくねった展開やトリッキーなどんでん返しがあるわけではない。じゃあなにをしてるかって、とにかくキアヌ=ジョン・ウィッグが戦っているだけなんだけど、もう、戦い続けている大変さが、そのまま上映時間に直結している体感型の映画になっている。思い起こせばジョン・ウィッグは一作目からほぼノンストップで戦い続けていて、そりゃあもうお疲れでしょうと労いたくもなるし、最後の落とし所にも納得(5作目やるという話もあるようですが)。個人的には、ベルリンの巨大クラブの異様な空気感と、パリ中の殺し屋が押し寄せてくる終盤が好きで、特にパリ編なんて元ネタでもある『ウォリアーズ』をまるまる一本分やりますよという特盛っぷり。なんなら決闘が決まった時点でお話的には8、9割終わってんのに、そこから一時間戦い続ける徒労感こそが本作の醍醐味だと思う。とりあえず映画史上最長の階段落ちの、笑いと申し訳なさが入り混じった「マジか!」な感覚を味わうためにももう一回か二回は観に行きたいところです。
2時間49分に活劇のアイディアが詰まった奇跡
上映時間が2時間49分。その間、殺し屋ジョン・ウィックを演じるキアヌ・リーブスはたったの380ワードしか話さず、ひたすら黙々とアクションに徹し続ける。そんなことが可能なのかと案じていたら、何と可能だった。なぜなら、監督のチャド・スタエルスキは『続・荒野の用心棒』('66年)『ブリット』('68)『ダーティハリー』('71年)そして『座頭市』('62年~)等、映画史を彩るアクション映画からもらったアイディアを活劇シーンに注入し、その上に元スタントマンとしての経験値を上乗せして、終始観客を飽きさせない。その際たるものはジョンが拳銃を敵に対して至近距離で構え、弾を撃ち込みながら、四方から走ってくる車と格闘する場面。距離感の斬新さ、理詰めで考えた動きの的確さは、いかにもスタエルスキならではの知恵だが、それをスタントなしで決める(スタンドインはいるがほぼスタントなしという触れ込みだ)キアヌの活劇俳優としてのスキルには改めて恐れ入る。
『アラビアのロレンス』('62年)にインスパイアされたという冒頭のシーンはヨルダンで撮影され、その後、ロケ地はフランス、ニューヨーク、ドイツ、日本と転々として、今更言うまでもなくロケーション・ムービーとしての楽しさも充分。何よりも、やりたい仕事は徹底してやり続けるキアヌ・リーブスの俳優としての有り様が、映画を面白くしている。
シューティングゲーム好きかどうかで体感時間が変わりそう。ポストクレジットシーンをお見逃しなく
「マトリックス」シリーズでアクションコーディネーターやスタントダブルを務めたチャド・スタエルスキ監督と同シリーズ主演のキアヌ・リーブスが組み、ワイヤーやCGに頼らないよりリアルなアクションが売りの「ジョン・ウィック」(2014)からスタートさせたシリーズの4作目。世界的大ヒットを続ける高収益の連作の常として、相対的に立場が強くなる監督や主演俳優(製作を兼ねるケースも多い)がやりたいことを目いっぱい盛り込んで尺が長くなりがちだが、このシリーズも1作目から101分、122分、131分ときて、4作目「コンセクエンス」ではついに169分。キアヌが演じるタイトルロールのほかにも、凄腕の殺し屋たちが続々と参戦し、素手や刀、ヌンチャクも使う格闘から、銃弾のリロードなどもきちんと見せるガンフー(銃+カンフー)、車やバイクでのチェイスと組み合わせた高速アクションなどなど、活劇をたっぷり見せることを最優先した作りになっている。
真田広之演じる大阪コンチネンタルホテル支配人が日本刀でジョンと共闘したり、香港映画スターのドニー・イェンが盲目の仕込み杖使いという座頭市っぽいキャラクターを演じたりと、映画ファンには胸アツのポイントも多い。だが後半になると、廃屋での俯瞰ショットでジョンが部屋を移動しながら大勢の敵を次々に撃ち殺したり、決闘場に指定されたパリのサクレ・クール寺院に至る222段の階段でまたもや大勢の敵を延々と撃ち殺したり(もちろん格闘や仲間との共闘もあるが)と、次から次へとわいてくる“ザコキャラ”をひたすら倒すアクションシークエンスが、とにかく長い。なにやら他人がプレイしているシューティングゲームの画面を傍観しているような気がしてきて、シューティングゲーム好きかどうかで体感時間が変わるのではと思った。
