不思議の国の数学者のレビュー・感想・評価
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イプシロン
いや〜な担任で数学教師のパク・ピョンウン。
最近そこはかとない色気を醸し出した復讐+W不倫物ドラマの主役として出てられた。
その少し前、真面目そうな学者っぽい役も。
本作のようにイヤ〜な奴も演じられるとは。
一度観た時『グッドウィルハンティング』と
『セントウーマン夏の香り』を足して割ったような
印象を持った。
世界的な数学者であるが故、自身にとって不遇な母国にては続けられないと脱北したが、南では以前の職業を活かすことができずにいた。
また、活かしてしまえば身元露見すぐ送還。
数学に限らず学問は知識を得、思考力を身につけつつ更に知識を増やしていくものであり、学校ではその方法を教わったり自身の実力を理解して過不足を知りまた学び力をつけていく場かと思うが、
大人やお金が関わり本来とは異なる姿として、
ジウを悩ませている。
そこを本来の学問たるものを知らしめるべく
ハクソンが事細かな質疑で徐々にわからせて
いってくれる。
音楽のシーンは、このハクソンの教養高い
文化人たる姿を印象づける為かと感じた。
担任、間違いを認めない。
お金がない生徒に転校をすすめるイヤな教師たち。
イヤな学校、韓国も中国も日本より受験戦争が
苛烈だとよく聞くが。
ボラムちゃん、エライ❗️母親に屈しない❗️
講堂に入って来た時から、セントウーマンまんま。
将来二人とも明るい未来の様子でうれしい。
(余談)
ギチョル役パク•ヘジュンさんが、世話役みたいな
地味〜な役だな、と思っていたら、やはり重要で
好きになる役柄だった。
また再度観たら編集するかも?です。
後半は出来杉くんかな…
前半とても良かったです。
数学が美しいことや、過程が大事なこと、
公式の暗記や証明に関する認識は共感を呼ぶ。
またピアノの連弾シーン亀を放つ姿も微笑ましかった。
ハッピーエンドに感謝
数学落ちこぼれ高校生、謎の警備員。数学に答えを求めるな、過程が大事と教える警備員先生。
バッハ音楽聴く、数字楽譜によるピアノの連弾。
前半は主人公の高校生と警備員数学者との不安定ながら温かい、後半はかわいい女性徒も交えた交流。
進学重視学校組織がわかりやすくなる一方で、半島南北問題と驚きの脱北者支援会の中での関係。
転校するつもりの主人公が女性徒に引っ張られてアワード発表会に来たが、そこの壇上に立つ人、そして、彼女が試験で退席した理由。教育社会の暗部が剥き出されながら、主人公高校生と脱北者数学者と、暗い中での灯りではなく、自然の光を浴びながらエンディングを迎える。
正解より大切な事がある。
この映画を昨日観てきました。タイトルにもある通り、社会、政治・経済、環境等諸問題が世界中で複合危機=ポリクライシス化。して先行きが見えない状況にある中、人生観とは何か、本当に大切な物は何かを問いかけています。
高校で警備員として働くハクソン=俳優チェ.ミンシクさんと、高校生活に馴染めずにいる生徒のジウが、お互いに数学を学ぶ事によって、人生の大切さを学び、打ち解けて行く姿がじーんと来ました。
学ぶものがたくさん
韓国の学歴至上主義は日本の其れの比ではなく
学生時代にこそ、学べるはずの大切なことは
学ぶことが出来ないまま大人になっていく若者を
憂う。(もちろん日本も同じ)
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ただただ記憶するだけの勉強法では
美しい数式には気が付きません。
円周率の美しさ?!