1作目を除き、ラスボス的なキャラクターとジョンとの大立ち回りが乏しいのが本シリーズの傾向としてあり、カタルシスが足りない一因ではなかろうか。3作目「パラベラム」でエイジア・ケイト・ディロンが演じた裁定人は冷酷でクールな迫力があってお気に入りで、4作目でのジョンとの直接対決を楽しみにしていたのに、登場せずがっかり。今作のラスボスに相当するグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)との“決着”も、カタルシスという点では微妙。5作目の製作も決まっているので、エイジア・ケイト・ディロンにはぜひ再登場してほしい。
日本人の若手の活躍という面では、アキラ役のリナ・サワヤマ(新潟出身でロンドン在住の音楽アーティスト)や、スタントパフォーマーとアキラ役のスタントダブルで参加した伊澤彩織(「ベイビーわるきゅーれ」シリーズでダブル主演)が、ハリウッド映画の人気シリーズに起用され、少なからぬ貢献をしているのも喜ばしい。彼女たちの今後のキャリアにも大いに期待したい。
そうそう、本作にはエンドロールの後の本編映像、いわゆるポストクレジットシーンがあるので、どうぞ最後までお見逃しなく。
A Fourth Film Shouldn't Be This Good
John Wick is the recipe for campy action cheese, but somehow Reeves' production is sleek and stylish with a tinge of anime aura that allots taking the film much more seriously than anybody would anticipate. You might ask why it is so long, but fun characters come and go like a Tarantino film. Not to mention, a quickdraw duel chapter might be the best since the finale in Kubrick's Barry Lyndon.
区切りはついた。けれどまだ続く。
ドニー・イェンと真田広之、二人のアジア系アクションスターを迎えてのジョン・ウィック4作目。
3時間近い作品でありながらそのほとんどの時間でアクションし続けるボリューム感は驚き以外の何ものでもない。
実はもう、2作目からストーリーの方は全くといっていいほど理解できていない。覚えていないともいえる。
ある意味で、それだけストーリーなどどうでもいいということだ。
つまり、ギチギチに詰め込まれたアクションを楽しむアトラクションのような作品で、コチラとしてもそれが見たいのだからこれでいい。
個人的には前作「〜パラベラム」ほどの高揚感を感じなかったので、手放しで絶賛することはできないが、このシリーズの区切りといえるところまで完走出来た達成感はある。
しかし、人気があるうちはシリーズを続けると公言されているのでもちろんまだまだ見たい。
来年か再来年にスピンオフの「バレリーナ」があり、その後はどうするのか分からないけれど、キアヌには頑張って続けてほしい。
「バレリーナ」の主演はアナ・デ・アルマスだしとても楽しみ。
親日家(笑
1と2が最高に好きだったので期待していたが、初めて映画の視聴を途中で辞めた。
ここまで雑な日本が登場するとは夢にも思わなかった。
3の時はまだ笑う余地があったが、これで親日家など馬鹿にしているのかと言いたい。
妙な服装と化粧、偽物の桜、ゴテゴテした装飾の刀や鎧。侘び寂びなどかけらもない。
日本をよく知らない外国人が考えた「俺の中のクールジャパン」感満載だった。
ニューヨークもローマもそれぞれ趣ある素晴らしいホテルだった分、余計に大阪の雑さが際立った。
キアヌが親日家という情報がなければ楽しめたのかもしれないが、こんな金のかかった学芸会を映画館で見なくてよかったと心の底から思う。
ジョンウィック最終話
最後ジョンが死んだのは悲しいけどまあ漸く終わりを迎えることが出来たのかなという感慨もある。
階段上ってる時は転げ落ちるだろうなーと思って、本当に落ちて行ったので思わず笑った。
いつも通りジョンがボロボロの血みどろで暴力を振り回すので見たいものが見れる満足感がある。
真田広之のアクションがかっこいい。
若干の似非日本ではあれど、我々日本人が求める真田広之はこれだと強く思った。
そもそもほぼ喋らないジョンがコウジに対して日本語喋ってることに友情を感じてなんだかちょっと感動した。
ケインの最後は切ないが、タイトル通り報いを受けたという事で納得感があった。
バーバヤーガ、最後の復讐 そして伝説は、聖人へ。
亡き妻ヘレンから贈られた仔犬を、ロシアンマフィアお坊っちゃんの強盗に殺され、復讐。(1)
ある仕事の為に、イタリアンマフィアのお坊っちゃんと誓印を過去に結んでいて断れず、昔の知り合いを始末させられ、なおかつ、口封じの為に自分も始末されかかり復讐。(2)
その余波で、殺し屋会追放、懸賞金をかけられる。世界中の殺し屋達に狙われ、組織の首長に会い、組織に戻り、なんやかんやでビルから撃ち落とされ、復讐を誓う。(3)
そして今作。
これまた坊っちゃんに、狙われる伝説。
この1からコンセクエンスまでのジョン・ウィック世界でのスパンが短すぎる!
何ヵ月かしか経っていない!っぽい。
映画館で鑑賞した当時は、字幕しかなく不安だったが、あんまり台詞はないし、むしろ日本語が出てくるので、アクションだが、ほぼ問題なく観れたのを覚えている。
そんなガン・フーばっかりの本編だが、ストーリーもぶれずに、まさに初志貫徹なジョン・ウィック。自分の生き方に対するケジメ、というか3でも、いつかは誰かに殺される。と報いを受ける覚悟はある様子だった。だが只では死なず、やはり復讐をしてからという姿はカッコ良さを感じる。
ただ殺すだけではなく、今回は意味のある復讐を。
今まで、ジョン・ウィックの報いを受けていたのは、他のまわりの人達だった。
今作のラストは、そこにケジメをつける最高の答えだったように思えます。
殺し屋ではあるけれども、ジョン・ウィックの人の良さを感じる描写もスゴく良い。
大好きな映画です。
後半の
決闘へ向かうジョンの賞金稼ぎ達との戦いは、カメラアングルといい無双感といい、まるでゲームの世界にトリップしたようだった(笑)
正直ラストの決闘は代理制など無くして、直接対決が見たかったが、代わりにケインとジョンの固い絆は感じた。
折角自由になったジョンなのに、魂が自由になるなんて…
エピローグの真田広之の娘のアキラがケインを襲うシーンは無い方が良かった。
長い。 大阪のパートがダサすぎて観てるのが苦痛やった。 日本人の武...
長い。
大阪のパートがダサすぎて観てるのが苦痛やった。
日本人の武器は刀と弓と手裏剣ですか。
ホテルの品格も大阪だけ段違いに下品。
他の国の支配人は高貴な雰囲気やのに大阪だけ下衆なギャング団のボスみたい。
コメディ格闘シーンは継承。
ヌンチャクシーンは爆笑モノ。
謎の黒人がボビー・オロゴンにしか見えない。
みんな車に轢かれすぎ。
警察の存在しない世界のお話。
ついにラスボス編
自由のために組織のトップに立ち向かう殺し屋の話。
愛犬が殺されて始まった話が
ここまで大規模になると思いもしなかったです。
相変わらずアクションの見応えは抜群。
終盤はGTAの手配度MAXみたいだった。笑
ただ今作はなんと2時間50分という長丁場。
中盤のまんねり感が結構しんどかったです。
でも妥協せずに毎回新しい試みが見られて
製作陣のやる気がひしひし伝わってきました。
ラストはジョンらしい最後だったような気がします。
これまでシリーズを観てきた人はぜひ見届けてください。
何で警察来ないの?