円周率にこんなにも美しさを感じるとは
思ってもいませんでした🎹
そして、もちろんわたしは一切美しいとは
思わなかったクチです🤣
テストの際、あんな数式書いた記憶もありません🤣
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この映画から大切なことを沢山学ぶことができ
優しさに溢れ、心が温かくなります🥺
南北問題も絡め、母子の労り、真の友とは…
劇場鑑賞できる人はぜひ。
見逃した方は保存して配信されたらぜひ😭
わたくし、開始3分で泣きました。
とても秀逸な作品でした。
数学版ベストキッドにセントオブウーマン
キャスティングが絶妙
主人公のジウがイケメンでないのが良い。どちらかと言うと情けない、見てるこちらが頑張れと応援したくなる顔。
物語は王道。世を拗ねて隠棲しているその道の神様老師が、押し掛け弟子の指導をしていくうちに、自らの過去の過ちと向き合い、再生する話。
ベストキッドの数学版。それもジャッキーチェン版。
解法だけを追い求める担任と、一見勝ち負けに関係なさそうな基礎訓練をやらせ、本質を教えてくれる真のマスターとの対比もそのまま。
でもそこが良い。
数年後少し頼もしくなったジウとの再会も良い。
映像的には、数式を板書しながら黒板の裏から表にワンカットで回り込むカメラワークが素晴らしい、
パイの演奏も音楽が良い。
老師はパイを何桁まで暗記してるのだろう?
老師の業績としてリーマンのゼータ関数の予想を持ってきたのも上手い。
難問であり、解いたとする数学者も急死して未だに、証明されておらず、もし証明されたら、素数を使う現在の暗号通信に多大な影響がある
不思議なつくり
少年が主人公だと思うんだけど、途中から存在感なくなるのね。
ヒロインなんだろうなっていう同級生の女の子は、ほぼ出番なしというか、活躍しないの。
それで最後は用務員のおじさんが「実はすげえ数学者だったぜ」と権力を振りかざす感じで、問題解決して終わり。
不思議なつくりなんだよね。
でもみんな、こういう水戸黄門パターンは好きなんだろうな。
あと「一見冴えないけど、実は……」も人気があるね。
数学の美しさを示すのにオイラーの等式をもってきたね。
確かに不思議な感じがする。
本当に
円周率はあんな綺麗なメロディを奏でるのでしょうか?物語の前半はライトな感じのストーリーが展開されますが、後半は少し重い展開になっていきます。イ・ハクソンとハン・ジウの年の離れた友情にも似た関係には熱いモノを感じました。
【大当たりの韓国映画!】美しき数学×音楽=宇宙
高校1年生のハン・ジウは、警備員のイ・ハクソンに酒を持ち込んだところを目撃され、寮を追い出される。大雨の日イ・ハクソンの警備員室に泊めてもらうのだが、次の日難題と言われる数学の問題が全て解かれていた。しかも全問正解。
ハン・ジウは、イ・ハクソンに数学を教えて欲しいと頼み込む。
実は……イ・ハクソンは北朝鮮一の天才数学者であり、ある悲しい過去を抱えていた。
個人的に数学は最も苦手な分野……これ、大丈夫かなと思って見たけど、そんな不安は一瞬で掻き消された。
なんて美しく、知的で優しい物語なのだろうと。
とはいえ、超学歴社会かつ、就職が困難な韓国にてこういったテーマの映画を製作することも皮肉っぽくて面白い。
警備員と男子学生の友情には胸が熱くなるし、特にラストにかけては涙なしでは見られない。
そしてイ・ハクソンの息子との回想シーンは胸が締め付けられそうになる……
音楽と数学のハーモニーを今作で実現しているところも素敵。
バッハの「無伴奏チェロ組曲 第一番 ト長調」
連弾で弾いた曲、どれも美しく情緒的な曲ばかり。
そして数学嫌いな私が、数学ってこんなにも美しく宇宙的なんだ、と実感した映画。
古物商からもらった大量のアンティークランプを灯して夜な夜な数学を解く2人のシーンはずっと眺めていたかったな。
【"リーマン予想。"脱北した天才数学者と落ちこぼれの男子高校生の交流を描く。天才数学者が秀才たちにスピーチする姿は受験戦争に警鐘を鳴らしながら、勉強する本当の意味を伝えた素晴らしきシーンなのである。】
■各校の上位1%が集う全寮制の名門校に通うジウ(キム・ドンフィ)は”特別枠入学”(母子家庭や、経済的に恵まれない家庭の生徒の入学枠)であるからか、授業について行けない。
ジウは校則を破った相部屋の級友たちを庇い、独り寮を一カ月放逐される。
家に帰っても、母親に本当の事が言えず古い建物内に隠れるが、そこは夜間警備員ハクソン(チェ・ミンシク)のねぐらでも有った・・。
◆感想
・ジウが寝過ごした時に学校に持っていった数学の先生が作る超難問(画面を観ていたが、サッパリ分からず・・。)の数々に記されていた数式と答え。