2024年8月25日
映画 #ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年)鑑賞
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、主席連合から自由になるために動き出す
沢山殺そうとすると一つ一つの殺しが雑になっていくな
#ドニー・イェン は世界のスターになってるな
凱旋門での戦闘シーンは一見の価値あり。
シリーズ4作目だが、相変わらずストーリーらしいストーリーは無く、ひたすら戦闘シーンが続く。ジョンが死ぬまで終わらないだろうと思っていたらこれで終わりとなった。今回印象に残ったのは凱旋門での戦闘シーン(これはスリルがある)と、シェパードの放尿シーン。もう少し短くしてほしかった。
壮大なスケールのシリーズ最高傑作にして完結編
・キアヌ・リーヴス主演による2014年(日本公開は15年)から続く『ジョン・ウィック』シリーズの第4作目。彼にとって、既に『マトリックス』シリーズと並ぶ一大人気シリーズに。
回を重ねる毎に更新されていくアクションと上映時間。第1作目は101分というコンパクトさだったのに対し、今作は何と169分という長尺。
日本版の副題にもある【コンセクエンス(consequence)=結果(作中では“報い”の意として度々登場)】という言葉の通り、今作では、ジョン・ウィックとこれまで彼に関わってきた者達、今作で新たに彼に関わる者達それぞれの行いに、様々な報いが生じていく。シリーズの集大成とも言える作品。
・前作のラストで、キングと共に主席連合への復讐を誓ったジョンは、早速首長への復讐を果たす。しかし、ジョン・ウィック抹殺を条件に、連合の権限を一手に引き受け、新たに主席連合の首領に就任したグラモン侯爵の策略によって、ニューヨークのコンチネンタルホテルを経営するウィンストンは支配人の権限を剥奪、相棒のシャロンは見せしめとして射殺されてしまう。大阪コンチネンタルホテルに潜伏しているジョンを抹殺する為、侯爵は彼の旧友であるケインを呼び戻し、部下達と共に向かわせる。
・今作は何と言っても、ドニー・イェン演じるこのケインというキャラクターが素晴らしい。娘を愛する盲目の達人という、決して字面では斬新さが伺えない設定だが、スクリーンに映し出される彼の人間性と戦闘スキルの数々に唸らされる。
杖を用い、足元をフラつかせながら周囲の状況を確認する危なげな様子に、観客は「オイオイ、大丈夫かよ?」と、一瞬不安になる。しかし、一度戦闘が始まれば、その磨き上げられた抜群の戦闘スキルで、襲い来る敵を次々と薙ぎ倒してゆく。特に、大阪コンチネンタルホテルの調理場での戦闘シーンが良い。壁や調理具にセンサーを取り付け、敵が通過すると音が鳴るというシンプルなトラップだが、音のした方向に適切な攻撃を加えて敵を倒していく様子が面白い。
また、あくまで娘の命を人質に取られているから侯爵の命令に従っているのであって、無闇矢鱈と殺生はしない様子(同じく旧友であるシマヅや彼の部下達への配慮等)が達人感を漂わせる。
極めつけは、ジョンを見捨てて決闘場所に向かえば確実に娘が助かるにも関わらず、刺客に襲われ孤軍奮闘する彼に手を差し伸べ、共に決闘場所である寺院に続く階段を上がっていく姿。「良き友であり、同時に最大の敵でもある彼は、あくまで正々堂々と決闘で倒す」という、ケインの武人としての誇り高き精神に、思わずウルッとさせられた。
そんな彼にすら、エンドロール後に正に彼らの生きた「殺しの世界」の“報い”がやって来るのだから恐ろしい。
クライマックスの決闘シーンで、ジョンと交わした「(ジョン)死にしがみつく者は、生き。(ケイン)生にしがみつく者は、死ぬ。」という台詞を体現している。殺しの世界から解放されたと思ってしまった彼は、間違いなくあの瞬間、生にしがみついていたのだから…。
・ビル・スカルスガルド演じるグラモン侯爵も、ステレオタイプながら絶妙な“権力に溺れるボンクラ”感が見ていて楽しい。よく主席連合の連中は、彼に権限を与えたなと思う。あるいは、クライマックスの決闘シーンで「実はメチャクチャ強かった!」というサプライズでもあるかと思ったが、そんな事はなかった(笑)
その徹底した小物っぷりが、演じるビル・スカルスガルドの演技もあって愛しささえ抱かせるのだから素晴らしい。
・今作は、ビジュアル表現の数々にも非常に力が入っていた。キューブリックを彷彿とさせる左右対称に拘って撮られているシーンは勿論、アクション映画であると同時に、象徴的なシーンの一つ一つが絵画の如く美しいのだ。
大阪コンチネンタルホテルでの死闘は、桜が印象的なホテルの外観、鎧甲冑や日本画をイメージしたステンドグラスの飾られた修練場、刀・弓矢・手裏剣、果てには力士の用心棒と、ハリウッドならではの“間違った日本感”全開のビジュアルが、日本人としては美しいと同時にクスリとさせられる。修練場でのアクションは、前作のクライマックスの戦闘シーンと重なる印象があるのもまた面白い。
他にも、侯爵に決闘の果たし状を渡しに行くウィンストンの背景に飾られている名画の数々。
背景にエッフェル塔を挟んでの、決闘の条件を話し合うカードゲーム。
夜明けの朝日が差し込む寺院での決闘シーン。
これらを劇場の大スクリーンで存分に体験出来るのだから、非常に贅沢。
・アクションに関しても、既に4作目であるにも関わらず、尚も新しい引き出しを提示し続けてくれて、観ていて飽きない。
寺院に向かうジョンに襲い掛かる刺客達との凱旋門でのバトルや、改装中の建物内での、大スクリーンで観ているにも関わらず、どこかミニチュアを真上から眺めている感覚に陥るワンカットガンアクション。寺院に続く階段での、倒しても倒しても次々と刺客が現れるゲームステージのようなバトル。
また、ジョンの確実なヘッドショットによるトドメをシリーズ通して最後まで貫き通す姿勢も非常に好感が持てる。
・今作のラストで、遂に伝説の殺し屋、無敵の男、ブギーマン、ババヤガと、多くの尊称(愛称)で表現されてきたジョン・ウィックも、遂に命を落とす。数え切れない殺しを経てきた彼も、遂にその“報い”を受ける時が来たのだ。今際の際で脳裏に浮かべた“愛する妻”の元へ行けたのかは、墓前でウィンストンが語るように「分からない」。
というか、本当にこれで彼が死んだのかすら、実際の所は分からない。だが、エンドロール後に我々観客に突き付けられたクールなラストが示すように、例え生きていたとしても、「一度でも殺しの世界に足を踏み入れた者に、安息はない」という事に変わりはないのだろう。
個人的には、今後スピンオフが控えてはいるが、ここで一度シリーズを畳んだのは英断であったと思う。ジョン・ウィックの紡いだ物語の集大成として、その結末として、本作は非常に満足度の高い景色を魅せてくれた。
ところで、あの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のグルートみたいなキャラクターは、一体何だったのだろう…?(笑)
組織がダサい
3時間弱でアクションだけのスッカスカ映画
1作やかろうじて2作目まであった裏社会や組織の不気味さ底知れなさが微塵も感じられない。
あんだけ不意打ちでも何十人から撃たれようとも一発たりともかすりもしないとか無理だって。
組織はいちいち佇まいが仰々しいだけでダセえ伯爵とか取ってつけたように新しい決まりが出てきて恥ずかしい。
またオオサカコンチネンタルは相変わらずのそうじゃないジャパンオンパレード、食材名が漢字で書かれた大型冷蔵庫を開けると普通に銃や刀が収められていたところで自分の中の何かが切れてしまった。とんでもなくカネはかかってる事だけはわかるけど感想なんてない。
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