ー そりゃ、驚くよね。そして、ジウはハクソンに”数学を教えてくれ”と頼むがツレナイ答え。だが、ジウが父が青信号を渡っている時に事故に遭い亡くなった話をすると、ハクソンはジウに数学を教え始めるのである。後半、明かになるハクソンの過去をさり気無く表現しているのである。-
■ハクソンの独特だが、素晴らしき教え方
・正解のみを追い求めるのではなく、答えを求める”過程”が必要。そして、難問にぶち当たっても諦めずに根気よく解き続ける”勇気”が必要だと諭す姿。
ー 受験スキルのみを教える愚かしき担任とは、真逆の教え方である。
そして、これは仕事でも言える事なのである。
結果は勿論大切だが、その結果を出す”過程”や”諦めない努力”を重視するハクソンの視点には大きく共感する。ー
・構内で受験問題漏洩が起き、愚かしき担任はそれを転校を進めていたジウに責任を被せようとするのである。
ー だが、ジウが持ち出そうとしていたモノとは・・。-
・ジウの事が好きなピアノが好きだった、ポラムも受験第一主義の母親に反発し、ハクソンの元に来る。
ー ポラムとハクソンがπ(3.1415・・)の数字を音符化し、連弾するシーンの美しさよ。
そして、ハクソンが何故イチゴ牛乳を毎日飲んでいたかも分かって来るのであるー
・一方、数学の超難問の一つであるリーマン予想を解明したとして、脱北したハクソンの業績が認められ、色めき立つ北の高官たち。
そして、夜間警備員ハクソンが実は世界的天才数学者である事が、徐々に明らかになっていく。
■そして、校内の期末試験発表の際に登場したハクソン。壇上には幼き頃に数学で競った南のライバルや校長たち。
今や、皆がハクソンの業績を知っている中、彼は満員の秀才たちに語りかけるのである。
”私は、自由と学問の自由を求めて”南”に来た。
だが、”南”も数学を受験の道具としてしか使っていない・・。試験の結果ではなく、勉強した過程や努力が大切なのです・・。”
そして、ハクソンはジウの漏洩疑惑もさり気無く明かすのである。
可なり沁みた含蓄溢れるスピーチ内容であり、チェ・ミンシクの圧倒的な演技が炸裂するシーンである。
<今作は、ややストーリー展開が粗い部分もあるが、それを吹き飛ばすメッセージ性が素晴しき作品である。
数学を学ぶ魅力をハクソンが伝えるシーンや、黒板に書かれた数式の美しさにも、魅了された作品である。(内容はサッパリ分からなかったが・・。オカシイなあ、数学は得意だったのに・・。そうか、私は受験のための数学を勉強していたのだ・・、と反省する。)
今作は、学ぶ事の意義の”本質”を描いた素晴らしき作品なのである。>
円周率の音楽が良き
色々と出来事は起こりますが、最終的にはほっこりとする師弟の物語でした。
数学と音楽をリンクさせた部分、円周率の数字を音符に置き換えた美しい音色のピアノ曲が印象的でした。
南北特有の世界線があるため、北から逃げた脱北者なのか、南が拉致したのか、というくだりは他の国には無い論争点で、韓国映画らしいと思いました。
しがない警備員が実は世界的な数学者だった。。というのはおじさんVER.のシンデレラストーリー的というか。。良いですね、こういう展開も。
淡々と進む話なので、アクションもカーレースもスリルもサスペンスもありませんが、ヒューマンドラマや受験国家、学歴尊重社会の姿を見るという意味でたまにはこういうテイストも良いな、と思いました。
数学が
北朝鮮では兵器開発に利用され、
韓国では大学受験の道具に利用されている、、
という先生の嘆きが印象的でした。
数学の美しさを語る先生の瞳が少年のようで、
また教え子の主人公と再会した時もとても嬉しそうで良かったです。
*****
ヒロイン役のお母さんが典型的な毒親で、2言目には「あなたのために塾を変えたわ」「あなたのためにピアノをやめさせたのよ?!」っていう。。。出たよ「あなたのため」。子どもには最悪のセリフ。
いくら年取ってもこういう毒母親のセリフは娘の気持ちになってムカッときますね。。。マジでいらんわそういうの、そういう押し付けが最悪なんだよ、荒れる子どもの気持ちを少しは考えなさいよ!って。。登場当初ややウザ気味のヒロインでしたが、家庭環境が分かると同情してました。
*****
受験戦争社会にいると、どんだけ金持ちでもそれだけで幸せじゃないんだよな~と改めて実感しました。まぁ、ある程度はお金もないとそりゃ困りますけど。
この主人公が良い師匠に巡り会えて、将来彼も何か教授とかになりそうで良かったです。
毎日イチゴ牛乳は糖分取りすぎな気がするので、程々に(笑)
数学的勇気
数学者のドラマはフィクション、ノンフィクションを問わず美しい。数学者を演じるのは名優チェ・ミンシク。
エリート高校の夜間警備員の正体が、脱北した天才数学者だったという水戸黄門的展開!
韓国だからこそ成り立つポリティカルサスペンスの匙加減も絶妙。
物語は数学が苦手で脱落寸前の少年のエピソードから始まる。なんやかやあって数学者がこの少年に数学の手ほどきをするわけだが、解法を教えるのではなく数学的思考を叩き込むのがエレガンス。
そして物語後半では何のために数学を学ぶのかがテーマとして、そして生き様として浮上してくる展開がアツい。
落ちこぼれ少年がメンターを得て成長する王道成長譚としても楽しめる。
母1人子1人の貧しい家庭の出の少年と、脱北後に息子を失った数学者。格差社会の韓国で低く見られがちな2人が、歳の差を超えた友情を育んでいく様が感動的。その結晶とも言える終盤のチェ・ミンシクのスピーチが素晴らしい。
それだけで美しい学問
天才数学者ハクソン役のチェ・ミンシクが何よりピカイチで良かった。日本だったら誰が演じたらいいんだろうと思いながら見てました。
数学が武器製造に使われる北への批判、数学が進学や就職の手段として使われている南への失望。境界を越えてやって来た南、でも南の学校では富める者とそうでない者とを分かち排除する境界があることをハクソンはジウを通して知る。ジウとの出会いは亡くした息子と数学との出会い直しに繋がったのだろうか。πのピアノ曲、美しかった。
学校の最後のシーンは「セント・オブ・ウーマン」のパチーノだった。ジウは答えでなく過程の大事さ、今日ダメでも明日また頑張ればいいんだ!という希望と前向き姿勢を身につけて数学を専攻する大学生になった。
ハクソン先生はドイツの研究所に行った。物理にせよ化学にせよ、政治・軍事に使われた苦い辛い歴史を持つドイツは正面からそれを受け止め決して忘れないようにしている。とても意識している。だからハクソン先生の行き先がドイツで、ハクソン先生を受け入れたのがドイツということが私は腑に落ち嬉しかった。ドイツもかつて東西を分断する境界があった。そして今も東西の間に心の壁や格差の壁がある。
数学に憧れながらまるでダメで数字にさえも怯える私は憧憬の思いでこの映画を見た。英語タイトルのPrime「素数」も悪くないし、ハングルと日本語のタイトルは同じでこれも素敵。韓国のすさまじい学歴社会には吐き気がした。学力や思考力どころか見栄やブランドが相も変わらず重視される日本社会にはもっとがっかりする。
おまけ 1)
イチゴ牛乳ってドイツにもあるのかー?と疑心暗鬼でしたが、何と!調べたらありました。疑ってごめんなさい。
おまけ 2)
ハクソン先生が行った研究所はドイツはバーデン=ヴュルテンベルク州にあるOberwolfach数学研究所。1944年に設立。客員研究員の7割以上がドイツ国外からの研究者で占められていて、毎年約2500名もの数学者が世界中からこの研究所を訪れてワークショップなどに参加しているようです。ドイツの他の色々な研究所と同様、緑豊かな自然に囲まれた素晴らしい場所にあります。
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